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事務所を開設したのは自分の好きな人と働きたいから ——まずは牧野先生が『賢誠総合法律事務所』を開設した経緯を教えてください。 私は2006年に『弁護士法人 淀屋橋・山上合同』へ入所しました。入所当時から独立志向があり、その想いは早くから周囲にも伝えていました。 独立の動機は、自分の友人をはじめ、自分の好きな人と一緒に働きたいという、ある意味でわがままな思いにありました。『弁護士法人 淀屋橋・山上合同』の先生方やスタッフの皆さんも素晴らしい人たちばかりで、私はとても慕っていましたが、さすがに、私自身が私の友人を採用するとか、パートナーにするというような勝手なことをするわけにはいかないと思っていましたので。 そして、2010年に独立しました。『賢誠総合法律事務所』の売上のメインは企業法務ですが、これは『弁護士法人 淀屋橋・山上合同』で企業法務のノウハウを学ばせてもらったおかげです。 ——事務所名の「賢誠」という文字にはどのような想いが込められているのでしょうか? 弁護士ご依頼者が報酬を得られるのは法律知識を有しているからです。人間力やメンタルで弁護士が優れているというのは誤った驕りでしかありません。 だからこそ、弁護士は知識を蓄え続けなければならない。こうした考えを「賢」という文字で示し、その上で人として誠実であるのは当然の前提であるという考えから「誠」の文字を使いました。 ——行動指針の1番目には「虚飾を退け、ただただ法と法実務の知識経験を集積すること」と書かれていますが、これも「賢誠」に通ずるものです。 例えば、知識・経験の豊富な弁護士が見ればすぐに解決するような案件も、知識の乏しい弁護士が担当すると迷走するということは非常によくあります。 知識がないと、そもそも案件の方向性を間違うので、その弁護士がどれだけ時間をかけてもうまくいかない。知識がないから、苦境に立たされるのであり、知識があれば、そもそも苦境に立つ必要すらないということが多々あります。 要するに、知識を有することで依頼者だけでなく弁護士自身も幸せになれるのです。 ——事務所を開設したのは素敵な人と働きたいから、知識の集積を求めるのは依頼者だけでなく弁護士に幸せになってほしいから、ということですね。 はい。確かな知識を持ち、正々堂々と戦うクラシカルな弁護士でありたいですし、この想いに共感してくれた人たちが集まっている法律事務所だと思っています。 業界トップクラスのパートナーが入所。13年間退職者が1人も出ない ——『賢誠総合法律事務所』は京都No.1の規模の法律事務所に成長しています。事務所としての得意分野は何ですか? 京都事務所はM&Aとスタートアップ投資・支援です。特にM&Aについては『モリソン・フォースター外国法事務弁護士事務所』でパートナーとして活躍していた日本人弁護士2名とアソシエイト1名の計3名が当事務所に移籍してくれました。 世界的な法律事務所のパートナーが私たちの規模の事務所に移籍するのは非常に異例のことだと思いますが、この3名が当事務所のM&Aを主導しています。 事務所の得意分野は企業顧問で、当所全体では約300社の顧問弁護士を務め、そのうち私は140社程度を担当しています。 ——企業の顧問弁護士を務める上で心掛けていることはありますか? 各企業の事情に寄り添いながら法務部をサポートすることです。企業ごとに業界も規模も組織編制も違うので、画一的な対応では必ず不備がでてきます。一つひとつの企業に寄り添うことで弁護士や事務所への満足度は高まりますし、いまも毎月3社ほど顧問企業が増えています。 ——企業法務以外で力を入れている分野はありますか? 離婚・相続の分野では日本トップクラスになることを目指しています。 富裕層の離婚・相続では数十億円が動くのも珍しくないため、この分野でスタープレイヤーの弁護士を育てなければならないと感じていますし、同時に私自身がスタープレイヤーにならなければと思っています。 ——事務所として急成長を遂げた今、課題はありますか? 急成長期にはどの企業や法律事務所も直面することかもしれませんが、事務所のエース人材に負荷がかかりすぎていることです。誰もが心身の健康を保ちながら働くためにも良好なワークライフバランスを保ちたいと考えています。 2010年の開設から13年間、健康面での特殊な事情がある場合やパートナーが独立したケースを除いては、弁護士も事務局も退職者がいません。引き続きスタッフが長く働き続けてもらう職場をつくっていきたいです。 医師のように弁護士も専門性を高めるべき ——今後のビジョンを教えてください。法律事務所としてのブランディングを含め、海外展開などは考えていますか? どんな領域においてもNo.1になると一気にブランドの価値が高まるので、「京都No.1の規模の法律事務所」という点は意識していました。 毎月顧問企業が増えているのもブランディングが成功している証だと思います。ただ、海外展開までは考えていません。海外の法律事務所にも信頼できる友人がいるので、国際的な案件ならその人たちと組めば良いですから。 いまは規模の拡大よりも所属弁護士の専門性を高めることに力を注ぎたいです。若い司法修習生と話すと、ほとんどの人が「民事も刑事もいろいろ経験したい」と言います。 ——弁護士としての総合力をつけることで、活躍できる可能性を広げたいという方々も多いと思います。 その気持ちはわかります。私自身、企業の顧問弁護士や社外取締役をはじめ、メジャーリーガーの代理人や刑事事件、少年少女の少年事件案件など、さまざまな分野を手掛けています。しかし、それが弁護士として正しい姿かというと、違うと断言できます。 医療業界を例にするとわかりやすいですが、自分に脳腫瘍ができた時、どんな医師に腫瘍の摘出手術をしてほしいですか? きっと、年間に100件200件と脳腫瘍の手術を行っている専門の医師に執刀してほしいと思うはずです。昨日は膝の関節の手術を、一昨日は泌尿器科の手術をしました、という医師に自分の脳腫瘍の手術は任せられないでしょう。 法律事務所のクライアントも当然同じです。M&Aでも相続でも、それを専門に取り組んできた弁護士に担当してほしい。だからこそ、弁護士一人ひとりが専門性を高め、自分の強みをつくらなければならない。専門家の育成が今後の目標です。 ——最後に、転職を検討されている読者へのメッセージをお願いします。 すでに転職しようか迷っているのなら真剣に検討するべきでしょう。他の職業と比べるとある側面においては弁護士は資格で守られており、健全に働き、休み、きちんと収入を得ることができる仕事です。そうであるのに、今の給与や働き方が不健全であるなら、その事務所とご自身が合っていないのかもしれません。 また、一昔前のように一つの事務所で経験を積み、ゆくゆくは独立する、という道だけではなく、さまざまなキャリアを描ける時代です。従来の考え方に固執せず、自分らしく働ける場所を前向きに探してほしいと思います。そして、その場所が当事務所であればこんなに嬉しいことはありません。 弁護士ドットコムキャリアのエージェントサービス登録(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録する
事業部と密に連携し、新規事業の立ち上げにも積極的に貢献 ――株式会社SUPER STUDIOのビジネスについて、あらためてお伺いしてもよろしいでしょうか。 阿部 当社は、「ecforce」という法人向けECプラットフォームを開発・提供しています。従来、EC事業者が商品をお客様に届けるためには小売業者や卸売業者を介して販売を行う必要がありましたが、ECカートシステムを利用し自社ECサイトを立ち上げることで、事業者自らが商品を直接お客様に届けることができるようになりました。そのカートシステムを事業の主軸とし、EC/D2C事業者が求める本質的かつ多様な機能開発をスピーディに進めることで、EC/D2C事業におけるあらゆるフェーズ、プロセスを支援しています。 今年(2023年)の3月には、EC特化型MAツール「ecforce ma」をリリースしました。売上向上から業務効率化までトータルでソリューションを提供し、EC/D2C事業者が継続的なビジネス成長を実現できるよう、常に新しいプロダクトを開発しながら事業を推進しています。 また、自社でD2C事業も行っており、ecforceを利用したメーカー業を通じて利用者目線でプロダクトの改良を図っています。具体的な活用事例や成功事例を自ら作り出すことで、その知見やノウハウをEC/D2C事業者にフィードバックしながら支援を行っています。 ――ECビジネスを幅広く展開されている中で、法務リスクマネジメントチームはどのような位置付けになるのでしょうか。 山口 当社の経営企画室は、経理や総務、データ分析など異なる役割を持ったチームで構成されており、法務リスクマネジメントチームもその中の一つです。法務リスクマネジメントチームには現在(2023年8月)チームリーダーの中山を含め3名のメンバーが所属しており、法務業務はもちろん、他のチームと連携を取りながらビジネスや取引開始前のリスクマネジメントを担当しています。