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強みを活かして自由に働く弁護士の転職活動 自分らしく好きなように働く方法


最初に入った法律事務所で離婚や破産などの一般民事を手掛けていたT先生。ただ、事務所の売上が悪く、将来に不安を抱きわずか2年で独立開業します。経験が浅い弁護士にはイバラの道が続いているように見えますが、異業種交流会などに積極的に参加して人脈を広げ、得意の飲み会営業で次々と顧問契約を勝ち取ります。2023年2月にはその圧倒的な顧客開拓能力を買われて法律事務所へ転職。そして、保険会社が相続問題で弁護士との連携を模索している点に着目し、現在は保険会社向けの相続セミナーを開催して新規顧客を獲得し続けています。

およそ弁護士らしくない働き方であり、T先生のバイタリティとコミュニケーション力は弁護士の中でも特異なものかもしれません。しかし、「仕事を楽しむには、自分の仕事の一部でもいいから、面白いと思える部分を突き詰めることが大切」というメッセージは多くの人に共感されるはずです。

飲み会で築く信頼関係。圧倒的な顧客開拓能力を買われ、現在の事務所へ

大学は慶應大学の環境情報学部(SFC)に在籍していました。商法のゼミで司法試験を目指す学生も多く、感化されて私も司法試験の勉強をはじめます。司法試験に合格後、2011年に栃木県にある法律事務所に入所しました。担当は離婚や破産などの一般民事が中心で法テラスの案件も多かったです。ただ、景気が悪く事務所の売上もあまりなかったので、いっそのこと独立してしまおうと考え、そのまま栃木県で自分の法律事務所を開設しました。

個人の法律事務所では自分で営業をかけて多数の中小企業の顧問弁護士になることに成功します。顧問弁護士を依頼されるコツは、やはり多くの人と会うことです。私は青年会議所に入り、異業種交流会にも積極的に参加していました。そして、一緒に飲みに行って信頼関係を築いていく、という感じです。

ただ、10年ほど個人の法律事務所を経営しているとやはりすべてを一人でこなすのは大変な労力がかかると身を持ってわかりました。時には誰かに相談したいと思うこともあり、いつからか「自分に合う法律事務所があれば転職しても良いかもしれない」と考えるようになりました。そこで、ものは試しと転職活動を開始。WEBでエージェントを探して5~6社に登録し、その中に弁護士ドットコムキャリアもありました。コンサルタントの井上さんとオンラインで話し、新規顧客開拓中心の働き方や転職するなら地元の山口県に帰りたいという要望を伝え、転職時の年収幅などを伺いました。年収を考慮すると隣の福岡県で働くことを考えた方が良いと指摘され、福岡県の法律事務所と面談をすることに。そこからはとんとん拍子で話が進み、縁もゆかりもない栃木県で多数の顧問契約を獲得していた実績を評価してくれた法律事務所へ入所することを決めました。

九州を中心に全国を飛び回り、保険会社向けの相続セミナーを開催

現在は保険の営業担当者向けの相続セミナーを開催しています。例えば、交通事故に遭った時ほとんどの人は保険会社に相談します。相続も同じで、保険会社に相談することが多いのです。すると、保険会社は相続手続きなどに関して弁護士に相談します。この流れに着目し、相続における弁護士との連携の仕方や相続マーケットの開拓について説明するようになり、いまではオンライン開催を中心に全国各地を訪問してセミナーを開いています。

セミナー開催で各地を訪れた際は、やはり飲み会が楽しみの一つ。そうしたつながりから新規顧客を獲得すれば事務所に報告し、担当付けなどの処理は事務所に任せています。新規顧客を獲得するとその後の処理まで求められる事務所もありますが、いまの事務所では担当の先生にスムーズに引き継ぐことができるのでとても助かっています。全国各地を飛び回っているため、事務所に行くのは週に1度ほど。この働き方は自分に合っていますし、転職して本当に良かったです。

いまの事務所には代表以外にパートナーがおらず、私もまだアソシエイトの立場です。今後もセミナー開催を中心に新規開拓に力を入れ、パートナーを目指したいと思っています。

自分の強みを理解すれば、需要と供給が一致する場所が見つかる

自分らしく好きなように働くには、まず自分の強みを理解しなければなりません。私の場合は法学部ではなくSFCでマーケティングを学び、独立時にもコンサルティング会社にお世話になったことでマーケティングの重要性を痛感することになりました。これらの経験が強みとなって新規顧客の獲得を楽しめるようになり、需要と供給が一致する法律事務所を見つけられたのだと感じています。

私がいま行っている保険会社向けのセミナーについても、もともとは最初の事務所で法テラスの安価な案件ばかり担当し、「どうすればもっと売上が上がるのか」「紹介を増やすには何をするべきか」と考えた末に生まれたアイデアです。もっと稼ぎたい、もっと楽をしたいという想いがあれば人は自分で勉強しますし、その過程でビジネス感覚や営業力が身に付くのだと思います。

セミナーの講師などをしていると昔から話すことが得意だったように思われますが、そうではありません。私もコミュニケーション力を高めようと聞き役に徹していた時期がありました。まずは人の話を聞き、少しずつ質問しながら話すことに慣れていく。会話の経験を積み、話し手として大勢の前で語れるようになったのです。これはトレーニングの賜物なので、コミュニケーションが苦手な方はいまからでも聞き役から始めてみてはいかがでしょうか。

「面白い」を突き詰めると仕事が楽しくなる。そうなれば、めぐり逢うだけ

これから転職を目指す弁護士の方にお伝えしたいのは、コンサルタントを信じて妥協しないことです。世の中にはいろいろな法律事務所があり、事務所の体制も得意分野も異なります。そのため、2つ3つの事務所から話を聞いただけでは「ミスマッチばかり」と感じることもあるかもしれません。しかし、いろいろな法律事務所があるからこそ、「自分に合う事務所もきっとあるはずだ」と考えてほしいです。ミスマッチと感じながら待遇などに惹かれて転職しても後々苦労するだけですし、めぐり逢う日が来るまで辛抱強く待つべきだと思います。

また、仕事を楽しむには自分のやっている仕事の一部でもいいので、「これが面白い」と思える部分を突き詰めていくことが大切です。私が転職後に保険会社向けのセミナーを開催するようになったのも、弁護士会の移籍に2カ月もかかるとは知らず、入所までの時間を活用して保険の営業担当者と交流を持ち、これは新規開拓につながると感じたからです。飲み会営業も新規開拓も好きな上に、この分野なら第一人者になれるかもしれないと思うと楽しくて仕方がなく、いまは案件を担当せずセミナーに特化しています。

「これは自分には向いていない」と思った案件であっても、「ちょっと面白いかも」と感じた部分を突き詰めればそれが強みになり、その強みを欲しがる法律事務所が出てくるはずです。自分の仕事を楽しみ、自分に合う事務所を出会ってください。

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