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弁護士は忙しいってホント?働き方の特徴や激務といわれる理由について解説

PCの前で電話をするビジネスパーソン

弁護士の仕事は多忙・激務といわれることが多いです。膨大な法律知識を駆使してクライアント顧客の権利のために奔走する弁護士の働き方は、一般的な職種と比べれば激務のように見えるのも仕方ないことです。

弁護士が忙しいといわれる理由はいくつかあり、仕事量が多いことや複数の案件を同時並行で進める必要があることなどが挙げられます。また、法改正があればその都度知識をアップデートをしなくてはなりません。

この記事では、弁護士が忙しいといわれる主な理由や働き方の特徴について解説します。

弁護士の働き方の特徴

弁護士が忙しいといわれる理由に入る前に、一般的な弁護士の働き方や勤務時間、スケジュールについて確認しておきましょう。

仕事内容

弁護士は法律知識を用いてクライアントの様々な課題を解決することが仕事です。離婚・相続・賃金未払いをはじめとした一般民事系の案件から、M&Aや株主総会対応といった企業法務まで幅広く担当します。

詳細業務は勤務先の法律事務所や企業が抱える案件や規模によって大きく異なるものの、相談者の権利を守って利益を最大化、もしくは問題解決をするクライアントワークが中心になります。

勤務時間とスケジュール

弁護士の勤務時間は個人の裁量に委ねられる部分が多く、請け負っている案件によって働く時間が大きく変わります。

9時に出勤して17時に退勤する就業時間が設定されていたとしても、スケジュールの組み方次第で活動時間帯は変動します。

例えば顧客相談や訴訟が重なれば、書類作成の時間が後回しになり、残業や休日出勤でカバーする必要があります。

スケジュールによっては提出書類の期日が重なったり、1日に何度も移動する必要があったりと、変則的なスケジュールで対応をしなければならない状況もあります。

残業時間

弁護士はどれくらい残業しているのでしょうか。

日弁連の2018年度調査(近年の弁護士の実勢について)によると、直近6ヵ月間の週平均労働時間は41~50時間という回答結果が最も多く、27.9%を占めています。40時間を超えた分は残業時間なので、週の稼働日数を5日とすると1日あたり0.2〜2時間の残業をしていることになります。

2番目に多かった平均労働時間は51~60時間で23.7%です。こちらも40時間の超過分で考えると、毎日2.2~4時間の残業時間となります。

約半数の弁護士が残業をしていて、4人に1人は2.2~4時間/日もの残業をしている計算なので、弁護士の残業時間は一般的な感覚としても多い傾向にあることが分かります。

特にアソシエイト弁護士は膨大な量の案件を同時に任されるケースが多いため、平均的な残業時間を大幅に超過している可能性もあります。

休日

土日・祝日・年末年始は休みを貰えるケースが一般的です。ただし抱えている案件によっては、休日出勤をする必要があります。

クライアントのスケジュールによっては土日しか空きがないこともあり、休日に対応が入ることもあります。

また、休日は「事務所の電話が鳴らない」「来客が来ない」「ほかの弁護士やボス弁がいなくて静か」といった理由から、作業に集中しやすい日と認識している方もいることから、平日業務で溢れた書類作成や顧客対応などのタスクを土日にこなす方も一定数います。

