弁護士の転職活動を成功に導く就活のポイント

弁護士の転職活動を成功に導く就活のポイント

弁護士の転職活動や就職活動においては、専門エージェントの活用の仕方を理解するのはもちろんのこと、弁護士事務所への転職、インハウスとして企業内で弁護士資格を生かして働くなど、目指す就業イメージに合わせて様々な準備をしておくべきポイントがあります。弁護士の中途採用や年齢を考慮した、自身のスキルの棚卸しや履歴書や職務経歴書の作成、法律事務所の求人などを探し、面接を受ける前に確認しておきたい条件面など転職活動の準備の前にチェックしておきたい内容をまとめました。

弁護士が転職・就職するときに準備しておくべき4つのこと

弁護士が転職を考える理由としては、現在の職場では自分のやりたいことができない・将来の生活が心配・ボス弁や先輩その他の人間関係がうまくいっていないというものから、結婚や出産・介護といったライフイベントがきっかけの場合や、さらなるキャリアアップのためなど、人それぞれ様々なものがあるでしょう。

どのような理由が背景だとしても、キャリアアップなどを目的としたポジティブな転職は成功確率も上がります。そのためには、なぜ今のままではダメなのか、自分はどうなりたいのか、何をやりたいのかという明確なビジョンとプランを持って行動することが求められます。

反対になんとなく不満、目の前の責任や業務から逃げるなどのネガティブな転職では、成功確率も下がります。内定を得ることが難しく、また転職した後に再び転職を繰り返すことになりかねません。

そこで、このページでは、まず転職を成功させるために欠かせない「準備すべき4つのこと」についてご紹介します。

自身のスキルの棚卸しをして、将来のキャリアプランを考える

スキルの棚卸しとは、自身の過去を振り返り、これまでの経験や、そこから得られたスキル等をリストアップすることです。どんな環境で、どんなチームで、どんな案件や分野をどのくらい担当してきたか、そこからどのような知識を得たのか、どのような成功や失敗があったのか、それはなぜか、このようなことを過去を振り返り書き出してみましょう。

つぎに、棚卸したスキルを踏まえて、自身の強みと弱みを把握します。以下の3つに分けて、それぞれの強みや弱みをまとめるとよいでしょう。

ヒューマンスキル 対人関係能力のことです。
リーダーシップ・接客・コミュニケーション能力などが含まれ、クライアントと接する法律事務所で重視されることが多いスキルです。
テクニカルスキル 業務を行う上で必要な知識や経験です。
30代以上の方は特に、即戦力としての採用となるため、このスキルも重視されます。
コンセプチュアルスキル 抽象的で複雑な物事を概念化し、本質をつかむ能力です。
特にインハウスのマネジメント職では高度なレベルが要求されます。

自分の強み・弱みを把握したら、最後に、キャリアプランを明確にしていきましょう。

自分は3年後・5年後・10年後にどうなりたいのか、その姿は現実的なのかについて考えます。将来の自分の姿を想像するのが難しければ、目標となる人でも構いません。その目標となる人の持っているスキルを考えてみましょう。また、キャリアプランは、ライフプランとも密接に結びついているので、合わせて考えると、より具体的なプランが立てられます。

例えば「10年後は子供が大学に入学するから、年収は800万円以上欲しい。充実した福利厚生があってライフワークバランスの実現のために企業内弁護士として、国際法務に関する業務に携わりたい」という目標ができれば、3年後・5年後にはどうなっていればいいのか、今はないどんなスキルを身に着けていけば良いのかなどを逆算して考えます。

キャリアプランについては、そしてその理想の姿が現実的であるのかを客観的にチェックしましょう。現在自分が持っている知識やスキルがとの差はどれくらいあるのか、その差はこれから経験を積むことで埋められるのかを考えます。自身での判断が難しいときには、知人やエージェントなどに相談するとよいでしょう。

現実的なキャリアプランができれば、あとは行動するのみです。キャリアプランの実現のための行動計画を作り実行していきましょう。ただし、このキャリアプランはあくまで今現在のご自分のキャリアプランです。予想していなかった出来事やオファーなどのチャンスがあるかもしれません。必要以上にキャリアプランに縛られず、常に柔軟に変化させていくことが重要です。