メンバー内に弁護士はいませんが、監査役として2名の弁護士(司法試験合格者含む)の方に参画いただいています。 ――法務リスクマネジメントチームの主な業務内容について教えてください。 中山 一般的に事業法務とされている領域を中心に担っており、具体的には事業における法務領域のスキームを事業部と共に検討や自社サービス規約などの作成・レビュー、契約交渉などを行っています。また、新規事業の立ち上げに伴い、新しいプロダクトの機能に関する法的な検討を行うこともあります。その他、事業運営上で生じる様々なリスクへの法的な対応や法改正への対応、コンプライアンス研修の実施や契約締結業務の効率化、契約ライフサイクルと呼ばれる領域など、一般的な法務業務にも取り組んでいます。 ――法務リスクマネジメントチームと事業部との関係性はいかがでしょう。 山口 事業部とは密にコミュニケーションを取っており、事業部のどんな疑問や不安にも常に対応しながら手厚くサポートするようにしています。法務リスクが見つかった場合はこちらから事業部にコンタクトを取るのですが、その際も事業部が真摯に向き合い対応してくれるので、とても良好な関係を築けていると思っています。 2019年に経営企画室を立ち上げ、今年の4月から法務は3人体制に ――1日の業務の中で、最も多く時間をかけている業務は何ですか。 中山 法務リスクマネジメントチームでは新規事業の立ち上げに伴う複雑なリスクの検討や契約書のレビュー、事業部からの法律相談対応を中心に行っています。その中で私個人としては、新規事業立ち上げ時などのリスク調査やそれに伴う法律相談対応に時間をかけることが多いです。 2人目のメンバーが入社した2021年9月までの2年間半、一人法務として在籍していました。3人目のメンバーが入社したのも今年の4月なので、3名体制になったのはつい最近のことです。今後はチームとして成長し、会社や事業に貢献できるよう取り組んでいくことを目標に掲げています。 ――つまり、中山さんは法務リスクマネジメントチームの立ち上げメンバーの一人目、ということでしょうか。 中山 はい。ロースクールを卒業後そのまま入社しており、法務の実務経験がほとんどありませんでした。そのため法務としてどうあるべきか、どう動くべきか手探りの中、阿部や事業部の方と一つひとつ丁寧にコミュニケーションを取りながら、会社に貢献できるよう法務としての在り方を日々模索していました。 阿部 私も中山と同じタイミングで入社しているのですが、当時は法務リスクマネジメントチームだけでなく、経営企画室全体の立ち上げ期でもありました。会社として最適な内部統制をどのように構築していくか、リスクマネジメントをどのように徹底していくかといったところに重点を置きながら、まずは事業部に対して管理部が求めることを一つひとつ説明しながら、事業部との関係を構築していきました。その後、様々な契約書の雛形を作成するなど、少しずつ足場を整えながら、会社が求める管理部門を皆で一から作り上げていきました。 事業部と共に会社・事業に貢献できる ――SUPER STUDIOの法務として働くことの魅力を教えてください。 中山 当社はスタートアップ企業ということで、新しいことに挑戦しやすい環境です。一方で、事業を堅実に成長させていくためにはリスク管理が欠かせないということも経営陣が理解してくれています。そのため、事業部とコミュニケーションしやすい環境作りや顧問弁護士等の専門家の手厚いサポートを受けられる体制など、社内外問わず様々なポジションの方に相談しながら着実に業務を進められる環境であるところは、魅力の一つだと感じています。 阿部 ビジネスモデルの観点でいうと、検討できる論点が幅広いというところも挙げられると思います。直近では、当社と三井不動産社が提供するOMOソリューションの一つとして、初のリアル店舗「THE [ ] STORE(ザ・ストア)」をRAYARD MIYASHITA PARKにオープンしました。EC/D2C事業者にリアル店舗で商品を販売できる機会を提供するとともに、オフラインであってもEC同様のデータ取得を可能とし、継続的なマーケティング施策を実現します。従来EC/D2C事業者が抱えていた課題を解決し、ビジネス成長を支援する取り組みです。 このようにECというドメインに留まることなく常に新しい取り組みにチャレンジしているため、様々な論点を検討する機会が多いところも当社の魅力だと感じています。 中山 成長スピードに合わせて常に新しい取り組みに対応していくことの大変さはありますが、それ以上に刺激的でやりがいのある仕事だと感じています。 阿部 事業部側が推進していきたい部分と管理部側の守っていきたい部分がバッティングしてしまった際も、経営陣のリスク管理への深い理解があるため、意見の押し付け合いになることなく事業部と一体になって取り組むことができます。「会社や事業に貢献している」という意識を持って働くことができていますね。 ――SUPER STUDIOの社風について教えてください。 阿部 既存のやり方を踏襲し続ける会社も多いですが、常に市場に適合していかなければ淘汰されてしまうのが会社経営であると捉えているため、変化を楽しめるかというのはとても重要な価値観だと考えています。また、ただ変わるだけでなく、どの方向に進むべきか、何をすべきか、といったことを本質的に考えること。そして、相手の信頼を得るために常に誠実に向き合うことも重要です。これらを当社では、「CHANGE 変われる人であれ」「INSIGHT 本質を見極めろ」「HONESTY 人格者であれ」というVALUEとして掲げています。「人が育てば、会社が育つ。会社が育てば、社会が育つ。」という当社の信念のもと、三つ全てを体現しようという考えを持った人が多いと思います。 経営企画室全体が一つのチームであり、専門性や経験を還元し合える環境 ――SUPER STUDIOの法務ならではの独自の取り組みなどはありますか。 山口 法務の独自の取り組みとしては、会計や税務など、法務以外の幅広い論点をキャッチアップしようとする試みが見られます。様々な機能を持つ経営企画室には、私や阿部などの公認会計士の資格を有した者がいる他、会社全体としても複数の法律事務所や弁理士事務所と顧問契約を結んでいます。専門性を持った方々と常に協力しながら業務を進められる環境が整っており、法務のメンバー一人ひとりが管理部として持つべき視点や観点を幅広く身につけるようにしています。 阿部 経営企画室は全体で一つのチームを築いています。異なる専門性を持つチーム同士が協力し合い、事業を推進していくことを大切にしているため、一つの専門性を伸ばすだけでなく幅広い視点を身に付けたいという方には最適な環境だと思います。「この会社で働けて良かった」と思っていただけるよう、そして、社員一人ひとりが望んだキャリアを歩めるよう意識しており、そこは経営陣の思いが反映されている部分でもあります。 ――最後に、法務リスクマネジメントチームが求める人物像について教えてください。 阿部 今後の目標としては、チームとして動くことで属人化を防ぎ、互いに成長していくことを掲げています。各々が専門性を伸ばしていくことももちろん重要ですが、自身の専門性や経験をチーム全体に還元し、成長し合える環境を作っていきたいです。チームプレーを大切にし、「CHANGE 変われる人であれ」「INSIGHT 本質を見極めろ」「HONESTY 人格者であれ」という当社のVALUEに共感していただける方と一緒に働きたいと考えています。 SUPER STUDIOでは下記のポジションを募集しています。 法務スペシャリスト ご応募お待ちしております。ご検討中の方、詳細が気になる方はお気軽にお問い合わせください。 公開状況は随時更新されますのでご注意ください。 求人へのお問い合わせ方法 すでに担当コンサルタントがお付きの方: 担当コンサルタントにメールかお電話にてご連絡ください。 弁護士ドットコムキャリアを初めてご利用されるお方、担当コンサルタントの連絡先がわからないお方: 求人詳細ページ「この求人の紹介を申し込む」よりお進みください。 弁護士ドットコムキャリアのキャリア相談(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録する
