ひまわり求人を活用して弁護士が理想の転職を実現するための7の知識

多くの弁護士もしくは司法修習生の方は、「ひまわり求人」を利用して就職や転職する先を検索されたことはあると思います。しかし、いざ利用してみると、どの事務所も同じように見えて、応募先を絞ることができないという弁護士の方の声をよく耳にします。

そこで、数多くの弁護士の方の転職をサポートしてきた弁護士ドットコムキャリアのキャリアコンサルタントが、ひまわり求人を活用して弁護士が利用の転職を実現するための7つの知識を解説します。

この記事が、転職活動の助けとなれば幸いです。

ひまわり求人とは

「ひまわり求人」とは、弁護士の方の多くはご存知でしょうが、正式には「ひまわり求人求職ナビ」といって、弁護士と司法修習生を対象とした求人求職に関する情報を掲載システムで、日本弁護士連合会(日弁連)が運営しています。

ひまわり求人を利用できるのは、求職者(弁護士、司法修習生)と弁護士を採用している法律事務所や企業等です。

日弁連「ひまわり求人求職ナビ」

ひまわり求人でできること

弁護士や司法修習生が、ひまわり求人でできることは、次の3つです。

  • 求人情報の検索と閲覧
  • スカウトの受け取り
  • 最新の求人情報の受信

(1)求人の検索と閲覧

弁護士や司法修習生は、法律事務所等が登録した求人情報を検索して閲覧することができます。

ひまわり求人で紹介されている就職先の種類は次のとおりです。

  • 法律事務所
  • 企業・団体
  • 官公庁・自治体

これらのカテゴリーごとに次の検索軸で絞り込むことができます。

①法律事務所の検索軸

  • 協力事務所としての登録の有無
    • 公設事務所・過疎地派遣養成事務所
    • 法テラス・スタッフ弁護士養成事務所
    • 新人養成型弁護士任官支援事務所
    • 自治体内弁護士等任用支援事務所
  • 経験年数
  • 事務所名
  • 所属弁護士会
  • 弁護士数(日本資格のみ)
  • 取扱事件
  • 個人事件の受任
  • 給与
    • 給与制
    • 歩合制
    • 折衷型
    • 委細面談
    • その他
  • 応募資格(得意分野)
  • フリーワード

②企業・団体の検索軸

  • 企業・団体名(漢字)
  • 企業・団体名(かな)
  • 本社所在地
  • 企業内弁護士数
  • 事業分野
  • 想定される主な担当業務・分野
  • 雇用形態
  • 弁護士経験年数
  • フリーワード

③官公庁・自治体の検索軸

  • 官公庁・自治体名(漢字)
  • 官公庁・自治体名(かな)
  • 所在地
  • 分類
    • 地方公共団体
  • 想定される主な担当業務・分野
  • 雇用形態
  • 弁護士経験年数
  • フリーワード

下表「ひまわり求人の求人数」に、2017年8月時点の掲載求人件数を記載しています。
求人件数のテキストをクリックしてもらえると、本日時点の求人を確認することができます。

ひまわり求人の求人数

求人対象 求人者の種類 求人件数
弁護士 法律事務所 370件
企業・団体等 68件
官公庁・自治体 14件
司法修習生 法律事務所 378件
企業・団体等 47件
官公庁・自治体 2件

2017年8月時点で弁護士を対象にした掲載求人件数は452件でした。
全国の弁護士数は37,680人(出典「弁護士白書2016年版」)ですから、弁護士数に対するひまわり求人の求人件数の割合は1%ほどになります。

また、70期の司法修習生は1,530人ですから、司法修習生に対するひまわり求人の求人件数の割合は約26%になります。

(2)スカウトの受け取り

自分の情報をひまわり求人に求職者として登録しておくことで、弁護士や司法修習生を採用したい法律事務所や企業、官公庁などからスカウトを受けることができます。

登録した求職者情報を閲覧してスカウトすることができるのは、ひまわり求人に求人情報を掲載している企業・団体や官公庁・自治体と、法律事務所です。法律事務所は後述の日弁連アカウントでログインして閲覧することができるので、求人情報を登録していなくても求職者情報を閲覧することができます。

登録情報は項目毎に公開の可否を選択できるようになっています。電話番号やメールアドレスを公開している場合は、求人元である団体などから連絡先に直接スカウトが届くことがあります。非公開にした場合はひまわり求人のシステムを経由してスカウトを受け取ることができます。

(3)官公庁・自治体の最新の求人情報の受信

ひまわり求人に登録すると、官公庁・自治体の最新の求人情報をメールで受信することができます。そのため、官公庁・自治体志望の場合は、是非、登録すべきでしょう。

ひまわり求人ではできないこと

(1)サイト上で求人に応募することはできない

ひまわり求人では、サイト上で求人に応募することはできません。求人票に応募方法についての記載があるので、それに沿って求職者は求人毎に個別に応募しなければなりません。