企業に転職するか、それとも法律事務所に転職するかを決める

従来は、弁護士といえば、法律事務所に所属して経験を積み、ゆくゆくはパートナーや独立を目指すというのが一般的なキャリアでした。しかし、近年は福利厚生やワークライフバランスなどの理由から、インハウスロイヤー、つまりは企業で会社員として雇用されて働く企業内弁護士や、独立せずに法人化された法律事務所で勤務を続ける弁護士が増加してます。最近の採用事情を踏まえて、自分にあった転職先を見つけていきましょう。

それぞれの採用事情については、以下の記事を参照ください。

企業内弁護士・社内や組織内の法務の求人や仕事

法律事務所求人の弁護士へ求める仕事内容やスキル

ポイントを抑えた履歴書と職務経歴書を作成する

履歴書と職務経歴書の役割の違いはご存知でしょうか。役割とポイントをしっかり押さえて、棚卸しした自身のスキルを踏まえつつ、求められている情報とアピールポイントを漏らさず伝えましょう。

履歴書の役割は基本的な情報を伝えること です。採用担当者は、氏名・生年月日・住所・職歴/学歴・資格・志望動機などの履歴書に書かれている情報から、勤務地から通勤できる範囲に住んでいるか・年齢や司法修習期に指定がある場合は当てはまっているか・転職回数が多すぎないか・求めている人物像や経験とマッチしているかなど、応募者が基準に外れていないかを確認します。

履歴書を書くときには、誤字脱字を避け、過去の履歴書を使いまわさず、しっかりと見直しをすること、手書きの際は黒色のペンで丁寧に記入し、修正しないことがあげられます。さらに押さえるべきポイントとしては次のようなことがあげられます。

  • 志望動機は今までの経験を活かせること、意欲が感じられること、応募先の事務所や企業の求める人材に合わせた内容であること
  • 職務経歴書と矛盾がないこと
  • 略字や組織内でしか通じない用語は避けること
  • 空欄は避けて「特になし」と記入すること
  • 希望記入欄での給与や福利厚生などが、企業の求人情報とかけ離れていないこと

相手方の企業を文中で指す場合は「貴社」、面接など会話の中指す場合は「御社」です。法律事務所を文中で指す場合は「貴所」または「貴事務所」、面接など会話の中で指す場合は「御所/御事務所」となります。

また、履歴書に貼付する写真はできる限りよいものにしましょう。男性は必ずスーツを、女性も衿つきのきちんとした服、またはスーツを着用しましょう。スピード写真ではなく写真館などでプロに撮ってもらうほうがよいでしょう。弁護士として雇用されるにあたって、スキルや経験ももちろん大切な要素ですが、この人になら任せられるという信頼感は欠かすことができません。見た目の与える影響は侮れません。まず履歴書で落とされないよう、好印象を与える写真を貼付しましょう。

職務経歴書の役割は企業や法律事務所が求めるスキルやキャリアを応募者が持っているかを確認することです。 面接でもここに書かれていることを中心に質問されるケースが多々あります。

即戦力として期待されている経験弁護士にとって、自分の今までの経験をアピールできる職務経歴書はとても重要です。職務経歴書にはフォーマットがないので、ビジネスパーソンとしての書類作成能力やプレゼンテーション能力も見られます。自分で1から作るのが心配な場合、テンプレートや市販されている職務経歴書を上手く利用するのも手です。相手の求めている情報を踏まえつつ、見やすさやわかりやすさにも注意して作成していきましょう。

職務経歴書を作成する際に押さえるべきポイントとしては次のようなものがあげられます。

  • 企業が求めている条件・業務内容が自分の経験やスキルでカバーできていること
  • 業務とかけ離れた経歴は削ること
  • 応募先の業務に関連した過去の案件・業務・取り組みを押さえること
  • 応募先の業務に関連した自分の強みを述べていること
  • 転職の理由が妥当であること