知的財産を駆使した幅広い事業展開 ──サイバードと言えばゲーム会社としてのイメージが強いですが、事業内容を改めて教えていただけますか。 実は当社は創業時より「サイバード=ゲーム会社」と定義したことは無く、IT×エンタテインメントの会社としてやってきました。 現在は、大きく分けて三つの分野に取り組んでいます。 一つ目は、今年6月に11周年を迎えた恋愛ゲーム「イケメンシリーズ」を中心とした自社IP(知的財産)の創出・展開。 二つ目は、他社様のIPをお預かりし、ゲームやコンテンツの受託開発・サービス運営などファンビジネスとしての活用。 三つ目は、NFTやメタバースなどの新技術を用いたWeb3.0領域における取組みも開始しています。 ──ゲーム開発にとどまらず、多角的な経営をされていらっしゃるのですね。社員の年齢層や社内の雰囲気などはどういった感じでしょうか。 年齢は30代半ばが中心です。ゲーム製作を手掛ける会社では比較的珍しいことに、女性社員が全体の6割を占めています。管理職も女性が4割ほどです。 社員は、いわゆる職人気質と言える自分の仕事や専門領域に誇りを持っているタイプが多いと感じています。 特定の職種がずば抜けてそうというわけではなく、プランナーはプランナー、エンジニアはエンジニアで、ひとりひとりがストイックな努力家です。自社のことは自社内のメンバーでやり遂げようという気概も強い。頼もしくて独立心のある人たちが集まっています。 また、ライフワークバランスがとりやすく、産休・育休取得を推進するポジティブな空気があり、出産を選ぶ女性もキャリア形成しやすい環境が整っており、男性社員の育休取得率も年々上がっています。 効率とスピード重視 事業部の良きパートナーとして ──サイバードにおける法務部の位置付けを教えてください。 サイバード全体は事業部門とそれ以外の間接部門に分かれており、法務部は間接部門の一つであるコーポレート部門に属しています。現在、私を入れて三名の社員が所属中です。 法務部という部署は、会社によって性格がだいぶ異なりますが、サイバードの法務部のあり方は非常にバランスが良いと自負しています。他部署からの依頼を保守的に消化するだけの受け身な態度ではなく、かと言って強権的でもありません。事業部が抱えている課題を同じ方向を向いて、一緒に解決するように取り組んでいます。このため、事業部のメンバーは、気軽に法務部へ相談に来ている印象です。 ──法務部の業務内容を詳しく教えてください。 大別すると、契約書作成およびレビュー、法改正対応、商標・登記等の法定手続きなどの法務業務と、会社のルールである規程の制定・改定、稟議の運用に関するガバナンス業務の二軸を担っています。 当社で作成する契約書の種類は、業務委託契約、ライセンス契約、共同事業契約に関するものが多いです。 近年は「イケメンシリーズ」の舞台化に伴い、製作委員会形式の共同事業契約も増加傾向にあります。 ──大西さんが考える、サイバードの法務部の魅力や長所はどういったところにあるでしょうか。 二つあります。一つ目は、広範囲の業務に携わることによってさまざまな経験を積めるところです。先ほどサイバードは「自社のことは自社内のメンバーでやり遂げよう」という独立心を持った社員が多いと話しましたが、その傾向は法務部も例外ではありません。各自ノウハウを吸収し、部内でシェア(共有)していきます。特に資格を有しなくてもできる法的手続は自分たちでおこなっています。必要な場面では外部の法律事務所を頼り、できるところは自分たちで、というメリハリを大切にしています。 二つ目は、効率性を重視する姿勢です。契約書のひな形を多数用意して、社員が必要に応じて使用できるようにしています。また、当社独自の契約締結基準(契約書で締結しなければならない基準)を設け、ごくスタンダードな取引や取引金額が一定以下の取引であれば発注書で対応できるようにしてあります。スピードを重視する事業部の社員から大変好評です。 ──IT・エンタテインメント業界特有の法務の魅力と大変さがあれば伺いたいです。 魅力と大変さが表裏一体、といった感じが正直なところですね。もともと変化の多い業界であるため法改正対応は、毎年のようにあります。また近年はWeb3.0時代の到来により、規制や税制、各種ルール整備等で課題が多数存在しています。「NFT」「ブロックチェーン」といった言葉をよく耳にすると思いますが、その言葉の正確な意味や特徴を理解すること、それらの技術を用いてビジネス化した場合の法的・ガバナンス上問題点を調べ、整理することも法務部の仕事になります。国のみならず、世界の動向を意識しながらの調査、学ぶことは、魅力でもあり、大変さもあると思います。 サイバードの新しい働き方とこれから ──法務部を含め、サイバード全体についてお伺いします。新型コロナウイルスの流行をきっかけに、働き方に変化は生じましたか。 一番大きな変化は全社リモートワークに切り替わったことです。コロナの収束如何にかかわらず、今後も継続予定です。法務部は、業務上週に一日だけ、部門メンバー全員が出社し、残り四日はリモートワークです。出社日を同日にすることでリモートワークの利点と、直接顔を合わせて話すコミュニケーションの利点を使い分けて活用しています。ただ、今後新たに加わる社員の住まいが首都圏外であれば、このルール自体を臨機応変に見直していくつもりです。 他にコロナをきっかけに変わったことと言えば、取引先様との契約方法です。コロナが流行る前から電子契約の導入自体は検討していましたが、取引先様での導入例が少なかったため様子見する時期が長く続いていました。コロナ以降は一気に業界全体に浸透した実感があります。 当社も一早く対応した結果、以前より契約締結の手続きが簡素化され、締結までのスピードが上がりました。 ──サイバードならではの働きやすさはありますか。 働きやすさには自信があります! 当社は、経済産業省と日本健康会議による「健康経営優良法人認定制度」に、二年連続認定されています。フレックス制度やスライドワーク制度を導入して育児・通院などの時間の確保を後押しし、新型コロナウイルスを含む感染症対策にも力を入れています。 また、女性社員の産休・育休後の職場復帰率は100%です。本人と事前に相談したうえで、産休・育休前と同じ部署に戻る社員がほとんどです。特別な取り組みをした結果ではありません。自分が所属していた部署や扱っていたコンテンツに愛着がある、だから産休・育休が明けたら当然同じ仕事に戻る、という流れが自然と社内に根付いているように思えます。 さらに、周囲の社員からのサポートが手厚い点も働きやすい点だと思います。 ──法務部が求める人材像を具体的に教えていただけますか。 法務部なので論理的思考は当然必要ですが、同時にヒアリング力の優れた方を歓迎したいと思っています。事業を推進するため、課題を解決するためには日々、様々な人たちとコミュニケーションを取り情報把握をする必要がありますが、情報を伝える側の人にも得手不得手はあります。そんな中でも、必要な情報を引き出すヒアリング力、どんなときも丁寧に耳を傾ける根気強さがあると嬉しいです。 ──現在転職活動中の方に向けて、一言メッセージをお願いします。 サイバードは、成長のチャンスをつかみたい方にはぴったりの会社だと思います。 時代に合わせた働きやすさも随時アップデート中です。 ご応募お待ちしています。 サイバードでは下記のポジションを募集しています。 法務担当 ご応募お待ちしております。ご検討中の方、詳細が気になる方はお気軽にお問い合わせください。 公開状況は随時更新されますのでご注意ください。 求人へのお問い合わせ方法 すでに担当コンサルタントがお付きの方: 担当コンサルタントにメールかお電話にてご連絡ください。 弁護士ドットコムキャリアを初めてご利用されるお方、担当コンサルタントの連絡先がわからないお方: 求人詳細ページ「この求人の紹介を申し込む」よりお進みください。 弁護士ドットコムキャリアのキャリア相談(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録する
一人法務から、未経験メンバーを集めて“組織強化”へ ーーまずは『ネクサスエージェント』で働く方々のキャラクターや、社風についてお伺いできますか? 斉藤 企業の理念として『理想を追求する』という言葉を掲げています。従業員のひとり一人が、成し遂げたい目標、『年収を上げたい』『キャリアアップしたい』などに加えて、『顧客起点』で物事に取り組む、そして相手の立場から考え行動するという意識を持っているので、仲間や会社の成長と共に自己成長するという強い意志を持った人材が多いと思います。 ーー設立間もない法務総務コンプライアンス部ですが、社内ではどのような役割を果たしているのでしょうか? 斉藤 従業員が安心して業務をこなせるように、法務・総務・コンプライアンスの3つの観点からハイブリットで業務処理しています。契約書チェックや新しい業務が法律に抵触していないかのチェック、従業員が円滑に働けるような業務フローの整備、そして月1回の頻度で従業員のコンプライアンスリテラシーを向上させることを目的とした全社教育の機会などを設けています。 部長・梶間友秀 斉藤が入る以前は一人法務という形で、人数が足りずに常に対応に追われているような状態でした。法務経験の豊富な斉藤が入ってくれたことで組織として成長すべき先が見えた部分が多く、いまは若手メンバーを増員して組織の成長を加速させています。 斉藤 会社が大きくなるにつれて法務の仕事は指数関数的に増えるので、いまは法務総務コンプライアンス部の組織化に注力しています。入社時からその必要性を感じていましたが、予想以上に早く組織化の段階に突入しました。 係長・豊原彩加 私は5月にこの部署に配属されました。以前は秘書室に在籍していたのですが、もともと法務業務には興味があったので配属のお話をいただいた時は大変嬉しかったです。 副主任・松田知美 同じように私も秘書室に在籍していたので異動の話は純粋に驚きました。他社であれば、法務部門は経験者しか携われない組織だと思います。未知の業務にチャレンジするチャンスをいただけてすごく嬉しいです。 23年卒・山田 今年の4月に新卒で入社したので、職歴はありません。