弁護士の求人数は都道府県でどう変わる?都市部と地方の転職事情を解説

弁護士が転職を考えるときに気になるポイントの一つが、都市部と地方で求人数にどれくらいの差があるのかということ。将来的に地元に戻って働きたいという弁護士は、地方で転職活動をすることも視野に入れておかなければなりません。

この記事では、全国の弁護士数の分布や、都市部と地方を比較した場合の転職格差などについて解説します。

全国の弁護士数はどのように分布している?

日本で活躍している弁護士は、各都道府県にどのような比率で分布しているのでしょうか。

日弁連の統計データを参照すると、弁護士のほぼ半数が東京に密集しており、残りの約半分が地方都市に分布しています。

都道府県によっては統計上確認できる弁護士が100人を切っている地域もあり、都市部と地方では弁護士数に大きな格差が生まれているというのが現状です。

弁護士求人の多くは都市部に集中

東京をはじめとした都市部の人口増加が社会問題になっていますが、弁護士の世界も例外ではありません。

実際、都市部の弁護士求人数は常に売り手市場で、人材流動が止まることはありません。それには近年、企業法務の重要性が再認識されていることで、企業内弁護士(インハウスロイヤー)の採用がかなり増えているという背景もあります。

大手法律事務所や大企業が集まる東京では、キャリア志向のエリートによる転職競争が盛んに行われており、企業側も採用を増やすためにより条件の良い求人を掲載しています。

都市部でも弁護士の二極化が顕著に

格差が広がっているのは都市部と地方だけではありません。大都市・東京の中でも「稼げる弁護士」と「稼げない弁護士」の年収差が広がり続けています。

弁護士数の増加に伴って採用側が求めるスキルレベルが上がっているため、優秀な人材は転職を繰り返して順当にキャリアアップしていきます。

地方弁護士の転職事情

地方はニーズの少なさから弁護士求人数が少なく、東京と比べて条件面で不利な転職活動を強いられます。地方の法律事務所に転職したいと考えた場合、年収や福利厚生などの条件を下げなければ、転職は難しくなります。この章では、地方弁護士への転職を難しくしている原因を3つのポイントに分けて解説します。

人口減少により弁護士のニーズは低下

人口過密都市である東京と比べて、地方は人口が減少傾向にあります。そもそも弁護士のニーズがそこまで多くないため、法律事務所を開業するメリットがあまりありません。

また、渉外案件や企業法務といった大規模案件が少ないので、一案件当たりの報酬額も少額になることがほとんど。このような背景からキャリア志向の弁護士は自然と都市部に集中してしまうため、結果的に法律事務所の求人数が減少してしまうのです。

法的なサービスが普及していない地域も

地方には弁護士が極端に少ない「ゼロワン地域」と呼ばれる場所があります。
ゼロワン地域とは、地方裁判所の管轄内にその地域を担当する弁護士が一人、または全くいない地域のことを指します。

このような状況は過疎が進む田舎エリアで発生しやすく、弁護士数の少なさから相談・訴訟のハードルが通常よりもかなり高くなっています。とくに訴訟側・弁護側でそれぞれ弁護士が必要になった場合、依頼主は管轄外から自費で弁護士を派遣する必要があり、金額的な問題からそもそも訴訟を諦めるといった選択になりやすいです。

地方ならではの事情も影響

法的なトラブルが発生しにくいもう一つの背景が、地方特有の結束力の強さです。

地方はコミュニティーの力がとても強く、限定された人間関係の中で起こるトラブルを嫌います。日常生活においてはほんの少しの近隣トラブルなどが死活問題となりうるため、多少の問題には目を瞑って泣き寝入りをしてしまうケースもあります。

たとえ法的なニーズを掘り起こしたとしても当事者間の「関係性」で解決され、そのままクローズしてしまうような傾向は都市部よりも強いと言えます。

地方で弁護士求人を探すときのポイント

地方弁護士は法的ニーズの少なさから、東京など都市部と比べて不利な転職活動を強いられることもあります。ただし、それでも地方で弁護士として活躍したいという人もいるでしょう。

ここでは、地方弁護士の転職を成功に導く秘訣や求人を探すコツについて解説します。

求人サイト以外の情報にも目を通す

地方で弁護士の求人を探す場合は、求人サイトとともに、地方弁護士会の求人リストや、ハローワーク、地方誌などを併用して情報収集するのがおすすめです。

求人掲載や採用にはお金がかかります。しかし「弁護士人材は求めているけど、採用にはお金をかけたくない」という法律事務所は少なくないでしょう。一つの求人媒体にこだわるのではなく、上記に上げた公的な媒体含めて確認することで選択の範囲も広がります。

公共性の強い法律事務所を探す

地方で転職先を決める条件の一つとしておすすめなのが、地方の公設事務所に狙いを絞って求人を探すことです。

公設事務所とは、日弁連や地方弁護士会が運営する公共性の強い法律事務所のこと。法的弱者の救済やゼロワン地域の解消を目的として運営されているため、地域貢献度が非常に高いのが特徴です。頼れる相談役的な存在なので地方住民の信頼が厚く、上手く転職できれば安定的に業務を遂行することができます。

人脈を駆使して採用ルートを探す

弁護士としての実務経験が豊富な人は、人脈を活かして地方採用のルートを探す方法もあります。

弁護士の横の繋がりを利用して情報を収集したり、地方に繋がりのある弁護士から採用意欲の高い法律事務所や企業を紹介してもらうなど、これまでのキャリアを活かして転職を有利に進めることができます。弁護士仲間の推薦であれば採用面接を通過しやすく、ゼロから転職活動に取り組むよりも内定を貰える可能性が高くなります。

営業力や案件対応能力をアピールする

地方の法律事務所は少人数で複数の案件を割り振りしているケースが多く、そのぶん個人の裁量権が大きい仕事に携わることができる可能性が高いとも言えます。

専門知識が豊富な人材は重宝されますが、それ以外にも営業力や案件対応力、コミュニケーション能力などを習得しておくことで、転職先に存在感を強くアピールすることができます。

自立して業務を遂行できる人材であれば、地方環境でも長く勤務できるでしょう。

まとめ

今回は、弁護士の転職市場における都市部と地方の格差について解説しました。

人口が過密し続ける都市部と、法的なニーズが減少する地方では、弁護士の転職において大きな差があることがわかりました。とはいえ地方にも一定数のニーズはあるので、やり方を工夫すれば転職できる可能性は十分にあります。

自身の目的と働き方とのバランスを考えながら、地方弁護士という選択肢を考えてみてください。

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