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ダイバーシティを長年実践してきたからこそ、複雑多岐にわたる課題解決を実現できる| 渥美坂井法律事務所・外国法共同事業

外国法共同事業を立ち上げた初の国内系法律事務所として知られる渥美坂井法律事務所・外国法共同事業。複数の海外拠点を有し、外国弁護士や国際業務経験豊富な弁護士が、国際案件も含め複雑多岐にわたるさまざまな課題の解決に挑んでいます。

また、長年のあいだダイバーシティを実践してきており、多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍していることも特長です。今回は、創業者の渥美博夫弁護士(第二東京弁護士会)に事務所の理念や設立の経緯、ビジョンなどをお聞きしました。

 

 

2005年に外国法共同事業をスタート。現在も海外プラクティスを拡大中

——事務所設立の経緯について教えていただけますか。

 

私自身の話になりますが、1990年に田中・高橋法律事務所からブレークモア法律事務所へ移籍しました。そして、1994年に独立し、別の法律事務所を経営していた臼井義眞弁護士とともに、渥美・臼井法律事務所を設立することとなりました。

 

これが当所の前身となる事務所です。当時の事務所は千代田区紀尾井町にありましたが、2003年に現在の千代田区内幸町の富国生命ビルに移ってきたのが大きな転換点でした。以前はシンジケートローンのドキュメンテーション等を含む銀行法務や証券化、ストラクチャード・ファイナンスなどファイナンスの仕事を中心に扱っている事務所でした。

 

当時はまだ私の個人事務所的な色彩が強かったですが、人数が増えてきたこともあり、多角化を進める必要があると感じ、2005年には外国法共同事業を始めることにしました。

 

——外国法共同事業への参入を考えられたきっかけはありましたか。

 

特にファイナンスの分野では英文のドキュメンテーションなどが必要となるので、私自身もともと外国弁護士と一緒に仕事をする機会が多く、そこに面白さを感じていました。

 

外国法共同事業が解禁されたのは2005年4月ですが、当時、(現在も当所に所属する)バニー・ディクソン氏がちょうど所属先を探していた時期だったので、一緒にやりましょうということで彼女とパートナーシップを組み、解禁と同時に外国法共同事業をスタートしました。

 

2010年には、田中・高橋法律事務所時代の後輩だった坂井豊弁護士が参加し、渥美坂井法律事務所・外国法共同事業に改称しました。

 

それ以降は、ロンドンオフィスを開設したり、フランクフルトにのAtsumi & Sakai名前を冠した事務所と提携したりして海外展開を進め、近年では2021年にニューヨークに提携オフィスを設立するなど、さらに海外に展開しているところです。

 

ラテラル採用でダイバーシティを実践。近年では新人採用も拡大

——事務所の理念や大切にしていることを教えてください。

 

当所はもともと中途採用メンバーを中心に構築していった事務所です。実際に現在マネジメントの中核ポジションに就いている弁護士はラテラル採用が多く、また外国弁護士はほとんどがラテラル採用です。だからこそ、さまざまな人材が集まっており、一定の伝統、理念に縛られすぎずにダイバーシティを実践してきた事務所であるともいえます。

 

——ダイバーシティを実現していくにあたっては、困難も多かったのではないでしょうか。

 

さまざまな事務所の出身者がいるので、カルチャーづくりは難しいですよね。外国弁護士も、米国ニューヨーク州、米国カリフォルニア州、英国、アイルランド*、オーストラリア クインズランド州、インド、中国*、韓国*など、多数の国から外国法事務弁護士、外国弁護士が集まってきています。

 

*これらの国を資格取得国とする当所所属の外国弁護士は、外国法事務弁護士の登録はありません。外国法事務弁護士の登録のない外国弁護士は、依頼者に対する法律事務の提供・周旋を行っておりません。

 

本当にいろんな価値観の人たちが集まっていて、正直に言えば苦労は多いです。なので、そこはもう粘り強く説得したり、されたりと、話し合いをするしかありません。お互いに寛容の精神が必要です。

 

ただ、最近は、弁護士については新人採用も積極的に行っており、比率も次第に大きくなってきています。

 

——新人採用はどのような方針で行われているのでしょうか。

 

やはりダイバーシティという観点からすると、さまざまな地域から採用したいと考えています。地方大学からの採用にも積極的に取り組んでいます。2022年には、福岡に、提携オフィスであるA&S福岡法律事務所弁護士法人を設立し、東京以外の地域にも、グループの拠点が広がっています。

 

ここまで申し上げてきたとおり、当所はダイバーシティを実践してきた事務所であり、SDGsに関する取り組みやプロボノ活動も重視しています。こうした点に共感していただける方を募集していければと思っています。

 

法律事務所として研究所を設立。ニッチな分野や先端領域もカバー

 

——貴事務所が現在得意にしている分野などあれば教えてください。

 

もともとはファイナンスに強みのある事務所でしたが、あまり意識せず幅広い領域に対応することによって拡大してきています。

 

だからこそ、他の大手事務所がやらないようなスポーツ、エンタメ、ライフサイエンス、農業・食品関連などのニッチな分野や、AIやIoT、バイオ医薬品、フィンテックといった先端領域に関する法律実務を推進していきたいという思いはあります。また、外国法共同事業も手掛けているので、外国弁護士が活躍できる領域も多いです。

 

法律事務所として研究所を持っている点もユニークです。当所の弁護士のほか外部の研究者や有識者などに参画していただき、2022年に「プロトタイプ政策研究所」を所内で立ち上げました。

 

我が国の政策と実務の架け橋を作ること、政策提言の発信を行うことがその目的です。海外でもあまり例を見ない取り組みだと思います。

 

——今後の事務所のビジョンをお聞かせください。

 

世界的にSDGsを重視する流れが出てきているなか、長年ダイバーシティを実践してきた事務所として、これまでの理念をより強く推し進めたいと考えています。

 

プロボノ活動も含め、社会インフラとしての法律事務所という役割も果たしていきたいです。そのためには、他事務所がやらない先端的な領域にも取り組んで経営基盤を安定させ、社会貢献できる体制を構築していこうと思っています。

 

——そこに向けて課題となっている部分はありますか。

 

事務所に所属する方々も増えてきて、現在は弁護士と外国法事務弁護士を合わせて200名程度の規模の事務所になっています。海外展開も進めるなか、事務所全体として一本筋が通った、参加している弁護士、外国法事務弁護士が共通する一定のポジティブな価値の実現に向かって進んでいく経営をしていくことが課題です。その場合のコンパスになるのはやはり、SDGs、ダイバーシティアンドインクルージョンのような世界が広く目標として、共有している価値だと思います。

また事務所自体のガバナンス、コンプライアンスも強化しており、2年前から法務部を創設して専属の弁護士が働いています。

 

弁護士は1人1人の業務が独立している職業なので、事務所全体の考えを一方的に押し付けるのは難しい面もあります。皆が納得しつつポジティブな理念を共有し、同じ方向を目指していけるようなカルチャーづくりをしていければと考えています。

 

転職では良き相談相手を見つけるべし。プロのアドバイスも重要

 

——最後に、転職を検討されている読者のみなさんへメッセージをお願いします。

 

良い相談相手を見つけて相談したほうがいいということです。特に若い人の場合は同僚など横並びの人たちに相談することが多いと思いますが、経験、知識の範囲が狭いぶん判断を間違ってしまう可能性も高まります。

 

先輩をはじめある程度のキャリアがある方など、いろいろな人と相談し、かつじっくり時間をかけて検討を進めるべきでしょう。そういう意味では、キャリア設計のプロであり信頼できるエージェントに相談することもおすすめします。

 

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