

ご自身のキャリアを主体的にお考えの皆様に対して、
全力でご支援させて頂きます
弁護士ドットコムキャリアがこれまでご支援してきた転職事例をご紹介します。国内大手法律事務所(弁護士事務所)の事例から、企業内弁護士(インハウスロイヤー)への転職事例まで幅広くご紹介していきます。ご自身の今後の転職活動の参考に、ぜひご覧ください。
より予防法務的な視点を持って世の中に貢献したいと考えるように ——これまでのキャリアについて教えてください。 ファーストキャリアでは、中規模の法律事務所にアソシエイト弁護士として約3年間従事しました。新卒時はあまり就職活動に力を入れておらず、知り合いが所属する法律事務所を受けて採用された形です。事務所は一般民事事件を中心に扱っていましたが、クライアントは中小企業の株主や経営者も多く、紛争系を中心に、会社法関係、M&A、事業承継、少数株主対策など企業法務の案件にも幅広く対応していました。当時は特に具体的な将来像を描いていたわけではなかったので、日々依頼される仕事をひたすら覚えていくような感覚で目の前の案件に取り組んでいました。 ——そのなかで何か転職を考えるきっかけになった出来事があったのでしょうか。 夜遅くまで多くの案件をこなしていくなかで、よりマクロな視点で世の中に価値提供をしていきたいという思いを持つようになりました。事務所での仕事は、交通事故にせよ、企業間紛争にせよ、何かが起こってから相談を受けるケースのほうが多く、少し物足りなさを感じていました。もちろんクライアントは困りごとを解決するために事務所に依頼しているので、その方の人生にとっては良い影響を与えられているとは思います。しかし、世の中全体が良くなっているような感覚は得られず、より予防法務的な視点を持った仕事に時間を割くことができないかと考えるようになるなかでインハウスとしての働き方に興味をもち、転職活動を始めました。 コンサルタントのアドバイスをきっかけに大きく方針転換 ——どのような軸を持って転職活動をされていましたか。 当初は、居住地の関西でワークライフバランスを保って働けるような企業を想定し、採用面接を受けていました。ただ、弁護士ドットコムキャリアのコンサルタントの方にお会いした際、大きく軌道修正されたんです。他のエージェントから紹介された求人はほとんどが関西に拠点のある小規模な会社でしたが、弁護士ドットコムキャリアには、東京の大手企業を提示していただきました。これは一番はじめの面談で、ビジネスパーソンとしての成長意欲を見抜いていただいたためです。他のエージェントは事務的な対応で、あまり有益なアドバイスをいただけなかったこともあり、そこから弁護士ドットコムキャリアの提案に絞って転職活動を進めていきました。 ——そのほかに弁護士ドットコムキャリアの良かった点はありますか。 コンサルタントの方にしっかりと話を聞いていただけたことが大きいです。そのうえで、私にとっては「ビックチャレンジ」ともいえる選択肢を用意してくださいました。自分の想像を超える提案をしていただけたのは、非常にありがたかったですね。 ——弁護士会や知り合い経由で転職活動を行うことに対し、エージェントを使うメリットはどこにあるとお考えでしょうか。 コンサルタントの方によるところが大きいと思いますが、自分の話を親身に聞いてもらえるエージェントで、自分もエージェントの方の話をきちんと聞いて受け止められる覚悟があるのであれば、絶対にエージェントを利用したほうが良いと思いますね。特に私の場合は、自分だけでは考えつかなかった道の可能性を見出していただきました。選択肢を広く検討するという意味でも、エージェントのメリットは大きいです。迷っている人ほどエージェントを活用すべきだと考えています。 転職後2年半でマネージャー職へ ——現在のお仕事について教えてください。 大手プラットフォーム企業で、主にECサイト関連の業務を行っています。大型出店企業との個別交渉から、契約書作成、法律相談、サイトのUIや仕組みなどの改変対応まで、プレイヤーとして幅広い領域を担当しつつ、1年ほど前からチームリーダーとしての仕事も任されるようになりました。その他にも新規事業のローンチサポート、組織運営の効率化やナレッジマネジメントなどにも携わっています。 ——入社の決め手となった点はどこでしたか。 大手プラットフォーム企業ということでさまざまなビジネスを手掛けていたこと、また新規事業立ち上げの初期段階に関われる点が魅力でした。 ——もともとは居住地の関西で転職先を探されていましたが、東京への移住を決意されました。 関西の企業を中心に転職活動をしていたのは、家族もいるし、実家も近いし、知っている街で安心感があるし、といった守りの発想からです。ただ、コンサルタントの方に、ビジネスパーソンとして成長したいのであれば東京のほうが可能性が高いと強く勧めていただいたことで、チャレンジを決めました。 ——入社前のイメージと比較して実際の業務はいかがでしたか。 仕事に求められるクオリティの高さは想像以上でした。事業部メンバーの法務リテラシーも高く、深く突っ込んだ質問をされることもあるので、納得していただけるようこちらも真摯に対応していく必要があります。ただ、プレイヤーとしての仕事をしっかりと遂行していれば評価してもらえるカルチャーがあるので、やりがいはありますね。会社としてマネージャー候補の育成を強化しているタイミングだったこともありますが、プレイヤーとしての仕事が認められたからこそ、早いタイミングでマネージャー職に昇進できたと考えています。 ——実際にマネジメントの仕事に携わるなかで、プレイヤーとしての仕事と比べて違いを感じられていることはありますか。 正直なところ、まだ自信を持ってできていないことも多く、はっきりと言えることはありませんが、着実に成長している感覚はあります。これまでとは違う至らなさを感じるようになったので、以前課題に思っていたようなことはできるようになってきているのだと思います。マネジメントに携わりだしてからは、より丁寧に人の話を聞くようになりましたし、なるべく齟齬が生まれないコミュニケーションを心がけるようになりました。マネージャーとしての覚悟のようなものができてきたのかもしれません。 ——改めて振り返ってみて、転職してよかったと思いますか? はい、心からそう思います。転職前と比べて、仕事で関わる人たちの数や種類が圧倒的に多く、見えている世界が全然違います。いろんな部署の人がいて、いろんな考えを持つ人のなかで事業に貢献していくという感覚はインハウスならではだと思っています。出身地の法律事務所で家族のためにワークライフバランスを重視して仕事をするという選択肢も将来的にはもしかすると生まれてくるかもしれませんが、今はまったく考えていません。 とにかく今の会社は、組織全体にものすごいエネルギーがあります。それを法務として支えていくことのプレッシャーはありますが、そのぶん社員一丸となって事業を良くしていくために働けています。 「一般民事からインハウス」は不可逆な転身でない ——インハウスと一般民事の事務所をご経験されて、それぞれどのような人が向いているとお考えでしょうか。 そこで成長して認められるような能力やスキルがある人は、どちらでもやっていけるのではないでしょうか。環境やライフステージの変化で転職せざるを得なくなったケースや、上司との相性が悪かったケースなどを抜けば、そこまで大きく変わらないように思います。人間関係や職場環境に苦しんで転職を考えているのであれば、事務所の移籍で解決することもあるので、必ずしもインハウスに転向すべきとはいえないと考えています。もちろん個人の性格や適正によるところもあるかもしれませんが、法律事務所からインハウスへの転向もその逆も、後戻りできないような大きなキャリアチェンジであるとは捉えていません。 ——最後に、今後の働き方についてビジョンをお聞かせいただけますか。 自分の子どものことも考慮して、30代のうちに海外へ移住できたらと考えています。今の会社の海外拠点なのか、他の会社なのかはまだわからないですが、それに向けた努力をしていくつもりです。実際には忙しくてなかなか時間が取れていませんが、海外で自分がどのような価値を発揮できるかについてはしっかり考えていく必要があると思っています。弁護士ドットコムキャリアのコンサルタントの方には「もっと上を目指していきましょう」と言われています。その影響を受けて、現状に満足できなくなってしまっているんですよね。英語力を向上させたり、現在担当している業務のクオリティを上げたりと、まずは目の前のことに丁寧かつ着実に取り組んでいこうと思っています。 弁護士ドットコムキャリアのエージェントサービス登録(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録する