このような立場でやりがいのある法務業務という大きなお仕事に関わることができて大変感謝しています。 求める人材は、自身が生み出した成果やそのプロセスを楽しめる人 ーー斉藤さん以外は法務経験がないとのことですが、どのような部分に難しさを感じますか? 斉藤 実は法律の知識や経験が無いことについては心配していません。また、日常業務においても苦労していません。大事なのは考え方であって、問題が起きたときにどう正確に事実把握するか、どう課題を察知するか、それが全てなんです。いかに雑念を排除して核となる要素を見極めるかが重要と考えています。重要ポイントを端的にいうと傾聴姿勢が大切と言えるようにも思います。部下3名とはこのような重要ポイントを大切にして、ダイビングのバディのように協力して日々案件に取り組んでいます。早ければ3カ月、遅くともあと半年もすれば仕事を任せられる担当領域を確立してもらえると思っています。 ーー現在はどのような人材を求めていますか? 斉藤 自分のアイデアがお客様や従業員に影響を及ぼす、些細な現象や成果であっても素直に喜べる、このような喜びを繰り返し感じながら次なる成果を目指す、そしてやり切るこだわりを持ち続ける、というような人材と一緒に働きたいです。まだまだ発展途上な法務総務コンプライアンス部なので、未整備な部分を楽しみながら改善できる方にはぜひ仲間になって欲しいです。法律知識や経験を深めることや業務をこなすスピード感はもちろん大切ですが、自身のアイデアを形にしたいという意志をもって0から1を作り出せる方に当社はうってつけだと思います。 ーー不動産・IT法務に必要なスキルはなんでしょうか? 斉藤 不動産関係の法律に長けている人材はもちろんありがたいです。一方でITに関する知識も必要になってきます。『法学部出身なので法律の解釈だけは自信があります。技術的な話題は苦手です』というような自身の限界に線引きをしてしまう方だとちょっと困ってしまいます。例えば不正アクセス一つとってみても、ポータルサイトがよくやっているスクレイピングなどのデータを集める手法は、一歩間違えれば違法な行為になってしまいます。違法性を回避する技術的対策があるはずだ、といった感覚を持てる方は、技術的分析を深くできなくても貴重ですね。ITに関する技術的なディスカッションにもついてこられる知識を持っていると、携われる業務の幅が広がると思います。 新卒のアイデアだからと門前払いすることはない ーーまだ法務経験の浅い豊原さん、松田さん、山田さんにお伺いします。この部署で働くやりがいはなんでしょうか? 豊原 未経験でもチャレンジできる環境が魅力的です。未整備だからこそ整備された大企業ではできない、組織や仕組みを作っていく、という経験ができます。成長中の企業だからこそですね。 松田 0から1への変化に携われることです。まだまだ社内の色々な仕組みを作っていかなければならない状況で、試行錯誤を繰り返しながら少しずつ改善して1を作っていく楽しみを感じています。 山田 まだ新卒で法務はおろか社会経験すらも浅い私のアイデアや活動が、法務総務コンプライアンス部の成果に反映されることに魅力を感じています。 斉藤 新卒入社者の意見やアイデアであっても門前払いはしません。その提案は良い提案なのか、調整の余地がないのかをしっかりと見極める文化がここにはあります。また、弁護士が言ったことだから鵜呑みにする、ということもなく、疑問を感じたらセカンドオピニオンを取りにいくこともあります。誰が言ったかよりも何を言ったかを大切にしています。 夢は、ネクサスエージェント出身の法務部員が世の中に点在するネットワークを作ること ーー今、法務総務コンプライアンス部が抱えている課題はなんでしょうか? 斉藤 この部署に限ったことではありませんが、弊社はまだまだ成長途中なので、ひとり一人が処理できる業務領域を広げていくことが課題です。法律的観点でのみ仕事ができればよいのですが、そういう単純な状況ではなく色々な人とコミュニケーションをとりながら業務に必要な情報を的確に収集し、また説得材料を見つけてそれを上手く使う交渉術を持った人材に育って欲しいと考え育成中です。今はまだまだですが、あと半年から一年くらいで情報の取集力や交渉術の状況が一変すると思っています。 ーー5年後10年後のビジョンは? 斉藤 5年も待たずして、法務人材を育て上げる仕組みや文化が根付いている組織にすることを考えています。『ネクサスエージェントの法務出身ならば安心ですね』と社外から言われるような法務組織としてのブランド力の確立、弊社で経験を積んだら一人前になれるという噂が立つような組織づくりです。法務部業界の横のつながりはまだ希薄なので、弊社出身者があちらこちらの企業に在籍し、法務業界の人的ネットワーク形成に貢献する、人材輩出組織というような状況の構築を理想に掲げています。このような理想の追求は、弊社の法務部門ができる社会貢献の一つだと思っています。 ーー最後に転職活動中の方にメッセージをお願いします 斉藤 書面のチェック力や法律知識の多さを強みとするプレースタイルではなく、目の前の人と言葉を交わして仮説を立てながら答えを導き出すプレースタイルの人材を求めています。また、「顧客起点」という言葉を大切にして欲しいです。法務の顧客は直接的には社内の人間ですが、そこから間接的に消費者や社会に影響を与えることができると思っています。このような影響を与える活動が「理想を追求する」という会社のビジョンにも通じていることを意識しながら協力して活動し、達成感をわかち合いたいと思っています。 ネクサスエージェントでは下記のポジションを募集しています。 法務担当(課長/係長) 総務/商事法務 ご応募お待ちしております。ご検討中の方、詳細が気になる方はお気軽にお問い合わせください。 公開状況は随時更新されますのでご注意ください。 求人へのお問い合わせ方法 すでに担当コンサルタントがお付きの方: 担当コンサルタントにメールかお電話にてご連絡ください。 弁護士ドットコムキャリアを初めてご利用されるお方、担当コンサルタントの連絡先がわからないお方: 求人詳細ページ「この求人の紹介を申し込む」よりお進みください。 弁護士ドットコムキャリアのキャリア相談(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録する
法務は事業部から気軽に相談される存在 ——まずは、楽天グループの社風について教えてください。 平均年齢が若く、様々な国籍の従業員がいることから多様性に富んだ人材が集まっています。オフィスを歩いていても、本当に様々な方がいるなと感じます。気軽に自分の意見を言い合えるオープンなカルチャーがあり、風通しの良さも楽天の特徴の一つだと思っています。 ——楽天グループというと英語が公用語というイメージがあります。普段の業務上の会話も英語でやり取りされることが多いですか? 基本的にはミーティングやメールなど含めてコミュニケーションは英語で行われます。どのような相手とコミュニケーションを取るかによりますが、その場に外国人籍の従業員で英語でのコミュニケーションのほうが良い場合は英語が優先されますし、英語話者が参加している事業部門とのミーティングや会社全体のミーティングでは、基本的に英語を使います。 ——楽天グループにおいて、法務部門はどのような位置づけにある組織なのでしょうか。 法務はオペレーションディビジョンというバックオフィス機能などを含めた部署に配置されています。ビジネス法務およびコーポレート法務を担当するメンバーは30名弱。そのうち弁護士資格を持っているメンバーは5名程度です。 業務としては、法律相談や契約書レビュー、新サービスローンチ時の相談などに対応しています。各サービスに対して強みを持つメンバーがいるので、事業部門からはチャットなどで気軽に相談されることが多いですね。事業側のすぐそばでサポートできる関係性ができているように感じています。 前例のないなか、一から新サービスをつくりあげる苦労とやりがい ——法務部門としてはどのような業務に力を入れられていますか。 件数でいうと日々の契約書チェックが多いです。ただ、当社は大なり小なり新しいサービスを始めるための取り組みが多い会社なので、新サービスにおけるスキームの整理や規制対応などに力点を置いています。 ——新サービスに関する業務で印象に残っていることはありますか。 私が直接担当したものだと、2年前に携わった「Rakuten NFT」のローンチです。NFTの取引ができるマーケットプレイスおよび販売プラットフォームを新たに作ろうというプロジェクトでした。当時NFT自体が新しい技術だったので、そもそもNFTとは何かというところから、暗号資産やブロックチェーン関連技術についても調べるなど、普段自分が扱っているものとは少し異なるリサーチをしなければならず苦労した記憶があります。ただ、トレンドのトピックに自分が関われた経験は、なかなか得がたいものだったと思います。その甲斐あって、「Rakuten NFT」は2023年2月に無事に1周年を迎えることができました。 ——ITベンチャーの法務ならではといったご経験ですね。楽天グループにおける法務の特徴はどのようなところにあると考えられていますか。 