繁忙期

弁護士には特段繁忙期と呼べる時期はありません。

ただし、企業法務を扱う弁護士の場合、株主総会が開催される6月が繁忙期となることがあります。

また、裁判官の異動時期である3月~4月、裁判官が長期休暇を取りやすい8月は公判日程が少なくなり、比較的業務が落ち着くことがあります。

弁護士が忙しいといわれる理由

弁護士の仕事内容や勤務時間を押さえたところで、弁護士が忙しいといわれる理由について見ていきましょう。

個人がカバーする対応範囲が広い

これまで述べてきた通り、一般的に弁護士は個人で担当する案件が非常に多く、仕事量が増えやすい傾向があります。

規模によっては法律事務所内にあるチームで働くこともありますが、個人の責任において仕事を遂行していく能力が何よりも求められます。

膨大な資料に目を通したうえで、クライアントの相談内容に合わせて自身で資料を作成するなど、業務内容は多岐に渡ります。

高度な法律知識を使った業務はもちろんですが、書類作成・リーガルチェックといった地道で一定の質が求められる作業も多いことが仕事量にも影響します。

複数の案件を同時並行で進めざるを得ない

弁護士が担当する案件の多くは同時並行で進行します。

案件Aが終わったらB・Cという訳にはいかず、案件A・B・Cを同時に進めていく能力が求められます。

案件によって取り組み方や難易度が違うので、同時並行で進めるときはなおさら忙しくなります。

クライアント対応に突発性がある

弁護士の業務はクライアントワークが中心なので、クライアントの都合に合わせて自身のスケジュールを決めることになります。

事務所が土日休みであっても、クライアントが「日曜日に相談したい」といえば、弁護士は日程を合わせる必要が出てきます。

1日に数件の相談日程が重なることもあり、限られた時間の中で書類作成などのタスクをまとめて行う場合もあります。

クライアントの予定に合わせる働き方なので、勤務時間・拘束時間が自然と長くなってしまうのです。

移動が多い

弁護士業務の忙しさに拍車をかけるのが移動の多さです。

必ずしもクライアントが近場にいるとは限らないので、新幹線・電車・タクシーなど、あらゆる交通手段を使って移動する必要があります。当然移動時間が増えた分だけ、弁護士の拘束時間は長くなります。

また、案件によっては顧客対応だけでなく、裁判所へ頻繁に行かなければならないケースも発生します。

多忙な毎日の中でも自己研鑽が必要

社会人全般に言えることかもしれませんが、弁護士は通常業務だけでなく、学習や自己研鑽の時間も必要になります。

法改正があればその都度知識をアップデートする必要がありますし、新しい判決・事例・新解釈があれば、常に最新の情報を学び続ける必要がでてきます。

一般的なビジネスパーソンと比較しても、仕事の「根拠」に当たる枠組みが常に変化する以上、弁護士が法律的なキャッチアップを要求される度合いは高いと言えるでしょう。時代の変化に応じてクライアントの悩みや法解釈も変化していくので、自分が担当する専門領域の知識は常に最新の状態にしておくことが必須です。

転職などでより専門性の高い領域を目指す場合は、一から勉強を始めなければいけないケースも少なくありません。

結果、プライベートを犠牲にしやすい

上記で示した他にも、可視化できない残業ややむを得ない休日出勤が発生する理由が存在します。

結果、まとまった休みを取りにくいためプライベートな時間を確保しにくく、自然と仕事中心のライフスタイルになって忙殺されてしまう方が多くいらっしゃるのです。

弁護士の就職先と忙しい職場の特徴

弁護士の働き方は多種多様で、法律事務所に勤務する弁護士もいれば、事務所経営者として働く弁護士、さらには企業内弁護士(インハウスロイヤー)として働く方もいます。

ここからは、それぞれの領域における忙しさの基準や、法律事務所と企業の働き方の違いについて解説します。

大手・渉外事務所は激務

大手弁護士事務所は複雑な取引が多い企業法務全般を扱うため、勤務する弁護士は相当に忙しくなります。

クライアントは大手企業なので求められるレベルも高く、自己研鑽の時間も確保しなくてはなりません。そのため、平日の残業や休日出勤が続くこともあり得ます。

また、渉外事務所も激務で知られています。渉外事務所で働く弁護士は、短期間で膨大な量の契約書を丁寧に読み込む必要があります。

海外企業と時間を合わせるため、会議の時間が深夜になることもしばしばです。

小・中規模の法律事務所は分野・規模によって忙しさが異なる

大手弁護士事務所や渉外事務所に比べると、全体的な傾向としては小中規模の事務所は激務ではありません。

ただし「複数の案件を同時並行で進めること」「クライアントの都合に合わせること」などは規模が小さくても変わりません。

また、事務所規模によっては人数が減ることで担当案件や任される業務の領域が増えることもありますが、忙しさのレベルは法律事務所の特色・専門領域・方針などによって異なります。

インハウスロイヤーは適正な仕事量に収まることが多い

一般企業に勤務する企業内弁護士(インハウスロイヤー)は、通常の弁護士と比べて適正な仕事量に収まることが多いです。

法律事務所に勤務する弁護士と比べてクライアントワークが少なく、社内とのスケジュール調整さえ握っておけば、自分のペースで仕事を終わらせることも可能です。

勤務時間や福利厚生、休日取得も法律事務所と比べて充実しているので、企業内弁護士はワークライフバランスを重視する方のキャリアパスの選択肢となります。

まとめ

今回は弁護士の働き方や忙しさの特徴について解説しました。

弁護士業界全体の傾向として、「仕事量が多い」「拘束時間が多く忙しい」という悩みはあるものの、業務フローの改善や転職を行うことで解決できるポイントも多く存在します。

転職での解決を検討する場合、業務量が一定規定されている企業のインハウスロイヤーに転職するという選択肢もあります。自分に合った働き方ができる就職先を選びましょう。

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