女性弁護士のロールモデルが少ないなか、育児と仕事の両立に挑む ——まずは、これまでのキャリアについて伺っていければと思います。 大学は法学部だったので、周りの影響もあって司法試験に挑戦。大学を卒業して3年目くらいに合格しました。公務員という選択肢も考えたのですが、転勤のない法律事務所の弁護士として働くことを選びました。 また、ちょうど弁護士になるタイミングで、同期の修習生だった夫と結婚。それぞれ違う事務所に勤務弁護士として入所し、キャリアのスタートを切りました。当時はまだ女性弁護士が少なく、選択肢が限られていましたが、弁護士が4-5人所属していて、女性弁護士も活躍している事務所に採用されました。 結婚した年に上の子を出産しましたが、先輩の女性弁護士も小さいお子さんをお持ちでしたし、ボスの理解もあったので、そのまま働き続けました。ただ、入所数年後に二人目の妊娠がわかった段階で、ボスや後輩に負担をかけないよう退職を決めました。ちょうどそのとき、夫が勤務していた事務所の若手が集まって新しい事務所を立ち上げるという話があったので、籍はその事務所に置いて、家庭を優先しながら自分のペースで仕事を続けることにしました。 ——出産・育児を経験しながらも、引退せずに弁護士業を継続されたんですね。 結婚して子供のいる家庭を築きたいと思う一方、仕事もしたいという気持ちはずっと持っていましたし、いったん仕事を辞めてしまうと人に会うのも怖くなるという話を先輩から聞いていたので、感覚を忘れない程度には続けていこうと考えていました。 最初に入った事務所の先輩女性弁護士も、二人のお子さんを育てながら働いていらっしゃったので、やろうと思えばできるという気持ちもありました。実家が近かったことで親のサポートがあったのも大きいです。夫も同じ職業なので仕事への理解があり、子どもを裁判所に連れて行ったこともあります。私が証人尋問しているあいだ、夫は控室で子どもを見ていたり……。当時は大変でしたが、今振り返ると良い思い出ですね。 ——当時は子供の有無に関わらず、女性の弁護士として働く難しさもあったように思います。 そうですね。当時、女性弁護士はやはりまだ数が少なかったので、「先生だって(女性だけど)資格を持っていらっしゃるわけですからね」なんて言葉を投げかけられることもありました。面談の際に「あ、女だ」という顔をする方もいらっしゃったり……。ただ最近は、どの業界でも女性が活躍するようになり、ほとんどそういうことはありません。 とはいえ、弁護士が1-2人で経営している事務所はやはり零細企業なので、出産や育児で休まれてしまうと運営が大変になってしまうことも事実です。そういう意味では、女性は大きい事務所のほうが比較的働きやすいかもしれませんね。 ——その後、独立されてご夫婦で事務所を運営されていたと聞いています。 下の子が産まれて子育ても一段落したころ、私を引き連れて夫が独立。二人で新しい事務所を作ることにしました。ただ、今から数年前に夫が体調を崩し通院をしなければならなくなりました。そこで夫はマイペースで仕事を続けることにして、私自身は将来のことも考えて他事務所に移籍することにしました。私は数年前に全国展開している民事系の事務所に入りました。 人の話を聞いてストーリーを見出すことに興味を持てるかどうか ——これまで取り扱ってきた分野について教えてください。 いわゆる一般民事を幅広く担当してきました。特に最初の事務所は、依頼されたものはなんでもやるという方針だったので、一般の個人債務整理や中小企業同士のトラブルまで、さまざまな案件に取り組んでいました。 ——最近では企業法務に絞って転職活動をされる方も多いですが、一般民事の醍醐味や向き合い方についてどのように考えられていますか。 私が弁護士になった当時は、企業法務という領域は今ほどクローズアップされていませんでした。弁護士たちも、おそらく何でもやる覚悟を持っていたように思います。私としては、トラブルを解決できたときは本当に嬉しいですし、相手が喜んでくれるという醍醐味を感じています。ただ、同じことを説明しても理解してくださらない方は一定数いらっしゃいますし、そこに苦手意識を感じてしまう気持ちもわかります。 人の話を聞いて、ストーリーを見出すことに純粋な興味を感じる人のほうが一般民事に向いているかもしれませんね。人様の人生を垣間見ることができるのは興味深いですし、自分のためにもなります。口に出さなくても「へー、そんなことがあるんだ」と思えると、普段の仕事の大変さが相殺されるかもしれません。 ——前職の事務所でのご経験について伺えますか。これまでとは少し異なる環境だったと思いますが、新しく得た知識などはあったのでしょうか。 前職の事務所では、普通の事務所ではあまりやらないような案件や、これまで自分が経験してこなかった分野なども扱っていたので、毎日が勉強でした。書籍も読みましたし、私よりもずっと若い先輩弁護士に質問することも多かったです。カルチャーもこれまで経験した事務所とは大きく違っており、新鮮でしたね。 求人サイトを見ているだけではわからないリアルな部分を知れるのがエージェントの良さ ——転職を考えるようになったきっかけについて教えてください。 弁護士も事務員の方も良い人たちばかりで、同僚には恵まれていたように思います。ただ、組織の方向性については自分の考えと合わず、疑問に感じることも多かったです。査定にもあまり納得できず、またそれを指摘できないような空気もあり、環境を変える必要があると感じるようになりました。弁護士の求人サイトを見たり、公務員に転職することも検討したりしていたなか、弁護士ドットコムキャリアをたまたま知り、相談してみることにしました。 ——エージェントを利用することに対する不安はありませんでしたか? まったくないわけではありませんでしたが、弁護士ドットコムはいろんなサービスを手掛けていて、名前もよく知っていたので、親近感や信頼感がありました。求人サイトの情報だけを見ていても、実際にはどのような人材が求められているのか、その事務所の本音やリアルな部分がわからないことにも課題を感じていました。 弁護士ドットコムキャリアのコンサルタントの方からは、最初に複数の候補を提案いただき、そのうち数件に対して応募してみました。もちろん募集要項は自分でも確認しますが、その事務所が実際にどのような人材を採りたいと考えているかというところまで教えていただき、大変ありがたかったです。 ——面接にあたって、具体的に準備したことが何かあれば教えてください。 コンサルタントの方から模擬面談を提案していただいたので、Webで受講し、アドバイスもいただきました。年齢を考えると「新しいことでも何でも勉強します」とアピールするよりは、後輩に教える立場であることを意識したほうが良いという指摘を受けましたが、振り返ってみると本当に適切なアドバイスだったように思います。 自分が思っているよりも、実際にはなんとかなる ——新しい事務所ではこれからどのようなことに取り組まれる予定でしょうか。 アソシエイトの枠での応募でしたが、プラクティスグループの立ち上げや、一般民事のなかでも複雑な案件を担当することになっています。事務所の形式や環境は前職とは大きく変わらないので、そこに対する不安はあまりありません。むしろ、従来ずっと取り組んでいて、前職では扱っていなかったような案件にもまた携われるようになるので、長年の経験が活かせるように思います。 ——最後に、人生の岐路に立って悩んでいる若手弁護士の皆様へメッセージがあればお願いします。 自分が何にいちばん価値を置いているか、ということが重要ではないでしょうか。どうしても家庭を一番にしていきたいということであれば、それはそれで良いと思います。ただ、自分が思っているよりも、実際にはなんとかなる、ということは頭の隅に置いておいてほしいですね。あがいても良いし、かっこよくなくても良いので、自分のやりたいことをどんどんやってみることが大切です。人の力も借りながら、果敢に取り組んでいただきたいと思います。そのほうが、後で振り返ったときに悔いがないですし、思わぬ実りもあります。 特にお子さんをお持ちの場合は大変なことも多いですが、子どもはいつか育つものですし、親が頑張っている姿を見せていれば、いざこざがあったとしても、絶対に良い子になります。うちの子どもたちも、理解のある人間に育ちました。あまり心配しすぎず、若い力を大いに発揮して頑張っていただけたらと思っています。 弁護士ドットコムキャリアのエージェントサービス登録(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録する