変化の大きいIT業界では、新しい技術や発想のサービスを立ち上げようとすると、前例がないため、手探りで進めていかなければならないことが多くあります。法務としても、そこが一番苦労するところであり、一番やりがいを感じるところでもあります。 スピード感を求められるのも当社法務の特徴です。法務人材は、じっくり腰を据えて結論が出るまで考え抜きたいタイプの方も多いように思いますが、当社ではどちらかというと走りながら考える力、リミットがあるなかで妥当な結論を出す力が重視されます。後になってそのときの判断がベストではなかったことがわかったとしても、責められることはありません。その時々でベストを尽くしていれば、状況に応じて修正していけばよいという柔軟性のある考え方が根付いています。 ——楽天グループの法務部門独自で行われている取り組みはありますか。 業務の効率化を進めています。特徴的なのは、事業部からの依頼受付をシステム化している点です。かつてはメールなどで受け付けていた時期もありましたが、現在は管理ツールを使って、案件ごとに管理できるようにしています。担当者や進捗、依頼内容など、すべての情報がまとまったページのなかでコミュニケーションをとるため、メールのように見落とすことがなく、退職した人が担当していた案件も後から参照することができます。 若手にもチャンスが多く、主体的なキャリア形成を実現できる環境 ——ここからは、楽天グループの法務で働く魅力について伺っていきます。まず社風としてはいかがですか。 当社は若い方が多い組織で、法務部門も新卒2-3年目のメンバーが多く在籍しています。だからこそ若手にも裁量のある仕事が与えられ、そのぶんチャンスの多い環境にあるといえます。コーポレート法務やビジネス法務をローテーションして経験を重ね、新卒5-6年目のタイミングでチームのマネージャーになったメンバーもいます。 ——事業が幅広く、新しい分野のサービスが多いという特徴についてはどのように考えられていますか。 一度うまく動き始めたサービスに関する法務相談はルーティン化しやすいですし、契約書も定型のものになっていきます。一方、新サービスを立ち上げようとすると、自分の頭を使って一から考えなければならないシーンが多くあります。年齢にかかわらず新しいことを吸収していくことが求められるので、成長の機会を得たい人にとっては魅力的だと思います。 特に法務の場合、自分が勤めている会社の事業にあわせてスキルセットを構築される方が多い印象ですが、当社は幅広い事業を展開しているため、自分のスキルの幅を広げたいと思ったときにたくさんの選択肢があります。一つの事業をやりきったと思ったら社内転職のような形で別の事業に移ることも可能です。こうして主体的に自身のキャリアについて考えられるのは、当社ならではかもしれません。 ——働き方という観点で工夫されているところはありますか。 楽天グループでは原則週4日出社としていますが、各自のライフスタイルに応じてリモートワークやフレックス制度を活用することができるため、柔軟に働ける環境が整っています。法務としても気軽に周りのメンバーとコミュニケーションが取れる環境があったほうがよいという考えのもと、週4日の出社が基本的な方針になっています。 変化のなか、法務に求められる新たなミッションと変わらない役割 ——楽天グループの法務部門として現在感じられている課題はありますか。 メンバーの入れ替わりもあり、数年前に定めた法務のあるべき姿やミッションが実態にあわなくなってきていることを課題に感じています。AIをはじめとする技術の進歩によって法務の仕事のあり方が問われているということもあり、まずは法務のメンバー全員が同じ方向を向けるよう、ミッションの再定義を進めているところです。 ——新しいミッションはどのような方向性で考えられていますか。 自分たちを求めている従業員たちの要望をより大切に考えていきたいという議論をしています。現在は依頼に対して受動的に対応するような場面も多いですが、より主体的かつ積極的に各事業のニーズに応えていけるような法務でありたいと考えています。 ——テクノロジーが発展してきているなか、これからの法務人材はどのような経験を積んでいくとよいでしょうか。 法務人材であれば、知識の蓄積はあるはずなので、それに加えて関係する人たちや部門を巻き込んで自分の力で物事を動かしていけるような経験ができるとよいと考えています。 また、コミュニケーション能力を身につけることも重要です。現状のAIは聞かれたことに対してしか回答ができません。しかし実際の業務においては、依頼者が法律知識を持っていないために、何を聞くべきなのかわからず、質問自体の焦点があっていないケースも多くあります。そうした場合でも、きちんとコミュニケーションをとり、依頼者の真のニーズや問題の本質を探っていける能力は、今もこれからも変わらず必要になるものだと思います。 適しているのは、結果を追求できる人、好奇心を持って変化を楽しめる人 ——楽天グループの法務に向いている人はどのような人でしょうか。最後に転職を考えられている方にメッセージをお願いします。 当社のブランドコンセプトの1つに「信念不抜 -GET THINGS DONE-」という言葉があるように、当社では物事をやり遂げることが重んじられているので、結果を追求できる方が多く活躍しています。また、環境の変化が大きく、新しいことへの挑戦も多い会社なので、それらに対して好奇心を持てるということも重要だと考えています。 当社の強みは、多様な人材が集まっていることにあります。日本の伝統的な会社で働いてきた方からすると異質に見えるところもあるかもしれません。年齢的に厳しそうとか、アグレッシブな雰囲気が自分には向いてなさそうなどと思われることもあるかもしれませんが、そうした考えをお持ちの方も含めて多様性を大切にしている会社なので、ぜひ臆せず応募していただけると嬉しいです。 楽天グループでは下記のポジションを募集しています。 知的財産部 – コーポレート:特許担当 知的財産部 – コーポレート:商標・著作権担当 企業法務 – Corporate Division (楽天ペイメント) ご応募お待ちしております。ご検討中の方、詳細が気になる方はお気軽にお問い合わせください。 公開状況は随時は更新されますのでご注意ください。 求人へのお問い合わせ方法 すでに担当コンサルタントがお付きの方: 担当コンサルタントにメールかお電話にてご連絡ください。 弁護士ドットコムキャリアを初めてご利用されるお方、担当コンサルタントの連絡先がわからないお方: 求人詳細ページ「この求人の紹介を申し込む」よりお進みください。 弁護士ドットコムキャリアのキャリア相談(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録する
「完璧な」仕事をするために、徹底的に議論する ——まず牛島総合法律事務所の開設について教えてください。 猿倉 代表の牛島は司法修習の29期で、検事を経て『アンダーソン・毛利・ラビノウィッツ法律事務所』へ入所しました。同事務所に6年在籍した後の1985年に牛島総合法律事務所を開設してからも、国内及び海外の企業を依頼者とする案件を幅広く担当しています。牛島総合法律事務所には現在、外国人弁護士も含めて66名の弁護士が在籍しており、在籍数では国内トップ20レベルです。 ——事務所の得意分野は何ですか? 猿倉 国内及び海外の企業法務が中心となります。企業間紛争、会社法・コーポレートガバナンス、M&A、不動産、環境法、建築、危機管理・不祥事対応、ファイナンス、IT・システム、情報管理、メディア、労働法、独占禁止法などの各分野にスペシャリストの弁護士が揃っています。 また、いわゆる一般民事事件は基本的に扱っておりませんが、世界各国における個人の国際離婚や国際相続も扱っています。なお、国際離婚や国際相続の案件において世界中に資産がある場合には、各国の法律事務所と連携して対応する必要があります。 ——グローバルなネットワークについても教えてください。 猿倉 海外展開する企業の海外拠点で不祥事が起こった場合の不正調査や、海外展開する企業において各ビジネス拠点での法規制を調査し対応するためには、海外の法律事務所との連携が必要不可欠となります。 当事務所はMultilaw、Employment Law Alliance (ELA)、Lawyers Associated Worldwide (LAW)といった世界的に著名なグローバルネットワークの日本唯一のメンバーであり、各ネットワークを駆使して国際的な案件に対応しています。 必要に応じて直ぐに海外の法律事務所に連絡をして対応することが可能な体制があり、各国の弁護士との間で日頃からそのような関係を築いています。 ——事務所のHPでは「完璧な仕事をする」という言葉が大きく掲げられています。 猿倉 当事務所はいわゆる四大事務所や老舗事務所に比べると後発です。肩を並べるには、常に熱意をもって完璧かつ圧倒的なサービスと結果を提供し、クライアントの依頼を勝ち得ることが必要です。 「どうしても牛島総合法律事務所に頼みたい」という信頼を寄せられる事務所であり続けるしかないと考えています。完璧な仕事をして圧倒的No.1であることが私たちの最も基本的な理念となります。 ——理念実現のために具体的に行っていることがあれば教えてください。 猿倉 まず、当事務所では、どのチームにおいても入念なリサーチとその結果に基づく議論を徹底的に行うというのが大きな特徴です。大型案件では、ときには10名程度の弁護士でチームを組み、アイデアを出し合うこともあります。 また必要に応じて、立法に携わった専門家やその分野の権威である大学の博士などの第一人者(会社法や民法等の法律学者のほか、土壌汚染等の専門的・技術的な研究者など)からも話を伺い、そこでも議論をします。 ——他の事務所との違いとして、特徴的なカルチャーに感じました。 猿倉 他の事務所に所属する同期弁護士と話をして一番感じるのは、当事務所ほど徹底的にディスカッションを行い突き詰めて考える法律事務所は他にはほとんどないということです。 当事務所では、形式的にも実質的にも分野ごとのセクション制は採用していません。そのため案件ごとにチームを組成するのですが、いろいろな弁護士と一緒に仕事をする機会があるので、他の弁護士の経験やノウハウを吸収する機会が多いというのも特徴だと思います。 パートナーにもなると、一緒に仕事をしたことのない弁護士の方がむしろ少ないというような状況にもなります。 殿井 話し合う場ではパートナーやアソシエイトといった立場の違いは関係なく、各弁護士の発言が合理的かどうか、説得的かどうかということが重視され評価されます。当然ながら、一年目であっても、誰もが自由に意見を発信できますし、若手も発信しやすい環境だと思います。 猿倉 ライブラリーの蔵書や判例の検索データベースも充実させています。判例の検索データベースを提供している業者は複数ありますが、各データベースはそれぞれすべての判例を網羅しているわけではないため、一社だけ導入しても漏れがでてきてしまいます。 裁判実務に携わるにもかかわらず、当事務所が把握していないデータベース上の判例が存在することは許されないことです。そのため、こういったシステムにはコストを惜しまず投資しているのも当事務所の特徴です。 さらなる飛躍を目指して環境を整える。若手に期待 ——事務所開設から38年経ち、すでに大きな成功を収めています。今後についてはどのようなビジョンを描いているのでしょうか? 猿倉 私は、若手がどんどん下から突き上げていくような事務所になってくれればと思っています。そのためには、執務環境の整備、若手の育成、専門性の習得の3つが重要だと考えています。 まず執務環境については、他の法律事務所とは異なり、1年目でも各弁護士に半個室(ブース)が与えられます。後で説明するメンター(相談役)の弁護士の隣の半個室で、独立した環境があり、またプライベートな相談もしやすい雰囲気だと思います。 2年目からはメンターから離れた部屋に半個室が与えられ、一定の年次のシニア・アソシエイトになれば扉付きの完全個室に移ります。多くの法律事務所では、パートナーになってからはじめて扉付きの個室が与えられるのと当事務所は異なり、独立した環境を確保することを重視しています。 ——育成環境について具体的に教えてください。 猿倉 まず入所後には1カ月弱のオリエンテーションを行い、その間もいわゆるOJTで実際の案件に入って弁護士としての仕事を開始することになります。メンター制度を設けており、公私ともに相談することができるパートナー弁護士等がメンター・サブメンターとしてそれぞれ決められ、いつでも相談できる体制を設けています。 当然、年次の近い先輩弁護士に相談することも多く、ふらっと他の弁護士のブースを訪れては業務やプライベートの話をしたりしています。 また、全てのアソシエイト弁護士の担当案件と稼働時間を、いつでもデータとして確認できるようになっているほか、毎週パートナー弁護士間でその状況を共有して、案件や稼働時間の調整を行っています。ほかにも、各弁護士が興味を持っている分野や業務を共有し、適当な案件が来た際には担当してもらうように調整もしています。 —-これから経験を積もうと考える弁護士にとっては手厚いサポート環境が整っているように感じます。 猿倉 若手の弁護士にはぜひ専門性を磨いてほしいと考えています。一通りの業務ができるということも重要ですが、年次を重ねていくうえで弁護士としての専門性をどのように磨いていくのか、どのように専門分野を選択していくのかについて悩んでいる弁護士は多いかと思います。 企業法務における業務分野は専門家・細分化していますが、先ほどご説明したように、当事務所では各分野ごとのセクション制は採用していません。そのため、はじめから専門分野が決まるというわけではありません。はじめはいろいろな案件に携わることになりますし、いろいろな弁護士と一緒に仕事をすることになります。 その過程で少しずつ自分の軸が定まり、入所から4~5年後くらいになると、だいたい2~3本くらいの大きな軸ができ上がります。さまざまな案件・経験を通して理想のキャリアを歩んでほしいと考えています。 —-国際案件についても積極的な印象です。 猿倉 当事務所ではグローバルネットワークを活かした国際的な案件も数多く手がけており、海外のロースクールなどに留学することを推奨しています。そのような経験を通じて、多様な経験を積むことで自らのキャリアに役立てほしいと考えています。また、官庁等へ何年間か出向するという選択肢もあり、実際に出向している弁護士は数多くいます。 ただどちらも強制しているわけではありませんので、海外留学と出向のどちらも経験している弁護士もいれば、どちらも経験していない弁護士もいます。 ——法律事務所でも働き方を改善しようとする動きはあります。牛島総合法律事務所ではいかがですか? 猿倉 たとえば、当事務所では、お子様を出産されるために産休を取得し出産後に復帰して時短勤務で活躍している弁護士も大勢います。多様性の観点からも、弁護士一人ひとりが働きやすい事務所にしたいと思っています。 また、今後所属する弁護士やスタッフの数もさらに増えていくことになると思いますが、そうであっても、理念を共有できるメンバーで独立した弁護士一人一人が一体感をもって案件に取り組む事務所でありたいと考えています。 一般的な企業法務の法律事務所のイメージとは異なるフラットで合理的な組織 ——殿井先生は2021年入所だと伺いました。入所までの経緯を教えてください。 殿井 父が検察官で、もともとは検事志望でした。実際に検察修習をし、検事もとても魅力的な仕事だと感じましたが、結局、色々なことを考え、弁護士志望に転じました。 最初に入所した法律事務所では主に証券発行やM&Aを担当しました。企業の経済活動に関わるのが面白く、企業法務に力を入れるようになりました。その後、IT企業で契約書の審査や内部監査などに携わり、2021年に牛島総合法律事務所へ移籍しました。 ——なぜ牛島総合法律事務所を選んだのですか? 殿井 設立者が現役の国内の大手渉外事務所はワンマンのイメージがあるかもしれませんが、採用面接で話したパートナー弁護士はとてもフラットで、漠然と思っていたイメージとは全然違うなと感じました。 ——実際に入所してみて、いかがでしたか? 殿井 入所前とのギャップはほとんどありませんでした。先ほど発言の合理性を評価してくれるとお話しましたが、そもそも、内部での会議の場では、発言すること自体を歓迎する空気があると感じます。 また、先輩アソシエイトやパートナーの先生とも、普段から公私ともに話をすることがありますので、そういった関係性からも、発言がしやすい雰囲気が醸成されているのかなと感じます。 ——入所後はどのような案件を担当しているのですか? 殿井 入所以来、会社紛争や個人情報保護関連の案件、その他企業法務を継続的に担当しています。以前IT企業に所属する中で、ビジネス上の要請と法規制との折り合いをつけることの難しさを実感する機会も多々あり、例えば、個人情報保護法の下で、個人情報とビジネスをどう結び付けるか考える機会も多かったので、その経験も活かしながら案件に携わっています。 ——今後の目標を教えてください。 殿井 これまで、「その時やりたいこと」をやってきました。今は、当事務所で向き合えた個人情報案件や会社紛争に大きなやりがいを感じています。この分野を突き詰めたい考えもありますが、いずれも専門とする弁護士は当事務所にも多いので、方向性を模索しているところです。 猿倉先生が話していたように、当事務所で弁護士としての専門性を磨いていきたいと思っています。 弁護士ドットコムキャリアのエージェントサービス登録(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録する