その他、事務所によっては司法試験の結果表、ロースクールの成績表の提出なども求められます。事前に準備をし、PDFなどデータで準備をしておくと、いざというときに慌てずに済みます。

転職経験者などに話を聞き、情報収集する

転職するにあたって、情報収集は欠かせません。もちろん希望する企業や法律事務所の情報、さらなる知識なども重要ですが、特に初めて転職をしようとしている方は、できるだけ多くの転職経験者の話を聞くことをおすすめします。

なぜ転職したのか・どうやって転職先を決めたのか・転職先が決まった要因は何か・転職してよかったのか悪かったのかなど、転職について知ることで、不安が和らいだり、自分の価値観やキャリアプランがより明確になることもあるでしょう。実際に転職した人のリアルな情報は、インターネットで調べた情報よりも多くの気づきを与えてくれるでしょう。転職後の「自分の想像と違った」といったギャップを防ぐためにも、経験者の話を聞いてリアルな情報を収集することは重要です。

また、転職する際には、募集されているポストを巡って他の応募者と比較されることになります。そこで選ばれるためには、業界内で自分がどれくらいの価値を持っていて、何が強みで何が足りないのか、今後何を学んでいけば自分の価値が高まるのかを知っている必要があります。

自分がアピールポイントであると思っていたスキルが、組織を出たらごく当たり前であったり、逆に当たり前だと思っていたスキルが、アピールポイントであることも十分ありえます。もちろん個々人のスキルや経験も重要ですが、有効な情報を多く集め、他の候補者に情報面で優位に立つことは、転職を進めるに当たって大きなアドバンテージとなるでしょう。

一方、最終的には自身がなりたい姿、転職をして得たいものが得られるのかが一番重要です。他の意見も踏まえつつ最後は、他人の評価や不明確な噂レベルの話に惑わされず判断しましょう。

弁護士の転職が成功するのに必要な3つのこと

弁護士の転職が成功するのに必要な3つのこと

ここまで転職するにあたっての準備についてお話してきました。情報を集め、キャリアプランが決まり、今後や転職先についての明確なビジョンができたら、次はいよいよ行動に移りましょう。

ひまわり求人・求人情報サイト・転職エージェントを利用する

まず弁護士の方が就職先・転職先を探す時にチェックするサイトとしては日本弁護士連合会の運営する ひまわり求人求職ナビ が挙げられます。このサイトは法律事務所や企業のみならず、官公庁や自治体など幅広い組織から募集がなされていることが特徴です。そして日弁連が運営しているという安心感もあります。

しかしながら、更新頻度や情報量などの面では、その他の企業が運営するサイトの方が優れていることもあるため、定期的にチェックしつつ、他のサービスも併用するとよいでしょう。

次に挙げられるのが企業が運営する 求人情報サイト です。求人件数や情報量が多いのが特徴です。しかしながら、勤務条件や簡易な業務内容までしか分からないことも多いでしょう。

最後に挙げられるのが 転職エージェント の利用です。転職エージェントは、一人一人の求める条件などから最適な求人情報を紹介してくれるサービスです。一人で悩みがちな転職活動において、エージェントは良きパートナーとなって、書類の添削や面接のスケジュール管理など、内定までしっかりサポートしてくれます。

さらに、弁護士業界や企業につながりのある転職エージェントは、各サイトに掲載されていない 非公開求人情報も豊富 に取り揃えています。ただし、転職エージェントによって企業につながりが多い、法律事務所につながりが多いなど、強い分野が異なる場合があります。

また、転職エージェントは、求職者は無料でサービスを受けられますが、採用が決まると、採用した企業または法律事務所から成功報酬として報酬を得るのが一般的です。このため、双方のニーズ等をあまり考慮せずに、無理やりマッチングしようとする転職エージェントもいるのでご注意ください。

服装・マナー・PRポイント・質問事項などを準備して面接に望む

転職のときの面接の流れは、「導入としてあたりさわりのない話→現在の仕事内容→転職理由→志望動機→給与などの雇用条件の確認→応募者からの質問」という流れで進むことが一般的です。