幅広くさまざまな業務を経験したいという思いから中規模事務所へ ——これまでのご経歴について教えてください。 大学時代は、関西の大学の法学部で学びました。入学時はそこまで強く意識していたわけではありませんが、勉強を進めていくうちに法律のおもしろさを感じるようになり、このまま仕事にしていきたいと司法試験受験を考え始めました。周りの先輩などを見ていても、同様の進路に進む人が多い環境でしたね。 大学3年のはじめには予備校の講座を使って試験対策の勉強を開始し、ロースクールを受験。東京の大学のロースクールに入ることにしました。漠然とではありますが、当時から企業法務をやりたいと思っていたので、東京のほうが適した環境だと考えました。ロースクール1年目の途中で予備試験に合格したため、ロースクールを中退し、司法試験を受けて修習へ進むことにしました。 ただ、就職先は、なかなか決まらなかったですね。当時は、早い段階から専門化を図るのではなく、幅広くさまざまなことを経験してみたいという思いが強かったのですが、大手事務所の場合は、プラクティスチームや部門が分かれていたり、特定のパートナーとだけ仕事をしたりという形になってしまい、はじめから専門分野が絞られてしまうのではというイメージを持っていました。実際には、もっと幅広く仕事ができるのかもしれませんが、いずれにしても自分としては、得意分野を早く見つけるよりは、ひととおりいろんな業務を経験したいと考えていたので、中規模事務所を中心に受けていました。とはいえ、中規模事務所は採用枠が限られており、互いにフィーリングが合わないとなかなか採用に至らないということで、苦労しました。 修習が始まるまでにはなんとか就職先を決めたいという思いで、司法試験の合格発表後は、その成績表を資料に加えながら就職活動を継続しました。司法試験の成績が良かったので、そこも評価していただければ、と。修習地に関東圏を選んだのは、就職活動が終わらないことを想定し、東京の事務所を受けられる範囲にしようと考えたためです。しかし、秋頃に説明会を開催していた事務所と縁があり、修習の前に無事に内定を得ることができました。説明会に参加した流れで面接を受けてパートナーの代表に気に入っていただけたので、すぐに決まった形です。 ——企業法務の事務所を中心に就職活動をされていたとのことですが、企業法務のどこに魅力を感じられていますか? 一般民事に比べて企業法務のほうが、法律論に触れる機会が圧倒的に多いイメージを持っていたためです。企業法務は、紛争になっていない段階から、新たに立ち上げるビジネスが規制に反していないか、契約書やスキームにどのようなリスクがあるのか、法律を踏まえた理屈を立てながら、1つひとつ論拠を探して論理的に考えてチェックしていく流れになると思いますが、そうした営みが自分の性格や興味に合っていると感じました。あとは単純に、クライアントの新しい技術やサービスの話を聞いたり、それに合うように契約書や利用規約を作ったりといった、新しいことに対する知的好奇心を満たせる仕事が多い印象でした。 家事事件を扱わなければならなくなったことで転職を意識 ——事務所入所後の2年間の歩みについてお聞かせください。 事務所は20-30人規模で、日々継続的にいただくさまざまな依頼をすべて受け付けるというような、雑多な雰囲気の事務所でした。なので、私自身も、契約書のレビューから、利用規約の作成、組織再編、訴訟対応まで、来たものをいろいろとやらせていただくというような形で業務を行っていました。1年目はコロナ禍が直撃していたということもあり、アサインされていたM&A案件が本格的に始まる前に止まってしまうということもありました。 ——働き方についてはいかがでしたか。 1年目は、契約書レビューや法律相談、それに伴うリサーチといった、いわゆる一般企業法務が多かったですね。労働時間はそれなりに長かったですが、1年目で経験が浅く時間掛かっているというのもありましたし、私自身は長時間労働があまり苦ではないので、主観的にはそこまでしんどいと感じたことはありません。 ただ、1年目に担当した大きな訴訟事件には苦労しましたね。技術系の訴訟ということもあり難易度が高く、ヒアリングや資料集めのために出張を繰り返す時期が1年ほど続きました。その事件は法律論も大きな争点になっていたのですが、かなり細かい法律で国内の文献がほぼ見つからない状態。その分野の学者の方にお話を伺ったり、技術系の書籍を証拠として引用したり、海外の文献を引用したりと、リサーチにかなり時間を掛けました。とはいえ、やはり法律が好きだったのでおもしろくやっていました。 ——そうしたなか、転職を考えられるようになったきっかけは何だったのでしょうか。 2年目くらいから家事事件を振られるようになったのがきっかけでした。自分は性格上、家事事件に苦手意識を強く感じています。法曹を目指す動機としても、人の気持ちに寄り添いたいとか、困っている人の助けになりたいといった部分はあまり強くなく、将来的にも扱わないようにしようと考えていたんです。 事務所としては家事事件もできるようになってほしいという思いがあったのだと思いますが、自分のなかではそれが強いストレスになってしまっていました。面談などではその旨を上司に伝えていたのですが、私だけ特別扱いするわけにもいかないでしょうし、このまま事務所にいても状況は変わらないと考えました。 ——企業法務系の事務所で家事事件まで扱うことを新卒の就職活動のタイミングで想定するのは難しかったかもしれません。振り返ってみて、入所する前に気づくポイントはありましたか? 今になって思えば、他士業の先生からの紹介で事件を受ける先生だと、家事事件も紹介されがちなのかもしれません。あとは、転職活動の際にさまざまな事務所の採用条件を見ていたときに気づいたのですが、大抵の企業法務系の事務所は「企業法務系事務所の出身者以外は採用しない」という方針を明記しています。逆に企業法務系事務所なのに「一般民事出身者でもOKです」とある場合は、実際にそうした仕事が来るからなのかもしれないと思いました。なので、新卒就活の場合でも、中途採用でどのような人材を募集しているか確認すると、1つの判断基準になるかもしれないですね。あとは、今在籍しているアソシエイトの出身事務所などもチェックしてみると良いかもしれません。 面接時の逆質問では入所の意思を伝える ——転職活動はどのように進められていきましたか。 2年目の年末の賞与が自分の想定より低かったことで本格的に転職を考え始めました。ただ、当時はちょうど多忙期だったため、仕事がある程度落ち着いたタイミングで、転職に成功していた友人の紹介を受けて弁護士ドットコムキャリアに相談してみました。 ——エージェントを利用することへの不安はありませんでしたか? 転職自体が初めてで、エージェントは使ったことがなくよく知らなかったので、特に信頼感も不信感もなかったというのが正直なところです。友人がエージェント経由で転職を決めていたので大丈夫だろう、という程度の気持ちでした。弁護士ドットコムキャリアからは、当初8つほど候補を提示していただきました。職務経歴書と履歴書を書いて、それらの事務所に片っ端から応募していきました。 ——自己応募と比べて、エージェントを使うメリットはどのように考えられていますか。 「ここはこういう事務所ですよ」という説明を事前にある程度聞けたことは、エージェントを利用して良かったポイントだと思っています。ホームページや情報誌などでも情報を得ることはできますが、それだけだと、詳細や実態まで把握するのは難しいので。 ——転職先の事務所は、どのような方向性や基準で考えられたのですか。 私の場合、「家事事件を扱いたくない」と「賞与が低い」というネガティブな理由から転職を考えはじめましたが、逆に言えば、その他の案件に関してはまったく不満はなかったので、引き続きある程度の規模で、それなりの種類の案件をひととおり扱える企業法務系の事務所を考えていました。 その事務所が取り扱っている分野については、一度自分のほうでも確認するようにはしていました。