(2)年収や月収を絞り込み条件にして求人を検索することはできない

収入アップを狙って転職を検討している場合は勿論のこと、そういうわけではない場合も、維持したい生活水準はひとそれぞれあるでしょうから、年収は転職時において重要な項目のひとつであるといえるでしょう。

しかし、ひまわり求人では年収や月収の額を絞り込み条件にして求人を検索することはできません。求人情報詳細ページに想定年収や給与についての記載がある場合もありますが、それほど多くはないようです。給与については、1件1件確認していくほかなさそうです。

(3)コンサルタントによるサポートは受けられない

転職エージェント(「転職エージェント」のコンテンツのリンクを貼る」)に登録すると、就職に関するアドバイスをするコンサルタントによる支援を受けることができます。履歴書や職務経歴書の書き方、面接の対応方法、そして内定後の年収の交渉まで支援してくれます。

しかし、ひまわり求人では、コンサルタントによる転職サポートは受けることはできません。
詳しくは、後述する「転職エージェントとの違い」の項目で説明します。

ひまわり求人の使い方

(1)求人情報の検索・閲覧方法

①ひまわりナビにアクセス

ひまわり求人トップページ

②「求人情報の検索・求人情報の登録」をクリック

ひまわり求人求職ナビ 求人情報の検索・求職情報の登録画面

司法修習生と弁護士の場合とで入り口が異なるので、該当する方のボタン「求人情報の検索・求人情報の登録」をクリックします。

③「法律事務所」、「企業・団体等」、「官公庁・自治体」を選択

ひまわり求人求職ナビ 求人情報画面

法律事務所、企業・団体等、官公庁・自治体で入り口が異なるので、希望する求人元のボタンをクリックします。

④利用規約を確認

ひまわり求人求職ナビ 利用規約確認画面

利用規約が表示されるので、内容を確認し、同意する場合は「同意する」をクリックします。
同意しない場合は利用できません。

⑤絞り込み条件の入力

ひまわり求人求職ナビ 修習生向け 法律事務所用 求人情報検索画面

検索画面が表示されるので、絞り込み条件を入力して、「検索する」ボタンをクリックします。
絞り込みたい項目のみ入力すれば大丈夫です。

⑥求人一覧の確認

ひまわり求人求職ナビ 修習生向け 法律事務所用 求人情報検索結果一覧表示画面

2週間以内に新規に登録された求人元による新着求人があれば上部に表示され、その下に新着求人以外の求人が表示されます。

⑦並び順の変更

新着求人以外の求人も並び順を変更することができます。
「日付順に表示」をクリックすると掲載日の降順になります。
検索結果多い場合は、絞り込み条件を変更するか、並び順を変更して新しいものから確認するとよいでしょう。

⑧絞り込み条件の変更

検索結果の末尾に「前の画面に戻る」ボタンがあります。 このボタンをクリックすると前のボタンに戻って条件を変更することができます。

並び順を変更していると、このボタンをクリックしても並び順が戻るだけなので、条件入力画面に戻らないことに戸惑うかもしれませんが、何度かクリックすると戻ります。

なお、ブラウザの戻るボタンでも同様に前の画面に戻ることができます。

⑨詳細な求人情報の閲覧

ひまわり求人求職ナビ 求人情報の閲覧画面

検索結果ページで求人元の名称をクリックすると、詳細な求人情報を閲覧することができます。

求人元のホームページへのリンク欄もあるので、ひまわりナビの求人情報だけでなく、求人元のホームページも確認しましょう。

⑩応募方法の確認

ひまわり求人求職ナビ 応募方法の確認画面

下部に応募方法の記載がありますので、指定された方法にて応募します。

例えば、「必要書類の郵送」と記載されている場合は、その下の「必要書類等」の欄に必要な応募書類が記載されています。

(2)求職情報の登録

登録方法は、弁護士と司法修習生とで異なり、弁護士の場合は、日弁連会員アカウントを利用して登録します。

他方、司法修習生は、ひまわり求人で直接登録を行います。

登録対象 登録方法
弁護士 日弁連会員アカウントを利用して登録
司法修習生 ひまわり求人で直接登録

前述の「2、(2)スカウトの受け取り」でも述べましたが、登録情報は項目毎に公開非公開を選べて、匿名でスカウトを受け取ることもできます。

ひまわり求人に登録する際に気をつけること

ひまわり求人に登録すると、登録したことを他人に知られる可能性がありますので、転職活動をしていることを知られたくない場合は、注意しましょう。

求職者の情報を閲覧できるのは、弁護士や司法修習生を採用しようとしている法律事務所、企業・団体、官公庁・自治体で採用活動に関わる人のみではありますが、狭い業界ですので、知り合いの弁護士の目に触れるということは十分に考えらます。