面接において、第一印象が大事なのはご存知の通りです。第一印象をよくするためには、外見とマナーのポイントを押さえましょう。

外見は「清潔感のある身だしなみ」を心がけます。シワや汚れのついたスーツ、寝癖のついた・過度な巻き髪など気合いの入りすぎた髪型、アクセサリーや香水は避け、靴は埃を被っていないか、傷ついていないかを確認し、磨いておくといいでしょう。弁護士に大切なのは信頼感です。清潔感と好印象が得られることを目指しましょう。

マナーは「社会人としての振る舞いや言葉遣い」を心がけます。遅刻や早すぎる到着は先方に迷惑をかけるので、あらかじめ所要時間やアクセスを調べておき、遅延や事故など、やむをえない事情で遅れる際は一報入れましょう。面接時には入室時の挨拶から始まり、姿勢や受け答え時の声の大きさ、言葉遣い、表情、などあらゆる面が見られています。これらの社会人としての振る舞いは一朝一夕では身につきません。日頃から意識しておくといざという時に役立ちます。

PRや志望理由や想定される質問に対する答えはあらかじめ用意し、練習しておきましょう。1つの質問につき、回答は15秒が目安と言われています。長々と話さず、簡潔にわかりやすく回答すると好印象です。ただし、心配だからといって志望理由やPRを完全に暗記して臨むと、一旦つっかえてしまった時や予想していなかった条件をつけられた時に対応できないことがあるで、柔軟に対応できるよう、トピックを押さえる程度に止めておいた方がいいでしょう。

ほとんどの場合、面接では「最後に何か質問はありますか?」と聞かれます。まずは業務内容などについての質問をするとよいでしょう。ホームページやあらかじめ知らされてある情報、給与や休暇といった仕事に直接関係のない事柄を最初に質問するのは避けましょう。もちろん福利厚生などは職場を選ぶ重要な要素のため、しっかりと確認しておくのは大事ですから、いくつか他の質問をした後にするようにしましょう。

入社(入所)前に給料などの条件面をしっかりと確認しておく

内定の連絡を受けたらすぐにでも承諾したくなるものですが、一旦立ち止まって労働条件を確認しましょう。労働条件が曖昧のまま転職してしまったというケースは転職の失敗としてよく起こります。電話連絡の場合は聞き逃してしまった、気づいたら聞いていた話と労働条件が違った、ということも起こりうるので、必ず労働条件通知書や雇用契約書・就業規則などを事前に確認するようにしましょう。

事前に確認しておくべき内容としては以下のようなものが挙げられます。

雇用開始日

仕事をしながらの転職活動の場合は、引き継ぎや有給の消化のため雇用開始日の調整が必要な場合があります。指定された日に入社が可能か確認しましょう。

所属部署/勤務地

所属部署や勤務地が希望と合っているか確認します。支社や支所がある場合は特に注意が必要です。

業務内容

募集時・面接時と業務内容が異なっていないか確認しましょう。

勤務形態

給与にも関わってきますが、変形労働時間制や裁量労働制、みなし労働時間制の企業が増えてきています。法律事務所から企業に転職した方は特に変化が大きい部分ですので確認しておきましょう。年末年始・夏季休暇・慶弔休暇・育休産休・その他独自の休暇制度を採用している企業や法律事務所もあります。

給与

給与の額や昇給、給与の支払日と支払い方法、報酬などを確認します。割増賃金がある場合はその計算方法も合わせて確認しましょう。入社(入所)前に給与の交渉ができる最後のタイミングです。ただし、交渉する場合には相手の心証を悪くしないように気をつけましょう。

給与以外の支給

交通費・各種手当・退職金・残業手当・弁護士会費の支給の有無などを確認しておきましょう。

個人受任の可否

弁護士として、案件の個人受任の可否と、可の場合はその報酬割合などを確認しましょう。

福利厚生

社会保険が完備されているか確認します。

転勤/異動

転勤・異動・出向・長期出張の有無を確認します。入社(入所)後すぐに長期出張という形で実質的な異動をさせられてしまうケースがあるのでご注意ください。

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