弁護士ドットコムキャリア

アラフィフ弁護士が20年務めた事務所からの転職を決めた理由とは? 勤務地の制約があるなか出会った理想の事務所


テクノロジーの発展に伴い、弁護士の仕事のあり方が大きく変化しつつあります。今回ご紹介する40代後半の弁護士は、20年近く同じ法律事務所に勤務してきたものの、古いやり方に固執して運営を続けていく事務所の方針に合わず、長年フラストレーションを抱えていました。転職を決意したのは、新しい価値観やテクノロジーを取り入れて業務効率化を目指していきたいという思いがあったためです。本記事では、同氏の業務効率化に対する考え方や弁護士ドットコムキャリアを利用した理由などについて、これまでのキャリアを振り返りながら語っていただきました。

司法書士事務所を退職し、弁護士を目指す

——これまでのキャリアについて教えてください。

大学は法学部で、当時から法律専門職に就きたいと考えていました。在学中に司法書士の資格を取得したこともあり、卒業後は司法書士事務所へ。ただ、やはり弁護士という仕事が諦めきれず、1年間勤めた後に退職し、司法試験の勉強を始めました。勉強期間の上限を3年と決めて、3年目から司法試験受験を開始。2回目の受験で司法試験に合格しました。

——法律に対する興味や熱量を持ったきっかけは、何がきっかけだったのでしょうか。

私たちアラフィフ世代の人たちが法学部を目指した一番の理由は、おそらく「潰しが効く」ためだったと思うんです。実際、法学部は、他学部よりも就職で有利に評価されていたように思います。

ただ、私が法律に興味を持ったのは、高校のときの現代社会の授業がきっかけだったように思います。法律を勉強すれば、法の抜け穴を突いて稼げるイメージを持ったんです。しかし、実際に大学で法律を学んでいくと、楽して儲けられるような話は一切ないということがすぐにわかりました。法律は、私たちだけでは考えきれないほど緻密に物事が考えられ体系化されています。私はむしろそこに感銘を受けて、法律に関わる仕事ができれば良いなと考えるようになりました。

——そうしたなかで、司法書士の資格を取得されています。

いきなり司法試験を受ける勇気がなかったというのが正直なところです。当時周りの人たちは、宅地建物取引士(当時は、宅地建物取引主任者)などから勉強を始めていましたが、私は不動産会社に就職するというイメージが持てず、だとしたら難しいかもしれないけど司法書士を受けてみようと思ったんです。そこでうまく合格できたので、もうちょっと頑張れば司法試験もいけるんじゃないかという欲が出てしまった形ですね(笑)。司法書士を1回で合格していなければ、これが自分の能力の限界だと感じ、弁護士になる夢は諦めていたかもしれません。

——とはいえ、仕事を辞めて司法試験を受験するハードルは高いように思います。司法試験を受けるモチベーションはどこにあったのでしょうか。

法律は、民法のカテゴリーだけでも社会のあらゆる事象を対象にしていますよね。ただ、司法書士の仕事はどうしても売買や所有権、不動産に特化してしまいます。その分野だけを専門に生涯の仕事として取り組んでいくことにフラストレーションを感じていました。自分が本当に目指したかったのは、法務局じゃなくて裁判所なんだ、と。

当時は実家に住んでおり生活費の心配はありませんでしたので、司法書士として1年間働いた貯金で予備校の学費2年分を捻出し、書籍代や小遣いを貯金と失業保険で賄ったという形です。

弁護士の仕事に戸惑いもがき続けた5年間

——そして見事司法試験合格にされ、修習後は地方の弁護士事務所へ就職されました。

実はもともと地方へ引っ越す予定はなかったのですが、今の妻と結婚することになり、妻の出身地である地方への移住が決まりました。移住するにあたって、まずは自分を採用してもらえる事務所で弁護士として働こうと思ったんです。