特に、訴訟の経験を積んでおかないと自分の腕に不安が残ると思ったので、訴訟案件が多いところを優先的に見ていました。あとは、前の事務所で重点的に扱っていた分野についても、引き続き経験や知見を伸ばしていきたいという思いもありました。 ——面接対策として意識されていたことはありますか。 強いて言えば、「こちらから逆質問をする際には、入所の意思が伝わるようなものが良い」というアドバイスをコンサルタントの方から受けていたので、たとえば「執務スペースを見せてください」とか「判例検索データベースには何を使っていますか」とか「図書室はどれくらいの広さですか」といったように、実際に自分が仕事をするうえで気になるポイントを聞いていくようにしていました。 新卒と中途では、就職活動のイメージは大きく異なる ——これから新しいステップに進むにあたって、期待や意気込みがあればお聞かせください。 正直申し上げると、新卒で初めて入所する事務所としては選択を誤ったという感覚はありません。メンバーは皆さん良い方でしたし、おもしろい案件をたくさん担当させていただけて、非常に感謝しています。それを踏まえても、自分には耐え難いところが出てきてしまったということです。 せっかくなので新しい分野にも挑戦できたらという気持ちはありますが、やることは大きく変わらないと思うので、引き続き楽しく企業法務の案件をやっていけると良いなと考えています。 ——最後に、キャリアに悩んでいる若手の弁護士に向けてメッセージをお願いします。 もし、今の状況に疑問を感じているのであれば、転職を検討してみたり、とりあえずエージェントに登録して話を聞いてみたりするのも良いかもしれません。というのも、私の場合、実際に転職活動をしてみたことで、自分の年収が相場から半額くらい低いという実態が明らかになったためです。他の事務所を見てみたことで、自分のキャリアをより客観的に考えられるようになりました。 また、新卒での就職活動とは異なり中途の就職活動は、応募資料に職務経歴書が増えるため、面接のときに話せる内容は大きく変わります。「実際にどんな業務を担当しましたか」とか「こういう案件は好きですか? 嫌いですか?」といった、経験を踏まえた回答が求められる場合が多く、私の回答に対する反応も、新卒のときとは比べものにならないくらい良かったです。私のように新卒時の就職活動に苦労したという人も、あまりそのときのイメージを引きずらずに、転職活動にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。 弁護士ドットコムキャリアのエージェントサービス登録(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録する
>1回目はこちら『ゴミ袋やポットのお湯の交換は法務の仕事? ◆一人法務のキャリア戦略 vol1』 「なんでもできる人」で終わるのかな ーー3社目に転職をしようと思ったきっかけはなんですか。 一番のきっかけは、弁護士ドットコムの法務のキャリアセミナーに出席したことです。人間関係がよく、みんな頼ってくれるので居心地はよかったのですが、弁護士への道も諦めていない中で、仮に今後弁護士になれたとしても、いま積んでいるキャリアがプラスになるイメージがなくて、「ダメだな」と思ったんですよ。「契約書が見られるし、ただ『なんでもできる人』で終わるのかな」と思ったら、絶望しかないなと。一人法務で部下もいないので、マネジメントもできないですし。 そんなことを考えながら、セミナーに出席したわけです。そこで、転職を見据えて、計算してキャリアを積んできた成功者の話を聞くと、「私何もステップアップしていないな」と思って焦ったんですよ。 ーーセミナーを聞いてそう思ったわけですね。 はい。法務でキャリアを積んで役員になった人とかの話を聞いていて、会社視点で見たときに、「私って本当に、『法務』として必要とされる人材になれてるのか」というのが不安になって、焦りましたね。 契約書のチェックも定型のものが多くなってきて、あとは数字のチェックと雑用みたいになっていました。法改正などは、自分なりに追いかけていましたが、みんなに伝える機会もないし、社内規程も本社が整備していたので私が関与できることは限られていました。 キャリアを考える上でも当初の希望であった知財系をやりたかったので、そこは捨てられないなっていうのがありました。あとは、ブロックチェーンなどのデジタル所有権とかにも興味があったのですが、2社目では関与できませんでした。自分から提案したこともありましたが、周辺業務が割り当てられるだけで、「法務としては必要とされていないのかな」と感じてしまったこともありました。 ーー現在は、東京の会社で、地方都市に住みながらフルリモート勤務と聞いています。何社受けたのでしょうか。 1分の1ですね。私が初回の面談だったみたいなんですが、お互いにタイミングよく条件も合ってスムーズに決まりました。 ーー地元を離れる選択肢はなかったんでしょうか。 東京に出ても良いかなとは思っていました。ただ、新型コロナ感染症が収束しない中で、何かあったときのために、地元に近いほうが土地勘があって過ごしやすいので。 営業メンバーの時間確保で利益貢献目指す ーー弁護士ドットコムに登録して、エージェントにどう転職動機を伝えたのでしょうか。 まずは、法務をしっかりやらせてもらえるところと伝えました。加えて、1社目から自分でやり方を考えてきたので、細かく指示されるのでなく、ある程度裁量を持ってやらせてくれるところがいいなと思っていました。これまでは、システムを導入しない理由が「仕事がなくなるから」みたいな感じだったりしたこともあったので、次はスピード感を持って新しい仕組みを取り入れていくようなベンチャーが合っていると思いました。 あとは、いままでの会社で「評価はしている」と言われても、よくわからない役職のみで、給与に反映されてない不満がありました。なので、評価をしっかり給与の金額に反映してくれる会社が良いとは思っていました。今の会社に入る面接の時に、社長やマネージャーが「評価制度はちゃんとしています。フルリモートなので結果重視で、結果を出す人の給与はバンバン上げていきますよ。その逆もまたしかりです。」と。むしろその方が、信用できるなと思いました。法務の仕事は評価されなくても仕方ないと諦めていたところもあり、評価制度は1つの決め手になりました。 ーー現在の会社は、どのような業務が、どう評価されるのでしょうか。 もともと法務がいなかったこともあり、当面は契約のフローの整備や、契約管理システム導入などが課題です。契約締結に営業メンバーの時間がかとられているので、それをどれだけ短縮できるか、結果として営業の時間が確保できることが利益につながっていくということだと理解しています。 顧客への説明時に、自分が参加して、権利やお金の関係で問題になりそうなところを事前に説明して、相手方にも「法務の方に伝えてください」と契約の要点の確認を伝えたりもしています。半年後には「責任者になってほしい」ともいわれていて、大変チャレンジングな環境ですが評価に反映される手触り感があり、やる気にもなりますね。 ーー面接の時から、「削減した工数の時間が評価につながる」という話があったんでしょうか。 具体的にはなかったですが、面接の際、「うちの会社は平均年収1500万を目指します。その分、1500万出せる売り上げを目指して、利益貢献を考えるメンバーがほしい」と言われました。また、「利益をあげているのに評価に反映されず不満を抱えていく人が多く、良い人がやめていくのをみてきた」という話もありました。そこまで考えている会社で、評価されないとしたら、「自分の力が足りてないんだろうと納得できるな」と思ったのが大きかったですね。 社長もマネージャーも評価制度や自分に期待されるキャリアについての説明に一貫性があり、信頼できると思いました。 ーー具体的にはどういうところを目指して欲しいという話だったんでしょうか。 法務がいないので、契約周りの整備が最初ですが、社長からは「契約を見るだけでなく、もっと経営にも入っていってほしい」という話はありました。会社の事業戦略的な話もでき、利益に直結する部分でぜひチャレンジをしたいと思いました。 ーーきちんと評価されない会社だとどんな感じなんでしょうか。 評価シートがあって、自己評価や上司の評価が入るのですが、自己評価より上司の評価のほうが上だったりするのに、グレードや待遇への反映はないんですよね。