「転職が難しい」と感じる弁護士の特徴は?事前に知っておきたい弁護士転職の実像

エース・コンサルタントが語る弁護士の転職最前線
転職とは、不安なものです。今回は弁護士の転職活動について、弁護士ドットコムキャリアにおけるエース・コンサルタント(相談員)の2人に聞いてみました(インタビュー:2021年11月某日)。弁護士の転職市場や個人が転職活動時に直面する現実について具体的に語ってもらいました。



弁護士、法曹資格者が転職する動機

ーーそもそも弁護士が転職を考える動機とはどんなものなのでしょうか。

Aさん:周りとの人間関係がうまくいかないというのが多いです。ボス、上司、同僚どれでも起こり得ます。パートナー同士の足の引っ張り合いをみてうんざりするケースもあるようです。

Bさん:人間関係以外では、ワークライフバランスの問題もあります。企業法務系の事務所だと、月の勤務時間が250から300時間になることがあります。そういう状況の中であれば、年収ダウンしてでも転職したいという希望がでることはあります。経験分野を広げたいというのもあります。


ーー年収ダウンしてまでの転職というのは現実的なのでしょうか。

Bさん:法律事務所からインハウスの弁護士に転職するケースだと、弁護士会の会費が会社負担だったりするほか、福利厚生も併せて、額面ほどの影響は受けないケースがみられます。


ーーなるほど。額面で諦める前に手取りでしっかり比較するべき、ということですね。

Bさん:はい。


ーー事務局との関係を理由とした転職開始もありますか。

Aさん:あります。事務所によるとは思いますが、代表弁護士以外に、マーケティングなどを実施する事務局長や事務局が、強い影響力を持っていることがあります。そうすると、事務局の職員が、弁護士の指示に従わないということが起きるようです。「事務員に指示ができるのでは」と問いただしても、「仕事に専念しろ」とはぐらかされるようなケースもありました。事務局がスケジュールや書類の送達などのサポートをしてくれないと、当然自分でやることになります。雑務が増えて、業務寡多に陥った結果として、転職を希望するケースがあります。


ーー弁護士以外の法曹資格者も転職するのでしょうか。

Aさん:裁判官や検察官からの転職相談もあります。裁判官や検察官は、希望してなっているケースがほとんどのため、その名誉と引き換えるほどの条件が出されるか、が転職するかどうかの分かれ目となります。あとは、弁護士同様、ワークライフバランスの問題もあります。裁判官と検察官は、全国を対象とした転勤がつきものです。転勤は、家庭崩壊の原因となりえることがあり、転勤回避を理由とした転職相談もみられます。実際に「転勤が引き金となって離婚しそう」という理由で転職したケースもありました。

弁護士が転職をする上で知っておきたい現実

ーー転職コンサルタントとして、「転職が難しい」と感じる人はいるのでしょうか。

Bさん:率直に言って、「自己分析が足りない」という方はいます。転職は、当然それまでのキャリアや経験を前提としますので、一般民事しか扱っていない事務所から、いきなり数百人が所属するような企業法務の事務所への転職は現実的ではありません。そのあたりを理解していない人がいるのは事実です。弁護士登録から5年以内の場合は、ポテンシャルを考慮して採用されるケースはありますが、一般的とはいえません。

Aさん:自己分析が足らない人というのは、たいてい志望理由が言えません。弁護士の転職においても、学歴、司法試験の受験回数、司法試験の成績は重要視されます。事務所によっては、旧帝国大学や私立大学のトップの人しか採用しないということはあります。


ーー逆に、正しい自己認識ができている方は着実に転職を実現されているということでしょうか。

Aさん:おっしゃるとおりです。等身大のご自身を捉えた上で、解決したい課題や目指したい姿の理解が深まれば進むべき道が見通せるようになります。

Bさん:私たちはそのお手伝いをしていて、ほとんどの先生方が各々の状況下で大変前向きな一歩を踏み出されています。


ーー転職においては、一般的に後ろ向きな転職理由は敬遠されるとされますが、それは弁護士においても同じでしょうか。

Aさん:そうですね。弁護士でもそれは言えます。なんとか前向きな形での転職理由を伝えられるように一緒に考えていくわけですが、後ろ向きな理由が面接などで伝わってしますと難しい部分はあります。ある事務所の採用担当者は、「後ろ向きな理由をいう人は、仮に転職してきても後ろ向きな理由を探して不満を持つだろう」と言っていました。


ーー弁護士の転職において、有利な資格というのはありますか。

Aさん:医師や公認会計士のライセンスは、役に立ちます。また、企業法務系の事務所だと、大企業の出身者が優遇されることがあります。弁護士の方というのは、大きな組織に所属して、組織の人間として働いたことがない人が多いといえます。また、大きな事務所だと、出向先に常駐することがありますので、大企業での在籍経験が評価されることがあります。


ーー弁護士の転職に年齢は関係ありますか。

Aさん:ポストにもよりますが、事務所への移籍は、65歳までは問題ないのではないでしょうか。70歳の方が移籍したケースもあります。

Bさん:インハウスの場合は、55歳あたりを超えると難易度が上がるかもしれません。45歳以上だと企業では管理職になりますので、おのずと候補者は限られます。弁護士の場合、マネジメントをやりたがらない人が多いこともありますので、求める人材像と、応募者が希望する仕事のミスマッチがおきえます。(第二回に続く)

後編につづく:求人票から入所後の仕事内容を見極める方法とは?

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