新卒で入所した特許事務所で「知財コンサル」を手掛ける 知財に興味を抱いたのは大学の授業を受けてからです。講義で「知財は技術と法律を両方扱う仕事だ」と言われ、面白そうだと感じたのを覚えています。就職活動でも特許事務所が最初に内定をいただき、縁を感じて入所しました。 2005年に私が入所した特許事務所は、当時としてはかなり珍しく企業への知財コンサルティングを行っていました。私も特許出願に関するアドバイス、新商品が他社製品の特許を侵害していないか調査する侵害予防のみならず、競合他社の分析、クライアントの強みのアドバイスといった業務を手掛け、仕事の6割は知財コンサルでした。 企業の依頼を受けて特許の出願書類を用意するだけではなく、直接企業に入り込んで知財をどう活かすか考えるコンサル業務はとても面白く、入所した特許事務所が先進的な取り組みをしてくれていたおかげで「知財分野をもっと極めたい」と思うようになり、キャリアの方向性も定まりました。 知財を通した事業貢献を目指し、自動車関連メーカーへ転職 知財コンサルを10年経験し、次第に「知財を通してもっと事業に貢献したい」という想いが強くなっていきました。そこで企業への転職を考え、2016年に自動車用の各種スイッチやシートベルトなどの車載製品をつくる自動車関連メーカーに入社します。役割や環境の違いもあり、特許事務所から企業への転職は歓迎されない風潮がありましたが、特許事務所では自動車部品や事務機器のメーカーを担当していたため車載製品の知見を得ていたことが幸いしました。 この転職では、メーカー勤務になったことで技術者と対話する機会が格段に増えました。知財担当者として技術者と向き合い、技術と法律の観点から考えを整理してあげる。すると、対話の中で技術者に開発のヒントを与えることができるのだと気付きました。「こんなモノを作ったら新しい特許が取れる」と言うのではなく、話しを聞きながらその考えを整理すると技術者が新たな閃きを得る、というわけです。このやり取りは技術者にとても喜んでもらえ、私自身もメーカーにおける知財の仕事に大きなやりがいを実感できました。 入社から数年後にはグループマネージャーとして部下5~6名をマネジメントするポジションになり、他部門から異動してきた知財未経験者を指導する役割も担いました。イチから教えるのはなかなか骨が折れる仕事ではあったものの、人材育成の楽しさも経験できました。 しかし、知財以外の部署へ異動する話が持ち上がり、異動先では知財に関わる機会がないこともわかり、再度転職を決意します。 希望条件を明確にし、志望動機も重視して成功した、40代・2度目の転職 前回の転職活動で苦労した経験から、今回はスカウトサイトに登録して声を掛けてくれる企業があるか確かめてみました。そこで返信をいただいたのが、弁護士ドットコムキャリアのコンサルタントの船木さんです。 私は希望条件として、①知財業務を担当できること、②ある程度の裁量をもって働けることの2点を軸にしたい旨を伝え、この条件に合致するのはベンチャー企業で新しく知財部門を立ち上げるために経験者を募集する会社だろうと想定していました。ただ、そのようなベンチャー企業は本社を東京に構えていることが多いという船木さんのアドバイスを受け、転居せずに働けるよう③フルリモート勤務も条件に加え、転職先を探してもらいました。 タイミング良く複数の会社の求人募集があり面接を受けましたが、最初に面接した企業からは採用見送りの通知が来てしまいます。新卒の就職活動と違い、40代の転職では志望動機よりも「入社して何ができるか」というスキルのアピールが重要だと勝手に思い込んでいました。しかし、船木さんから「何歳の転職でも志望動機は変わらず重要です。経験やスキルのアピールだけではなく、なぜこの会社に入社したいのか、という志望動機をもう少し具体的に考えてみましょう」と言われ、そういうものだろうかと半信半疑ながら「この会社だからできること、やってみたいこと」を考えて面接に臨むようにしました。するとすぐに成果が出て、IT関係の会社から内定をもらえたのです。 いま振り返ると、40代の転職では確かに経験やスキルが重視されるのでしょうが、それだけをアピールしても企業側は「本当にこの人に任せて良いのか」という確信が持てないのかもしれません。特に、知財は会社の資産を扱う部署です。「こんなことに取り組みたい」と熱心に語る就活生を見て、上司や先輩が「この学生なら一緒に働けそうだ」と思うのと同じように、40代であってもしっかり志望動機を語ることで「この人なら知財を任せられる」と信じてもらえる。2度目の転職が成功したのは、船木さんのアドバイスがあったからです。本当に感謝しています。 フルリモート勤務で知財の立ち上げに着手。希望が叶い、毎日が充実 2023年3月に現在の会社に入社し、3カ月が過ぎました。現在の会社は独自のITプロダクトを開発・提供しており、私も新しい知財の仕組みづくりを着々と進めています。ずっとチャレンジしたかった知財の立ち上げに携わり、しかもフルリモート勤務の希望も叶い、いまは毎日が充実しています。今後は前職のように技術部門の役に立ち、知財も事業に貢献できることを示していきたいです。 私と同じように知財に関わっている方は転職したくてもなかなか公募がなく、転職を考えながらもいまの会社にズルズルと居続けている、というケースも多いかもしれません。でも、いまの会社で悩むくらいならチャレンジするべきでしょう。そして、チャレンジするために「自分の売りになるモノ」を会社に頼らず自分で作っておくべきだと思います。 強みをもっていれば、その強みを欲しいと思う企業が現れます。常日頃からキャリアの棚卸を行い、自分の強みや特徴を正確に理解しておけばキャリアプランを考えるベースになりますし、希望の企業と出会えるチャンスも増えるのではないでしょうか。 弁護士ドットコムキャリアのエージェントサービス登録(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録する
誰も知らない「法務室」が、社内の信頼を勝ち取る ——三菱鉛筆(株)では2007年に法務室が立ち上がったそうですね。齋藤さんはどのような経緯で携わることになったのでしょうか。 齋藤 法務部門が立ち上がる前は1名の社員が対応していました。これは業界特性によるところもあると思いますが、筆記具は一度ヒットすると20~30年にわたって展開されるものも多いです。例えば、あざやかな発色が特徴のPOSCA(ポスカ)は今年で発売40周年を迎えました。 また、業界の変化も他業界に比べると比較的緩やかで、少なくともこれまでは事業活動における影響が大きいとされるリスクは限定的だったように思います。 しかし、筆記具市場に限られず社会的環境の変化の波をとらえ、取引関係やコーポレートガバナンスを管理するために人事担当の役員が法務の重要性を説き、法務室が立ち上がりました。これが2007年のことです。私は法務室ができた1~2カ月後に中途入社し、以来ずっと法務室を見ています。 ——齋藤さん自身は法務の経験はあったのですか? 齋藤 前職のアミューズメント業界で8年ほど法務を担当していました。経営層からも信頼を寄せられていましたが、当社では誰も知らないような有様だったので最初の数年間は忸怩たる思いを抱えていましたね。 ——寺杣さんが法務室の配属となったのはいつ頃ですか? 寺杣 私は2013年に営業部門から法務室へ異動しました。すでに法務室が立ち上がって数年経っていましたが、それでも「法務って何をするの?」「そもそも何階にいるの?」と言われたほどです。 ——法務の仕事内容はおろか、チームの場所も認識されていなかったんですね。同じような状況に悩んでいる法務担当者は多いと思いますが、三菱鉛筆の法務室はどのようにその状況を変えていったのでしょうか。 寺杣 社員全員がお客様と考え、法務のことを知ってもらい、また法務にできることを知ってもらうよう心掛けました。事業部門で困り事があればこちらからヒアリングに出向き、スピーディーなレスポンスを常に心掛けていました。そうした動きが少しずつ周囲から認められ、法務室の認知度が上がっていきました。 齋藤 現在、法務室には弁護士資格を有しているメンバーはいません。資格がないのなら、顧問弁護士とは違う価値を提供しなければならないと考えています。それが事業への理解とスピード感です。同じ会社で働いているからこそ事業を理解した上でヒアリングできます。 また、営業担当者などは「このビジネスはこのまま進めても大丈夫かどうか」という良し悪しの判断だけを求めていることも多いです。そんな時は、時間をかけて詳細に調べるよりスピーディーに返答した方がよほど喜ばれます。 相手のニーズを汲み取った対応を繰り返していれば、次第に「また法務に相談しよう」と思ってもらえるようになる、というわけです。 経営と伴走することで一歩先をいく仕事 ——法務室の業務比重を教えてください。 寺杣 5~6割が契約や法律相談に関連する業務で、2割程度が株主総会やコーポ―レート関連、1割程度で法務の認知度向上や法律リテラシーの強化を目指した社内勉強会といったその他の業務、それ以外に、「将来につながること」をやるために「余白の時間」を普段から捻出するようにしています。 ——敢えて余白の時間をつくり、将来のためになることを実行している、というわけですね。 齋藤 法務室が立ち上がった頃は、まだ法務について誰も知らなかったと話しましたが、製品寿命が長いと事業スピードも緩やかになります。さらにお客様との付き合いも長いと、「ビジネスにはさまざまなリスクがつきまとうもの」という意識が次第に薄れてしまうのです。実際、当社の社員もかつてはビジネス上のリスクに鈍感でした。 そこで意識的に自由度の高い余白の時間を設け、メンバー各自が自分で考えて、5年後、10年後を見据えた取り組みをするように促しています。 ——三菱鉛筆の法務室で働く魅力は何でしょうか。 