「よくやってくれている」「役職を与える」と言いながら給料は上がっていなかったり、責任と待遇がマッチしていないあやふやな評価制度の中で、「誰がどれくらい昇給した」という話があったりするとなおさら納得がいかない状況がありました。 「契約書を締結して当たり前」という評価の苦しさ ーーまわりにいる一人法務のかたも、評価に苦しんでいますか。 法務における「成果」というのは、みんな悩んでいると思います。契約書を締結して当たり前だと思われているので、何をもって評価されているかわからないですし。一口に「契約」といっても、業務内容、工数、期間、金額、外部業者を使うかなどの要素がからんでいて、調整に気を遣うわけですが、評価されづらいんですよね。結局、評価は言い値になりがちなんですよ。 ーー法務だけじゃなくて、管理部門の人も同じような思いを持って働いてるかたは結構いるのかもしれないですね。 そう思いますね。どうしても、「コストセンター」としてみられると、経費や工数の削減にばかり目が向いてしまいますが、どうしたら利益を生む方になれるのだろうかと考え続けています。「法務には絶対にできない」ということでもないと思ってはいますが、目に見えづらいので営業や開発のメンバーのようには評価されにくいです。どう考えていくのかは、常に課題です。 ーー今回の転職は年収アップにもつながったと聞いています。 弁護士ドットコムのコンサルタントの方に「この金額でいけますかね?」って言ったら「いや、もっといける」と言ってくれました。仕事ぶりを評価してもらって、給与をあげてもらうのがきれいな形ではありますが、きれいさを追求するだけではみたいなところがあるなと思いました。性格上、何もない状態から値上げ要求するのは難しいので、コンサルタントの方に背中を押してもらえたと思います。 自分を救ってくれた「良い関係性や情報」 ーー5年後、10年後、どんな自分になっていたいでしょうか。 会社にいるのであれば、「法務部」とまではいかなくて、部下がある程度いながら法務を担当している状況、一人法務でない環境を作りたいというのはあります。その部署は法務だけでなく、会社全体が見渡せて、戦略的な経営にも関わる法務になっていたいですね。その中で、法務が会社の利益に繋がっていることを実感できていると嬉しいです ーー大規模な法務部のメンバーになりたいという気持ちはないのでしょうか。 所属したことがないからわからない面はありますが、社長や経営層と距離が近いのがベンチャーの強みであり、魅力を感じるところです。決められた仕事でなく、仕事を見つけていく、それを法務につなげていくことが、自分としては合うように思います。 ー一人法務の場合、「法務部」はないことが多いと思いますが、どう考えるのが良いでしょうか。 中小企業だと、管理部に法務メンバーが入ることがあると思います。その状況で「契約書以外のことはやりません」という姿勢では、生き残りは難しいと思います。一方で、法務以外の業務ばかり担当していると、「法務のキャリアとして何がしたいんだっけ?」となってしまいます。だから、社内での関係性を保ちながら、両者のバランスをとるのは大事かなと思います。 管理部と、営業や開発のメンバーは利害が対立することが少なくありませんが、「法律上だめです」と言っているだけではよくないと思います。関係を構築した上で、「ここはこう変えたらどうか?」「相手との関係はどうか?」「継続して契約するとしたら、今変えたら、これをずっとこの条件で続けないといけないけどどう」という提案やヒアリングが重要になるなと。提案をする中で、情報が入ってくる面もあり、自分から歩み寄るのが必要かなと思います。この5年くらい、法務をやっていて思って一番大事だと思うことです。良い関係性や情報に、色々救われてるところが多いので。 弁護士ドットコムキャリアのエージェントサービス登録(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録する
料亭のバイトの縁で法律事務所に ーーどういう経緯で法務のキャリアが始まったのでしょうか。 私は地元にある国立大学を卒業し、その後は法科大学院に進学しました。法科大学院卒業後に、大学時代からお世話になっていたアルバイト先の料亭でおかみさんに「弁護士事務所の食事会があるから、もしかしたら顔つなぎになるかもしれない」と法律事務所を紹介してもらったのが法務のキャリアの始まりです。法科大学院のエクスターンシップ先として配属された弁護士事務所の先生方が食事会に参加されていて、弁護士1年目の先生が私のこと覚えてくれていて声をかけてくれたんですよ。「司法試験ダメだったのでこれからどうしようか迷っている」と伝えたら、「ちょうど産休で1人事務員に欠員が出てるから来ない?」と言ってもらって、就職が決まりました。最初は法律事務所の事務員になったわけです。 5年間、合格を目指して事務員として働きました。県内では大きな事務所だったので、さまざまな分野を取り扱っていました。企業の顧問弁護士をしていた弁護士を見て「会社の中から法務を見てみたい」というのもあり、企業に入りました。 ーー事務員として働いていた事務所はどのようなところだったのですか。 地元と言っても、県内では大規模な事務所でした。ある市の顧問もしていたほかに破産管財の仕事もありました。書類の作成の手伝いもする中で、法律文章の書き方を指導してもらい、過去の事件も含めて書類を見せてもらうことで、学びの多い時間でした。 一方で、もともと法科大学院では知的財産権を専攻していて特許や著作権などに興味がありました。家事事件などと比較するとそちらの方が興味があったのですが、当時いた事務所だと、知財の案件は対応できる先生がいなくて断っていたんです。企業の法務担当として就職すれば、知財に関連した仕事があるんだろうなという期待感はかねてから持っていました。 ーー事務所によって、扱う事件に色が出るのでしょうか。 事務所ごとにやっぱり色ってすごく出ますよね。入ってみないとわからないところは当然ありますが、ホームページ、特に得意分野や主に取り扱っている事件を見ると、おおよその傾向はわかりますね。その特性や志向に、自分がマッチしているかどうかを見極めるのは大事だと思います。 入社2週間後に聞いた「上場は多分できない」 ーー1社目の話を教えてください。どんな会社だったのでしょうか。 1社目はITベンチャーの開発会社でした。ゲーム開発を行っていて「パブリッシャー」と呼ばれる自社の名前でゲームを提供する会社で、企画、リリース、販売までやっている会社でした。社員は100人くらいいました。 はじめは、社長室所属となって、直属の上司は取締役でした。「これから上場する」「知財も今後強化したい」と聞いていたので、いろいろ経験できると期待して入社したのですが、2週間後に経営状態があまりよくないと聞かされ、1カ月後には「上場は多分できないと思う」と言われ愕然としました。 入社初日から取り掛かったのは海外にあった子会社のクロージングで、英語もままならない状態で四苦八苦しながら、3カ月くらいかけてなんとか終わらせました。契約書の作成などでは「この契約は、民法上どの類型にあたるのでしょうか」と聞いても、「自分で考えろ」と言われ、誰も分かる人はおらず、苦労をしました。学んできたことが、すぐに役立つわけではないんだと思いましたね。ゲームの開発で、特許に抵触することはないかと関係機関に電話で問い合わせて調べていくような業務もあったりと、大変ハードな日々でしたが、自ら必死に情報を取りに行く毎日でとても勉強になりました。 ーーいきなりハードな環境だったわけですね。 入社前は「法務部」といえば上場企業のカチっとしたものしかイメージしかなかったんですが、部はないし、2カ月後には所属していた社長室もなくなりました。その後、「お前は今日から管理部だ」と言われて、総務担当になりました。仕事内容はと言うと、社内イベント運営や採用関連業務、新人研修を任されました。自分自身は新人研修を受けたことがないのに、本を2、3冊読んで「ビジネスマナーとは何か」を教えたり、新人研修を担当しました。契約書のチェック作業もやっていたのですが、ゴミ箱の管理やポットのお湯の補充までも管轄でしたね。「総務なんだから」と言われれば、「法務です」と言い返して、喧嘩になったりしましたが、今思うと会社という組織を学ぶとてもいい機会になりました。あっという間に2年が経ちました。 ーー1社目は、どうやって探したのでしょうか。 管理部に特化したエージェントを使ったんです。「ちょうど法務人材を探しているところがあるので、ぜひ」と強くプッシュされて、私もよく考えないで「ではそこで」と言って決めてしまいました。 