——実際に事務所で弁護士として働いてみたときに、どのような印象を持ちましたか。

働く前から決してきれいな仕事ではないと、ある程度のイメージは持っていましたが、正直それ以上だったように思います。実際の刑事弁護では、犯罪者と接する必要があり、少し気が緩むとこちらが犯罪に巻き込まれてしまうことがあるんです。被告人を人生の危機から救済できるというきれいなイメージで考えていると、とんでもない落とし穴にはまってしまうんですよね。

弁護士というと、エリートといったキラキラしたキャリアパスを想像されることが多いかもしれませんし、実際にそうした方もいらっしゃると思います。ただ、やはり実際の裁判で行われていることは、生々しい駆け引きや蹴落とし合いですね。きれい事が通用するような仕事ではないと思っています。

——当時、刑事弁護以外に扱われていた分野はありましたか?

事務所全体としては、企業の顧問も多く受けていました。刑事弁護から顧問まで、なんでもやりますという感じでしたね。右も左もわからない状態のまま、とりあえず目の前の仕事をなんとか終わらせていくことに必死でした。とりあえずわからないことは調べないといけないのに、何を調べて良いかわからず、結局仕事が進まないまま徹夜してしまったりとか……。パソコンに向かってはいるんですけど、焦っているだけで手が動かないという感覚でした。

——そうした状況は変わりましたか?

ずっと迷いながら仕事に取り組んでいたのですが、5年ほど経ったときに、ある弁護士さんから「迷ったところで何があるの? 迷ったところで結局やることは一緒でしょ? だったらさっさとやってしまったほうが楽なんじゃない?」と言われたことで、確かにそうだなと思ったんです。それ以来、迷うことがなくなりました。とりあえず形にするという意識で進められるようになったことで、仕事の効率化にも取り組めるようになっていきました。

生身の弁護士にしかできない仕事の質を高めるために

——転職を考えられたきっかけは何だったのでしょうか。

今回の転職を決めたのは今年3月です。実は、もうそろそろ前の事務所を出なければ……と漠然と思い続けながら数年間過ごしており、5年ほど前にも一度弁護士ドットコムキャリアに相談したことがあるんです。

先ほどもお話したとおり、弁護士になってから5年ほど経った後、効率的に仕事を進めなければ自分がもたないという危機意識を抱くようになり、仕事のやり方を自分なりに変えてきました。しかし、効率的に仕事をするようになればなるほど、今の事務所が求めている仕事とはかけ離れていきました。

今回の転職活動のときに感じたのは、伸びている事務所は営業の仕方から違うということです。弁護士ドットコムのサービススタート時には、業界ではあまり良いイメージを持たれていなかったように思いますが、私は当時からWebを使ったマーケティングに興味をもっていました。ただ、前の事務所ではやはり推奨されず、一度登録した弁護士ドットコムのアカウントを削除することになったんです。今注目されているリーガルテックを使うという発想も、もちろんありませんでした。職人が腕一本で作ったものにこそ価値があるという考え方で、さまざまなサービスを使って効率化するということがあまり良く思われていなかったように思います。

ですが、今は、弁護士事務所を運営する上でWebマーケティングを避けては通れないように思います。このような新しい仕事の仕方は、今後、より加速して広まるように思っています。
この流れに乗らないと、という焦りと、今の事務所が求めている価値観との開きが埋め切れなくなったことから、もう今の事務所を出ないといけないな、と決心しました。

——業務効率化のメリットについては、どのように捉えられていますか。

漠然とですが、その事案における仮説を立て、この仮説を証拠で検証して事実を確定させていくという作業は、人間にしかできないことだと考えています。たとえば訴訟手続だと、なぜこういう事件が起きているのか、大まかな流れを仮説として立てて、あとは証拠で補完していく作業が必要になります。こうした作業をAIなどの技術によって置き換えられるかというと、少なくとも今のAIではできないと思います。このような作業は、結局は生身の弁護士や裁判官による判断でやらざるを得ない。では、これに関連する作業の全てが弁護士で行う必要があるか、というと、実はそうではない。資料の整理だとか、関連裁判例の抽出でリーガルテックを利用して効率化することは十分可能だし、また、この効率化を図って業務負担を軽減させられる弁護士が今後は求められると思っています。