寺杣 当社は単体で社員566名、連結でも2,708名の決して大きくはない組織です。どの部署にどんな人がいるかもおおよそわかっています。誰かが困っていれば自分で話を聞きに行って解決できることが魅力ですね。メンバー間の距離も近いので、中期経営計画が発表されれば法務として何を強化していくべきかみんなでディスカッションもします。 齋藤 法務は自分で仕事をとってくるポジションです。ただ、会社が向かっている方向を理解していないとどの仕事も自分事にできず、どう動けば良いのか分からなくなります。仕事を自分事として捉え、積極的に動くために会社のやりたいことを把握する、そこで大切となるのが経営層との距離感です。 当社はトップが同じ目線で語ってくれるため、法務が経営に伴走できます。私も取締役会の内容を法務室のメンバーに伝え、会社の方向性や将来像を共有しています。経営に伴走でき、自由度も高い環境だからこそ法務スキルも向上し、一人ひとりが自分の強みをつくれるのだと思います。 自分の正しいと思っていることを貫き通す ——法務室の今後の目標があれば教えてください。 齋藤 経営陣や各事業部から「法務に関わってほしい」と思われること、それが法務の価値です。そのためにもっと法務室の人数を増やし、これまで以上に事業部にコミットしたいと考えています。 キャリア面でも法務を経験した人材が各事業部で管理職を目指したり、法務室から海外など他拠点へ行って多様な経験を積むのも良いでしょう。法務の知見を会社のさまざまな場所で活かせるようにしたいですね。 ——法務室を拡大していく上で、どのような人材に加わってほしいですか? 齋藤 やはりスピーディーに動ける人、即応できる人です。それと、これは法務室のメンバーにも伝えていることですが、1~2カ月に1度でもいいから自分がまだやっていないことにチャレンジしてほしいと思っています。 法務に営業ノルマはありません。そして、同じことをやり続けるのはとても楽です。その楽な状況をつくらないよう、新しいことにチャレンジし続けられる人に加わってほしいですね。 寺杣 いろいろなことに関心をもち、その上で「こうしたい」という意思をもって実行できる人と一緒に働きたいですね。会社の将来のためにみんなに呼び掛け、周りの協力を得ながら、前向きに取り組んでくれる人なら嬉しいです。 齋藤 知識はあとからでも覚えられます。知識よりも、自分が正しいと思っていることを貫き通すメンタルの方が重要です。法務室では常に人材を募集しているので、三菱鉛筆の法務に興味が湧いた方とはぜひ一度お会いしたいですね。 弁護士ドットコムキャリアのエージェントサービス登録(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録する
若いうちから裁量ある環境を求めてベンチャー企業に就職。新卒入社1年目に法務部門の立ち上げを経験 大学時代の就職活動では、①若いうちから裁量をもって働ける、②これから組織整備を図るベンチャー企業、という2点を重視していました。その結果、社員100名程度の化粧品メーカーへ就職。大学は社会学部で特に法務の仕事に興味があったわけでもなく、人事担当者として配属することになりました。 しかし、私が入社して間もなく他の企業と係争がはじまり、社内で法務部門を立ち上げることに。とはいえ法務部門がなかったため法務経験者は一人もおらず、なぜか入社したばかりの私に白羽の矢が立ち、イチから法務部門を形づくることになったのです。法務の知識はありませんでしたが、「裁量のある仕事をしたい」という希望は早くも叶い、周囲の反応を見ながら試行錯誤して法務部門を立ち上げます。 その後は一人法務となり、会社からの期待値がわからなかったため「こんなことをやれば良いのではないか」と自主的に提案していました。また、法務以外にも人事や総務など管理部門の仕事を幅広く担当させてもらい、いろいろなことにチャレンジする機会を得ていました。 ただ、ここ数年は多くの仕事が同じことの繰り返しになり、頭打ちを感じるようになっていました。一人法務で事足りる状況だったので多様な案件に携わりながら法務スキルを磨くことも難しく、スキルアップできる場所を求めて2023年2月に転職活動をスタートしました。 一人法務は他社のことがわからない。不安を解消するため法務に精通した転職エージェントと転職活動に挑む 一人法務の難しいところは、他社が具体的にどのような法務業務を行っているのかまったくわからないことです。転職の際に企業からどのようなことを求められるのか、その求めに私の経験が活かせるのか把握するために転職エージェントから法務の専門的な話を聞きたいと思い、弁護士ドットコムキャリアに登録します。 私の担当になってくれたコンサルタントの水本さんは「私の市場価値」や「これまでの経験を活かしてどのような企業に転職できそうか」を教えてくれ、期待通りの話を伺えたおかげことで改めて法務として転職しようと決意できました。 転職先に求めていたのは、さまざまな法務業務に携われることです。契約書関連業務だけではなくIPO準備やM&Aなども経験でき、スキルアップにつながる会社で働きたいと思っていました。それには法務部門が経営に近い立場にいなければならない。求人票では「業務内容」をしっかり確認し、面接では「社内における法務の立場」を聞くことに努めました。 最初に受け取った求人票から理想の企業が見つかり、内定も勝ち取る コンサルタントの水本さんはいきなり20社近い求人票を見せてくれ、この中に希望する企業があるか確認してほしいと言われました。希望する会社がなければ改めて優先順位を決め、条件に合致する企業を紹介してもらう、という流れだと思います。しかし、私の場合は最初の20社の中にいきなり入社したいと強く思える企業が見つかりました。 大学発のAI企業で、複数の研究室と協力して企業の利益貢献にコミットするAIサービスを提供している企業でした。事業領域が興味深く、社内には優秀な人材も多い。求人票を見ただけで強く惹かれ、さらに面接では今後M&Aを積極的に展開する予定だと聞くことができました。業務内容も希望通りだったため、いまの自分にとって理想の企業に出会えたと感じました。 2カ月間に及んだ転職活動では最終的にその会社を含め3社から内定をもらうことに成功。そして、求人票の確認と面接を経てどんどん入社したいという想いが募っていったその会社への転職を決めました。入社は7月の予定で、経営企画&法務ユニットに所属します。今後は改めて法務スキルを磨き、事業や経営にもしっかりコミットできる法務になりたいです。 キャリアの方向性に合うものは日頃からインプット。その心掛けと自分らしさが転職を成功させる秘訣 今回、初めて転職活動を行いましたが、その中で感じたのは「自分のやりたい仕事やキャリアの方向性に合致することは日頃からインプットしておくことが大切だ」ということです。 私は以前から事業や経営に近い立場で働きたいと思い、前職では生産管理や経理・財務など法務以外の業務についても幅広くインプットするよう心掛けていました。今回の企業は「事業にまで入り込んでアドバイスできる法務」「顧客とも交渉できる法務」を探していたようで、面接ではその点を高く評価してもらえました。 転職活動は付け焼刃ではなかなかうまくいきません。だからこそ普段からの心掛けが大切になり、その姿勢を評価してくれる企業とも出会えるのだと思います。 面白かったのは、同じ法務の仕事でも企業によって求める人物像が異なる、ということです。今回の企業以外に内定をくれた2社からいただいたフィードバックでは、それぞれ「人材育成の考え方」と「客観的な視点」が評価されていました。培ってきたキャリアや経験、自身の考え方など、面接では大体同じようなことを繰り返し話すことになりますが、企業によって求める人物像が異なるため評価ポイントも違うのです。 弁護士ドットコムキャリアに限らず転職エージェントのコンサルタントはより多くの企業と会うことを勧めてきますが、あとから振り返るとコンサルタントは企業ごとに求める人物像と評価ポイントが違うことを知っているからこそ、多くの企業から話を聞くよう促すのだと思います。 また、内定がもらえなかった企業からは「法務の専門性が足りない」という評価を受けました。新卒入社直後から法務部門の立ち上げを主導したものの、ずっと一人法務だったため法務に精通した先輩から直接指導された経験はありません。同時に、前職での私の法務業務は一人でも事足りるものだったとも言えます。そのため、法務としての専門性が足りないと言われれば仕方ありません。 ただ、契約書関連業務だけをやりたいとは思っていなかったので、自分の経験を正直に話したことでミスマッチが起こらなかったとも感じています。これは新卒の面接と同じかもしれませんが、やはり自分らしく話すことは大切です。 これから転職する方も、より多くの企業と自分らしく話すことで理想の企業と出会える可能性が高まるのではないでしょうか。 弁護士ドットコムキャリアのエージェントサービス登録(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録する
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