ーー経営状態が良くなかったようですが、入る前に何か思い当たるものはありましたか。 今となっては確かなことはわかりませんが、外から経営状態が悪いというのは、エージェントも含めてわからなかったと思います。 とはいえ、一つの指標として「法務がいない」はよく注意する必要がありそうですね。辞めてしまって「いない」ということでなく、そもそもいないとか、ずっと欠員のままになっているところは特に要注意かと思います。顧問弁護士の先生も、案外経営の中身までみていなかったり、なかなか相談に乗ってもらえないこともあるようですから。 よしみで決めた2社目 ーー2社目とは、どのように出会ったのでしょうか。 1社目の会社に勤めていた人が、その2社目の会社に就職していて、知り合いに声をかけたようで、私もその一人として声をかけてもらいました。 ーー2社目に入る前に、もっと探そうとか思わなかったですか? 今思えば、もっとよく探せば良かったと思います。ただ、1社目は、人間関係がよかったんですよ。「お前法務だからってお高くとまって座ってるだけじゃダメなんだぞ、お前が自分で聞きに行け」と上司に言われて業務をおこなってきたので、事業部の社員に「今度締結する予定の契約の、〇〇の部分が詳しくわかる資料をください」など自分から声をかけて回っていたので、、いろんな人と仲良くなっていったんです。事業部の人たちは、私を法務というより管理部の人だと思っていたみたいで、(いい意味で)何をやっている人かわからないと言われました。 1社目からいた何人かの社員も、みなさん私が来てくれるなら嬉しいと言ってくれて、知っている人しかいないなら楽だなと思いました。今振り返ると少し安易に決めてしまった感は否めません。 ーーただ実際には、人間関係が担保されてるってすごく大きいですよね。 はい、そうなんですよ。 ーー2社目での、実際の業務内容は具体的にどうだったのでしょうか。 一応、「法務」として入社しました。私が入る2か月前くらいから、東京で多くの案件をとってきて、短いスパンでまわすという開発のサイクルができあがって、元々少なかった契約の種類が突然増えたんですよ。「回せないから法務担当が必要」というのも、人材募集の背景にありました。法務だけでなく、プロジェクトの工数管理や予算管理、社員の勤怠やその他事務所運営などの総務関係も担当でした。 ーー一般的に、予実管理は法務の仕事なんでしょうか? 法務の仕事じゃないと思うのですが、、、実際、新卒の研修や評価制度の作成まで担当しました。 部の建て付けは事業推進だったので、コンセプトとしては「事業部側だよ」「法務もコストセンターでなく、利益を生み出していく側なんだ」ということでした。2年目からは、事業推進のメンバーも増えたことから、、新たな試みとして、全社向けの知的財産法の勉強会を実施しました。「フリー素材はどこまでフリーなのか」、プロジェクトマネージャー向けに「請負と派遣の違い」「契約書の読み方」などのテーマで行いました。聞いているほうが飽きないように、視聴者参加型のコンテンツを盛り込むなどの工夫をして、社内でも好評でした。 法務の仕事とはいえ、「契約書を見る」という定型的な仕事を与えられてないからこそ、何か自分で生み出していきたいという気持ちがでてきたのはよかったかと思いますし、今でもその経験や気持ちは役に立っています。 身についた「自分のやりたい形に変えていく」姿勢 ーー知財の勉強会をやるきっかけはどんなものだったのでしょうか。 開発した成果物の中に著作権侵害ではないかと指摘されることがあり、実際は侵害に当たらなかったのですが、そもそも開発メンバーの知的財産権への認識が甘いのではないかということが会社内で問題となりました。事業推進の上司が統括していたこともあり、私が担当することになりました。担当する代わりに、勉強会の内容と、実施タイミングだけ任せてもらっていました。「どうやって、自分のフィールドにもってくるか」を考えながら、業務にあたっていました。 ー一般的に一人法務の場合、「法務だけ」という感じにはならないものですか。 絶対とは言いませんが、ほぼならないと思いますよ。「法務」と聞くと、みんな身構えてしまうので、限られた情報しか入ってこなくなるんですよ。待っていて入ってくる情報は、大した情報じゃないし、その情報だけで、契約書をしっかりチェックできるわけではないと感じています。普段からいろんな事業部の人と仲良くしておくと、次に回ってきそうな案件や、納期、入金など事業サイドの契約上心配が把握できますので。 契約書で条件面での不備があっても「知らなかった」と言えばそれで済むという考え方もあるとは思いますが、結局会社側が困るだったら、自分から不安な案件も含めて情報を取りに行ってしまったほうが楽なんですよね。「法務だから、契約書しか見たくない」という人は一人法務は向いていないような気がします。 ーーまわりの一人法務の人も、似たような感じですか。 Twitterなどで知り合った人を見ていると、仕事が来るのを待ってるだけの人はあんまりいない感じがしています。一人法務でうまくやっていくには、自分から動くのが良いと思ってます。 ーー社内での積極的な動き方も、自身の今のキャリアにつながったと感じていますか。 それは本当に実感しています。率直に言って、1社目、2社目で、自分がやりたいことができていたわけではありませんが、「どう自分のやりたい形に変えていくか」という姿勢が身につきましたし、大事だと思います。 契約書についていえば、うまくいかなかった時に「あの案件の契約書見せて」と言われたらもう負けな気がしていて、「こういうことを書いてあればね」と言われると落ち込むんですよね。「わからなかったから仕方ない」と思いつつ、締結前にこれを聞いておくべきだったなというのはメモした経験が何回かあります(第二回に続く)。 弁護士ドットコムキャリアのエージェントサービス登録(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録する
司法書士事務所を退職し、弁護士を目指す ——これまでのキャリアについて教えてください。 大学は法学部で、当時から法律専門職に就きたいと考えていました。在学中に司法書士の資格を取得したこともあり、卒業後は司法書士事務所へ。ただ、やはり弁護士という仕事が諦めきれず、1年間勤めた後に退職し、司法試験の勉強を始めました。勉強期間の上限を3年と決めて、3年目から司法試験受験を開始。2回目の受験で司法試験に合格しました。 ——法律に対する興味や熱量を持ったきっかけは、何がきっかけだったのでしょうか。 私たちアラフィフ世代の人たちが法学部を目指した一番の理由は、おそらく「潰しが効く」ためだったと思うんです。実際、法学部は、他学部よりも就職で有利に評価されていたように思います。 ただ、私が法律に興味を持ったのは、高校のときの現代社会の授業がきっかけだったように思います。法律を勉強すれば、法の抜け穴を突いて稼げるイメージを持ったんです。しかし、実際に大学で法律を学んでいくと、楽して儲けられるような話は一切ないということがすぐにわかりました。法律は、私たちだけでは考えきれないほど緻密に物事が考えられ体系化されています。私はむしろそこに感銘を受けて、法律に関わる仕事ができれば良いなと考えるようになりました。 ——そうしたなかで、司法書士の資格を取得されています。 いきなり司法試験を受ける勇気がなかったというのが正直なところです。当時周りの人たちは、宅地建物取引士(当時は、宅地建物取引主任者)などから勉強を始めていましたが、私は不動産会社に就職するというイメージが持てず、だとしたら難しいかもしれないけど司法書士を受けてみようと思ったんです。そこでうまく合格できたので、もうちょっと頑張れば司法試験もいけるんじゃないかという欲が出てしまった形ですね(笑)。司法書士を1回で合格していなければ、これが自分の能力の限界だと感じ、弁護士になる夢は諦めていたかもしれません。 ——とはいえ、仕事を辞めて司法試験を受験するハードルは高いように思います。司法試験を受けるモチベーションはどこにあったのでしょうか。 法律は、民法のカテゴリーだけでも社会のあらゆる事象を対象にしていますよね。ただ、司法書士の仕事はどうしても売買や所有権、不動産に特化してしまいます。その分野だけを専門に生涯の仕事として取り組んでいくことにフラストレーションを感じていました。自分が本当に目指したかったのは、法務局じゃなくて裁判所なんだ、と。 