例えば、契約書を読み込んで問題点を抽出するだけの作業であれば、おそらくはAIで充分可能だと思います。従来10人で5日ほどかけてやっていたような作業でも、AIの活用によって問題点の抽出まで行ってしまえば、その後の問題点に関する検討作業は、実際に弁護士が行うとしてもその実動は半日くらいで済むイメージだと思います。
このような業務の効率化は、今後は不可避だと思いますし、そのような効率化によってトータルコストを削減できた弁護士が最終的には顧客から選ばれるようになっていくと思います。

AIによって弁護士の仕事が奪われるという話もありますが、私はそこに対してはまったく危惧していません。むしろ、法律分野、特に裁判関連業務でAIを使うのは結局のところ弁護士であって、AIを活用する弁護士がこの先顧客から選ばれるようになるだけだと思っています。
これから先も自分が生き残っていける弁護士になるためには、自分自身が仕事のやり方を変化させていかなければならないということだと思っています。

——今回の転職先の事務所では、そうした考え方を尊重してもらえそうですか?

はい。新しい事務所では、Webマーケティングによる集客も積極的に行われていて、全国に組織を展開しています。メンバーも若い方が多く、今の時代に即した形で運営されているイメージがあります。新しいものを取り入れて仕事の効率を高め、余裕が出てきたらそのぶん休みを取ったり、お客様に向き合ったりという方針が、自分の考えにマッチしていると感じました。

自分を高値で売ろうとせず、ありのままを評価してもらう

——弁護士ドットコムキャリアのサービスを利用されてみていかがでしたか。

司法書士事務所も大学のゼミの先生の紹介で入ったので、実はこれまで就職活動はほとんど経験したことがなかったんです。ただ、従来のように自分の縁故で就職してもまた同じことになると思ったので、自分の能力や市場価値で評価していただけたらと考え、サービスに登録しました。

やはり転職市場や就職活動の作法などはほとんどわからなかったですし、20年近く同じ事務所に勤めてきて、新しい分野に飛び込むことはとても不安でした。コンサルタントの方にはそうした点も含めて相談させてもらえたので、本当に助かりました。

——サービスを利用されるなかで一番良かったと思う点はどこでしたか?

細かいところまで対応していただけた点です。たとえば職歴書の作成1つとっても、どうやって書けば良いのかわからない、相手にどこを見られるのかもわからないといった状態だったので、そうした疑問に1つひとつ答えていただけたのはすごくありがたかったです。

また、市場動向も教えていただいたことで、意思決定がしやすくなりました。私の場合は、家族の関係で勤務地の制約があったため、全国規模でのデータが当てはまらないという側面もありましたが、やはり転職の際に大事なのは、今の市場で求められている人材がどういう人で、いかにそこに噛み合うよう行動していけるかだと思います。そうした視点でアドバイスをいただけると、就職活動の方針も立てやすくなります。

——最後に、転職を検討されている方や、同年代の弁護士の方にメッセージをお願いします。

どうしても今の職場が合わないと感じたら、転職は1つの選択肢になると思います。そのときにわからないことがあれば、弁護士ドットコムキャリアが教えてくれます。素直にアドバイスに従って、謙虚な気持ちで行動に移していければ、成功につながるのではと私は思っています。下手に自分を高値で売ろうとしても、化けの皮はすぐに剥がれてしまいます。この先何年も一緒に仕事をしていく方々に対して初めだけ良い顔をしても、うまくいくはずがありません。今の自分のありのままの状態を評価してもらえるよう、書類作成も含めて思いや考えを伝えていけば、あまり不安なことはないと考えています。

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