ひまわり求人には匿名登録機能があり、項目毎に公開の可否を選択することができます。
この機能を利用して、転職活動をしていることを人に知られずにひまわり求人に登録することができます。

ただし、特徴のある経歴の場合は、姓名を非公開にしても経歴から推測される可能性もありえるでしょうから、転職活動をしていることを知られたくない場合は、公開可否は慎重に設定しましょう。

ひまわり求人と他の転職サービスとの比較

ひまわり求人は他の転職サービスとどのような点で異なるのでしょうか。
他の転職サービスというと、次の2つが挙げられます。

  • 転職サイト
  • 転職エージェント

これらとの相違点を以下で説明します。

(1)転職サイトとはどう違うのか

転職サイトとは、厳密な定義があるわけではありませんが、一般に、転職支援サービスを提供するWebサイトのことをいいます。

転職サイトでは、求人企業が求人情報を有料で掲載し、転職希望者がこれを閲覧して、サイトを通して求人に応募することができる機能や、反対に転職希望者が自らの求職情報を匿名で登録し、求職情報を閲覧した求人企業からスカウトを受けられる機能が備わっていることが多いでしょう。

ひまわり求人もある種の転職サイトといえそうですが、ひまわり求人ではサイトを通して求人に応募する機能はなく、求人毎に記載された応募方法に沿って個別に応募していかなければならないため、応募の手間がかかります。

また、前述のとおり、ひまわり求人は年収を絞り込み条件に検索することはできませんが、転職サイトでは、通常、年収で求人を絞り込むことができます。

しかし、ひまわり求人が優れている良い点もあります。
ひまわり求人は無料で求人情報を掲載できるため、求人情報が集まりやすいという違いもあります。求職者は無料で利用できることには違いはありません。

(2)転職エージェントとはどう違うのか

①ひまわり求人はキャリアコンサルタントによるサポートがない

転職エージェントとの最も大きな違いは、ひまわり求人ではキャリアコンサルタントによるサポートがないことです。

転職エージェントのキャリアコンサルタントから受けられるサポートは次の通り実に多岐に渡ります(詳細を説明できるように、転職エージェントのコンテンツにリンクさせる)。

  • 弁護士業界の人材市場動向等の転職活動に有益な情報の提供
  • キャリア面談
  • 求人情報の紹介(事務所の雰囲気等の求人票からでは分からない情報を元にしたマッチング)
  • 履歴書や職務経歴書等の応募書類の作成支援
  • 求人の応募手続、面接の日程調整、合否の確認などの応募先との遣り取り
  • 面接対策
  • 選考時のプッシュ
  • 転職先との条件交渉

②ひまわり求人は新着求人が2週間程度遅れて掲載される

また、ひまわり求人では、登録審査に約2週間かかるため、新着求人の掲載がその分遅くなります。転職エージェントでは、事務所や企業から求人の相談があるとすぐに審査を行い迅速に求職者への案内が行われます。

そのため、ひまわり求人に掲載された時には既にエージェント経由で内定が出て、応募を締め切っているということもあり得ます。

③ひまわり求人は募集が終了した求人情報が掲載されている

ひまわり求人の利用規約では、募集が終了した求人情報は抹消しなければならないことになっていますが、抹消手続は、事務所、企業に委ねられています。ひまわり求人は、求人情報を登録すると最長で3ヶ月間、更新手続き無しで掲載され続けます。

抹消手続を事務所・企業が行わないと、その間、延々と掲載され続けるということが、制度上、起こりえます。

多数の求人情報を見比べ、比較して、ようやく絞り込み、応募書類も丁寧に仕上げて、送付したら、募集を締め切っていて、徒労に終わる可能性もあり得なくはないのです。

この点、転職エージェントは、各事務所・企業の担当営業が求人の状況を常に確認しているため、応募を締め切っている事務所・企業を求職者に案内することはありません。

(3)ひまわり求人の利用が向いているケースと向いていないケース

ひまわり求人の利用が向いているケースと向いていないケースについてそれぞれ見ていきましょう。

①ひまわり求人が向いているケース

次のような場合はひまわり求人の利用が向いているといえます。

  • 複数の転職エージェントに登録したものの、応募したいと思える求人の紹介が受けられなかった場合
  • 官公庁・自治体に転職したい場合
  • 希望転職先がいくつかに絞られていて、そこが人材を募集しているか知りたい場合