当時は実家に住んでおり生活費の心配はありませんでしたので、司法書士として1年間働いた貯金で予備校の学費2年分を捻出し、書籍代や小遣いを貯金と失業保険で賄ったという形です。 弁護士の仕事に戸惑いもがき続けた5年間 ——そして見事司法試験合格にされ、修習後は地方の弁護士事務所へ就職されました。 実はもともと地方へ引っ越す予定はなかったのですが、今の妻と結婚することになり、妻の出身地である地方への移住が決まりました。移住するにあたって、まずは自分を採用してもらえる事務所で弁護士として働こうと思ったんです。 ——実際に事務所で弁護士として働いてみたときに、どのような印象を持ちましたか。 働く前から決してきれいな仕事ではないと、ある程度のイメージは持っていましたが、正直それ以上だったように思います。実際の刑事弁護では、犯罪者と接する必要があり、少し気が緩むとこちらが犯罪に巻き込まれてしまうことがあるんです。被告人を人生の危機から救済できるというきれいなイメージで考えていると、とんでもない落とし穴にはまってしまうんですよね。 弁護士というと、エリートといったキラキラしたキャリアパスを想像されることが多いかもしれませんし、実際にそうした方もいらっしゃると思います。ただ、やはり実際の裁判で行われていることは、生々しい駆け引きや蹴落とし合いですね。きれい事が通用するような仕事ではないと思っています。 ——当時、刑事弁護以外に扱われていた分野はありましたか? 事務所全体としては、企業の顧問も多く受けていました。刑事弁護から顧問まで、なんでもやりますという感じでしたね。右も左もわからない状態のまま、とりあえず目の前の仕事をなんとか終わらせていくことに必死でした。とりあえずわからないことは調べないといけないのに、何を調べて良いかわからず、結局仕事が進まないまま徹夜してしまったりとか……。パソコンに向かってはいるんですけど、焦っているだけで手が動かないという感覚でした。 ——そうした状況は変わりましたか? ずっと迷いながら仕事に取り組んでいたのですが、5年ほど経ったときに、ある弁護士さんから「迷ったところで何があるの? 迷ったところで結局やることは一緒でしょ? だったらさっさとやってしまったほうが楽なんじゃない?」と言われたことで、確かにそうだなと思ったんです。それ以来、迷うことがなくなりました。とりあえず形にするという意識で進められるようになったことで、仕事の効率化にも取り組めるようになっていきました。 生身の弁護士にしかできない仕事の質を高めるために ——転職を考えられたきっかけは何だったのでしょうか。 今回の転職を決めたのは今年3月です。実は、もうそろそろ前の事務所を出なければ……と漠然と思い続けながら数年間過ごしており、5年ほど前にも一度弁護士ドットコムキャリアに相談したことがあるんです。 先ほどもお話したとおり、弁護士になってから5年ほど経った後、効率的に仕事を進めなければ自分がもたないという危機意識を抱くようになり、仕事のやり方を自分なりに変えてきました。しかし、効率的に仕事をするようになればなるほど、今の事務所が求めている仕事とはかけ離れていきました。 今回の転職活動のときに感じたのは、伸びている事務所は営業の仕方から違うということです。弁護士ドットコムのサービススタート時には、業界ではあまり良いイメージを持たれていなかったように思いますが、私は当時からWebを使ったマーケティングに興味をもっていました。ただ、前の事務所ではやはり推奨されず、一度登録した弁護士ドットコムのアカウントを削除することになったんです。今注目されているリーガルテックを使うという発想も、もちろんありませんでした。職人が腕一本で作ったものにこそ価値があるという考え方で、さまざまなサービスを使って効率化するということがあまり良く思われていなかったように思います。 ですが、今は、弁護士事務所を運営する上でWebマーケティングを避けては通れないように思います。このような新しい仕事の仕方は、今後、より加速して広まるように思っています。 この流れに乗らないと、という焦りと、今の事務所が求めている価値観との開きが埋め切れなくなったことから、もう今の事務所を出ないといけないな、と決心しました。 ——業務効率化のメリットについては、どのように捉えられていますか。 漠然とですが、その事案における仮説を立て、この仮説を証拠で検証して事実を確定させていくという作業は、人間にしかできないことだと考えています。たとえば訴訟手続だと、なぜこういう事件が起きているのか、大まかな流れを仮説として立てて、あとは証拠で補完していく作業が必要になります。こうした作業をAIなどの技術によって置き換えられるかというと、少なくとも今のAIではできないと思います。このような作業は、結局は生身の弁護士や裁判官による判断でやらざるを得ない。では、これに関連する作業の全てが弁護士で行う必要があるか、というと、実はそうではない。資料の整理だとか、関連裁判例の抽出でリーガルテックを利用して効率化することは十分可能だし、また、この効率化を図って業務負担を軽減させられる弁護士が今後は求められると思っています。 例えば、契約書を読み込んで問題点を抽出するだけの作業であれば、おそらくはAIで充分可能だと思います。従来10人で5日ほどかけてやっていたような作業でも、AIの活用によって問題点の抽出まで行ってしまえば、その後の問題点に関する検討作業は、実際に弁護士が行うとしてもその実動は半日くらいで済むイメージだと思います。 このような業務の効率化は、今後は不可避だと思いますし、そのような効率化によってトータルコストを削減できた弁護士が最終的には顧客から選ばれるようになっていくと思います。 AIによって弁護士の仕事が奪われるという話もありますが、私はそこに対してはまったく危惧していません。むしろ、法律分野、特に裁判関連業務でAIを使うのは結局のところ弁護士であって、AIを活用する弁護士がこの先顧客から選ばれるようになるだけだと思っています。 これから先も自分が生き残っていける弁護士になるためには、自分自身が仕事のやり方を変化させていかなければならないということだと思っています。 ——今回の転職先の事務所では、そうした考え方を尊重してもらえそうですか? はい。新しい事務所では、Webマーケティングによる集客も積極的に行われていて、全国に組織を展開しています。メンバーも若い方が多く、今の時代に即した形で運営されているイメージがあります。新しいものを取り入れて仕事の効率を高め、余裕が出てきたらそのぶん休みを取ったり、お客様に向き合ったりという方針が、自分の考えにマッチしていると感じました。 自分を高値で売ろうとせず、ありのままを評価してもらう ——弁護士ドットコムキャリアのサービスを利用されてみていかがでしたか。 司法書士事務所も大学のゼミの先生の紹介で入ったので、実はこれまで就職活動はほとんど経験したことがなかったんです。ただ、従来のように自分の縁故で就職してもまた同じことになると思ったので、自分の能力や市場価値で評価していただけたらと考え、サービスに登録しました。 やはり転職市場や就職活動の作法などはほとんどわからなかったですし、20年近く同じ事務所に勤めてきて、新しい分野に飛び込むことはとても不安でした。コンサルタントの方にはそうした点も含めて相談させてもらえたので、本当に助かりました。 ——サービスを利用されるなかで一番良かったと思う点はどこでしたか? 細かいところまで対応していただけた点です。たとえば職歴書の作成1つとっても、どうやって書けば良いのかわからない、相手にどこを見られるのかもわからないといった状態だったので、そうした疑問に1つひとつ答えていただけたのはすごくありがたかったです。 また、市場動向も教えていただいたことで、意思決定がしやすくなりました。私の場合は、家族の関係で勤務地の制約があったため、全国規模でのデータが当てはまらないという側面もありましたが、やはり転職の際に大事なのは、今の市場で求められている人材がどういう人で、いかにそこに噛み合うよう行動していけるかだと思います。そうした視点でアドバイスをいただけると、就職活動の方針も立てやすくなります。 ——最後に、転職を検討されている方や、同年代の弁護士の方にメッセージをお願いします。 どうしても今の職場が合わないと感じたら、転職は1つの選択肢になると思います。そのときにわからないことがあれば、弁護士ドットコムキャリアが教えてくれます。素直にアドバイスに従って、謙虚な気持ちで行動に移していければ、成功につながるのではと私は思っています。下手に自分を高値で売ろうとしても、化けの皮はすぐに剥がれてしまいます。この先何年も一緒に仕事をしていく方々に対して初めだけ良い顔をしても、うまくいくはずがありません。今の自分のありのままの状態を評価してもらえるよう、書類作成も含めて思いや考えを伝えていけば、あまり不安なことはないと考えています。 弁護士ドットコムキャリアのエージェントサービス登録(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録する
近年、企業法務の重要性が増すとともに、インハウスロイヤーのニーズも高まっています。今回ご紹介するのは、インハウスロイヤーとして15年以上のキャリアを持つベテラン弁護士です。同氏は、弁護士として法律事務所に数年間勤務した後、大手保険会社へ入社し、子会社の法務立ち上げを担当してきました。しかし、本社へ復帰した際に感じた大規模組織ならではの窮屈さをきっかけに、ベンチャー企業への転職を決意します。本記事では、同氏がキャリアの軸を考えるうえで大切にしてきた価値観について探っていきます。
目次 求職者プロフィール 転職を考えたきっかけ 転職活動のポイント 内定のポイント まとめ 求職者プロフィール ご年齢:30代、60期台転職前:ブティック型法律事務所(弁護士事務所)転職後:東証一部上場企業(インハウス) 転職を考えたきっかけ 司法修習後、こちらの先生は訴訟の経験を多く積みたいと、一般民事から企業法務まで幅広く携われる事務所にご入所されました。ある程度経験を積んだ後、前職のブティック型事務所へ転籍し大小様々な企業を担当して経験幅を広げていらっしゃいました。</p< やりがいも感じられるようになった一方でもっと主体的に案件に関わりたいという思いから転職活動をすることにしました。 転職活動のポイント 活動開始したタイミングで以前登録していた弁護士ドットコムキャリアからお送りしたメールの案内をご覧になり、担当コンサルタントと今後についての面談を設定させていただきました。 活動当初は、「経歴を活かせる求人がどのようなものがあるか」を網羅的に把握しきれていない状況でしたので、法律事務所(弁護士事務所)・インハウスの区別はつけず、業界も絞らず幅広く求人をご紹介いたしました。その中から経験が活かせそうなものやご自身が興味がある分野で、なおかつ他社エージェントから案内されていない求人を選択され、選考プロセスに進まれました。 途中、エージェントを複数利用いること、自己応募も行っていることを担当コンサルタントにご共有してくださいました。それぞれの選考の足並みを出来る限り揃えておくほうが最終判断しやすくなるのでは、とご助言をさせていただき、以降は他社の応募状況や選考状況も担当コンサルタントに共有いただきながらご一緒に熟慮を重ねて活動を進めさせて頂きました。 他社エージェント経由・自己応募のものも含め、いろいろな求人をご一緒に検討させていただく中で、これまでの経験を活かすことができ、これからの経験幅が広がる仕事をしたいという判断軸の手触りをご本人が感じることができるようになりました。 内定のポイント 面接の場では、判断軸を明確にするために多少細かい部分でも隅々まで質問し、不明点を解消するように臨まれました。現場の弁護士や人事の話を聞き、また面接後に担当コンサルタントにアウトプットする中で自身の優先順位も確立され、あとは結果を待つのみという形となりました。 数社の1次面接が終わった段階で、第1希望の企業より無事に内定通知をもらうことができ、また提示された条件についてもご自身としては納得のいく内容だったため、他の選考結果を待たずにご入社を決定されました。 今回のケースでは、幅広い選択肢を考慮したこと、事前に判断軸を絞ったこと、軸に合わせる形で面接での質問や確認を丁寧におこなったことがスムーズな意思決定につながったと考えています。 まとめ 弁護士ドットコムキャリアのご支援では、幅広い選択肢をご提示する点が強みです。また、これまでのご支援の実績や弁護士業界のネットワークを活用したナレッジをもとに、独りでは気づき得なかった「道筋」も模索・ご提示いたします。 今の働き方に漠然とした不安や違和感を感じている方はぜひ一度弁護士ドットコムキャリアへご相談ください。転職をするしないに関わらず、独自の情報とノウハウをもとに先生方の「いま」にとって最適な判断をするご支援をさせていただきます。 弁護士ドットコムキャリアのエージェントサービス登録(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録しておく
多忙を極める大手・準大手の法律事務所。「プライベートを重視したい」との思いで、インハウスロイヤーへの移籍を検討される先生は少なくありません。しかし求人票の条件だけの判断では、たとえインハウスといえど「どのような場所で働くか」の解像度が低く、転職後のミスマッチのリスクが高い状態と言えます。ご自身のニーズを客観的に捉え「ソフトな情報」とともにご提案し、納得の法律事務所弁護士→インハウスロイヤー転身に至った事例を紹介します。 目次 求職者プロフィール 転職を考えたきっかけ 敢えて「条件以外」に着目した求人選び 潜在的な希望とアナログな情報をかけ合わせる まとめ 求職者プロフィール ご年齢:20代後半、70期〜73期転職前:都内の準大手渉外系法律事務所(弁護士事務所)転職後:中規模スタートアップ企業の法務(社内弁護士) 転職を考えたきっかけ 英語を得意としていたことから、都内の準大手法律事務所(弁護士事務所)にて、主に渉外系案件を担当していた候補者様。 やりがいは感じていましたが、プライベートの時間を確保できない程の労働環境にお疲れのご様子でした。ご結婚をされたことや、もともと興味があった分野を本格的に勉強したいと思われたことをきっかけに、ライフワークバランスの取りやすいインハウスへの転向を考え、弁護士ドットコムキャリアへご相談頂きました。 敢えて「条件以外」に着目した求人選び ライフワークバランスを求めてのインハウスへ転向のため、「給与や勤務時間の条件面のみで選ばなければならない」というお考えでしたが、敢えて「ご自身が楽しみながら業務できる環境」へ移籍することをお勧めしました。今回の候補者様のケースでは、「インハウスで働くこと」以前に、「ご自身の意欲が持続する」「裁量を持ってのびのびと働ける」ことが最重要であると判断したためです。ご面談中の雑談やエピソードトークの中で「ご本人が興味がありそう」と感じた業種の求人や、「ここの法務部長と合いそうだな」と思う求人を中心にお薦めさせて頂きました。企業への就職が初めてでインハウスで働くことのイメージが付いていないご様子でしたので、その企業の特徴やご一緒に働くことになる方々のお人柄、オフィスの雰囲気など、できるだけ具体的にお伝えしました。ご一緒に転職後のイメージをすることができ、スムーズに応募する企業を選定いただけました。 潜在的な希望とアナログな情報をかけ合わせる 無事に第一志望の企業から内定を頂いた後、「自分でも気付いていなかった潜在的な思考や要望を的確に見抜いてくださった」とのお言葉を頂きました。 今回のケースで鍵となったのは、①「企業で働きたい」の思いに至ったニーズ・思考プロセスまでご一緒に理解を掘り下げたこと、②求人票には表れない、企業様からお聞きしたリアルな一次情報を照らし合わせたこと、以上の2点であったと考えています。 キャリアに関わる情報のプロフェッショナルとして提供させていただいたアナログな情報を吸収し、ご自身の「本当の声」に真摯に耳を傾けられた候補者様には感謝の思いで一杯です。今後のご活躍をお祈りしております。 まとめ 弁護士ドットコムキャリアのご支援では、ただ求人票を見せて「どの求人にしますか?」と選んでもらうだけではなく、その方の希望や思考に合わせた「お薦めする理由」を必ずお伝えさせていただきます。「色々求人を見ていてもピンとこない」という方はぜひ一度弁護士ドットコムキャリアへご相談ください。「あなただからこそお薦めしたい求人」をご紹介させて頂きます。 弁護士ドットコムキャリアのエージェントサービス登録(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録しておく
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