それぞれについて見ていきましょう。

ア)複数の転職エージェントに登録したものの、応募したいと思える求人の紹介が受けられなかった場合
事務所数の少ない地方だったり、希望する転職先がニッチな分野の場合は、転職エージェントでは取り扱いがない場合があります。もっとも、転職エージェントよって紹介できる求人は異なるため、ひとつのエージェントで紹介されなかったからといって諦めず、複数のエージェントに登録することが重要です。

それでも紹介が受けられない場合は、並行してひまわり求人でも探すとよいでしょう。
ひまわり求人には、転職エージェントにはない求人が掲載されている可能性があります。

イ)官公庁・自治体に転職したい場合
官公庁や自治体の求人は、転職エージェントではあまり取り扱いがありません。
官公庁・自治体志望の方は、ひまわり求人を積極的に利用しましょう。
ひまわり求人に登録すると、官公庁・自治体の最新の求人情報をメールで受け取ることもできます。

ウ)希望転職先が絞られていて、そこが人材を募集しているか知りたい場合
特に小規模な事務所の場合に多いケースですが、事務所のホームページに求人情報が掲載されておらず、ひまわり求人にのみ求人情報が掲載されていることがあります。

希望の事務所が絞られていて、そこが人材を募集していないか確認する際は、事務所のホームページを確認することが勿論のこと、ひまわり求人に情報が掲載されていないか確認するとよいでしょう。ひまわり求人では、キーワード検索で、特定の事務所を検索することができます。

②ひまわり求人が向いていないケース

次のような場合はひまわり求人の利用が向いていない可能性があります。

  • 業務が忙しい場合

ひまわり求人はサイト上で応募する機能がなく、個別に応募書類を作成して郵送するなど、応募の手間がかかります。

また、想定給与等、転職において重要な情報が記載されておらず、個別に問い合わせる手間も生じるでしょう。

このような点から、業務が忙しい場合は向かないでしょう。

  • 明確なキャリアプランを持っていない場合

ひまわり求人ではキャリアプランの相談には応じていません。 キャリアプランが無い中で、闇雲に求人票の情報を閲覧して転職先を探しても、転職を成功させることは難しいでしょう。

  • 事務所・会社の雰囲気や、ボス弁との相性を重視する場合

ひまわり求人に掲載されている情報からは、事務所・会社の雰囲気や、ボス弁の人柄までは分かりません。このような点を重視する場合は、ひまわり求人は向いていないでしょう。

  • ひまわり求人を見ても、どこに応募すべきか決められない場合

ひまわり求人では転職先の決め方についての相談には応じていません。

  • 応募書類の作成方法や面接に不安がある場合
  • ひまわり求人を見て応募したが、落とされてしまう場合

ひまわり求人では応募書類の作成や面接対策のサポートはありません。

  • 遠慮して条件交渉で譲ってしまいそうな場合

ひまわり求人では、条件交渉を代理して行うサポートはありません。
以上をまとめると下表のようになります。

転職サイト 転職エージェント ひまわり求人
利用料金
一部有料

無料

無料
求人件数 ×
企業が中心なので、事務所志望の場合は使えない。

ひまわり求人には掲載されていない非公開求人もあるので、その点は、◯
選定のしやすさ
ひまわり求人よりも情報が充実しており、選びやすいように工夫されている。

コンサルタントが条件に合った求人をピックアップしてくれる。また、選び方がわからない場合は相談に応じてくれる。
×
求人票の無機質な情報の中から選定しなければならない。また、想定給与額等の重要な情報の記載欄がない。
官公庁・自治体の求人 × ×
応募のしやすさ
サイト上のシステムを利用して一括管理できる。

コンサルタントが代行して応募して、さらに管理してくれる。
×
個別に応募書類を用意し、応募しなければならない。
スカウト
スカウト機能がないサイトもある。なお、個人が特定されたくない場合は、経歴などのぼかす必要がある。

コンサルトによるマッチングによって、事実上、スカウトの役割を果たしている。

個人が特定されたくない場合は、経歴などのぼかす必要がある。
応募書類の作成と面接対策の支援 × ×
内定の獲得しやすさ
コンサルタントが求職者の強みを第三者視点からプッシュしてくれる
条件交渉
交渉力に長けたコンサルタントを通じて条件交渉を行うことも可能。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

世の中に複数のサービスが共存している場合、当然ながら、それぞれに長所と短所があります。 それぞれのサービスの長所を生かして有効に活用することが重要です。

それは、転職サービスにもいえることで、ひまわり求人の求人数の多さ、官公庁・自治体の求人情報に強い点、手軽に利用できる点等の長所を生かしつつ、時には短所を補うために転職エージェントの利用もご検討いただければ幸いです。