

ご自身のキャリアを主体的にお考えの皆様に対して、
全力でご支援させて頂きます
弁護士ドットコムキャリアがこれまでご支援してきた転職事例をご紹介します。国内大手法律事務所(弁護士事務所)の事例から、企業内弁護士(インハウスロイヤー)への転職事例まで幅広くご紹介していきます。ご自身の今後の転職活動の参考に、ぜひご覧ください。
女性弁護士のロールモデルが少ないなか、育児と仕事の両立に挑む ——まずは、これまでのキャリアについて伺っていければと思います。 大学は法学部だったので、周りの影響もあって司法試験に挑戦。大学を卒業して3年目くらいに合格しました。公務員という選択肢も考えたのですが、転勤のない法律事務所の弁護士として働くことを選びました。 また、ちょうど弁護士になるタイミングで、同期の修習生だった夫と結婚。それぞれ違う事務所に勤務弁護士として入所し、キャリアのスタートを切りました。当時はまだ女性弁護士が少なく、選択肢が限られていましたが、弁護士が4-5人所属していて、女性弁護士も活躍している事務所に採用されました。 結婚した年に上の子を出産しましたが、先輩の女性弁護士も小さいお子さんをお持ちでしたし、ボスの理解もあったので、そのまま働き続けました。ただ、入所数年後に二人目の妊娠がわかった段階で、ボスや後輩に負担をかけないよう退職を決めました。ちょうどそのとき、夫が勤務していた事務所の若手が集まって新しい事務所を立ち上げるという話があったので、籍はその事務所に置いて、家庭を優先しながら自分のペースで仕事を続けることにしました。 ——出産・育児を経験しながらも、引退せずに弁護士業を継続されたんですね。 結婚して子供のいる家庭を築きたいと思う一方、仕事もしたいという気持ちはずっと持っていましたし、いったん仕事を辞めてしまうと人に会うのも怖くなるという話を先輩から聞いていたので、感覚を忘れない程度には続けていこうと考えていました。 最初に入った事務所の先輩女性弁護士も、二人のお子さんを育てながら働いていらっしゃったので、やろうと思えばできるという気持ちもありました。実家が近かったことで親のサポートがあったのも大きいです。夫も同じ職業なので仕事への理解があり、子どもを裁判所に連れて行ったこともあります。私が証人尋問しているあいだ、夫は控室で子どもを見ていたり……。当時は大変でしたが、今振り返ると良い思い出ですね。 ——当時は子供の有無に関わらず、女性の弁護士として働く難しさもあったように思います。 そうですね。当時、女性弁護士はやはりまだ数が少なかったので、「先生だって(女性だけど)資格を持っていらっしゃるわけですからね」なんて言葉を投げかけられることもありました。面談の際に「あ、女だ」という顔をする方もいらっしゃったり……。ただ最近は、どの業界でも女性が活躍するようになり、ほとんどそういうことはありません。 とはいえ、弁護士が1-2人で経営している事務所はやはり零細企業なので、出産や育児で休まれてしまうと運営が大変になってしまうことも事実です。そういう意味では、女性は大きい事務所のほうが比較的働きやすいかもしれませんね。 ——その後、独立されてご夫婦で事務所を運営されていたと聞いています。 下の子が産まれて子育ても一段落したころ、私を引き連れて夫が独立。二人で新しい事務所を作ることにしました。ただ、今から数年前に夫が体調を崩し通院をしなければならなくなりました。そこで夫はマイペースで仕事を続けることにして、私自身は将来のことも考えて他事務所に移籍することにしました。私は数年前に全国展開している民事系の事務所に入りました。 人の話を聞いてストーリーを見出すことに興味を持てるかどうか ——これまで取り扱ってきた分野について教えてください。 いわゆる一般民事を幅広く担当してきました。特に最初の事務所は、依頼されたものはなんでもやるという方針だったので、一般の個人債務整理や中小企業同士のトラブルまで、さまざまな案件に取り組んでいました。 ——最近では企業法務に絞って転職活動をされる方も多いですが、一般民事の醍醐味や向き合い方についてどのように考えられていますか。 私が弁護士になった当時は、企業法務という領域は今ほどクローズアップされていませんでした。弁護士たちも、おそらく何でもやる覚悟を持っていたように思います。私としては、トラブルを解決できたときは本当に嬉しいですし、相手が喜んでくれるという醍醐味を感じています。ただ、同じことを説明しても理解してくださらない方は一定数いらっしゃいますし、そこに苦手意識を感じてしまう気持ちもわかります。 人の話を聞いて、ストーリーを見出すことに純粋な興味を感じる人のほうが一般民事に向いているかもしれませんね。人様の人生を垣間見ることができるのは興味深いですし、自分のためにもなります。口に出さなくても「へー、そんなことがあるんだ」と思えると、普段の仕事の大変さが相殺されるかもしれません。 ——前職の事務所でのご経験について伺えますか。これまでとは少し異なる環境だったと思いますが、新しく得た知識などはあったのでしょうか。 前職の事務所では、普通の事務所ではあまりやらないような案件や、これまで自分が経験してこなかった分野なども扱っていたので、毎日が勉強でした。書籍も読みましたし、私よりもずっと若い先輩弁護士に質問することも多かったです。カルチャーもこれまで経験した事務所とは大きく違っており、新鮮でしたね。 求人サイトを見ているだけではわからないリアルな部分を知れるのがエージェントの良さ ——転職を考えるようになったきっかけについて教えてください。 弁護士も事務員の方も良い人たちばかりで、同僚には恵まれていたように思います。ただ、組織の方向性については自分の考えと合わず、疑問に感じることも多かったです。査定にもあまり納得できず、またそれを指摘できないような空気もあり、環境を変える必要があると感じるようになりました。弁護士の求人サイトを見たり、公務員に転職することも検討したりしていたなか、弁護士ドットコムキャリアをたまたま知り、相談してみることにしました。 ——エージェントを利用することに対する不安はありませんでしたか? まったくないわけではありませんでしたが、弁護士ドットコムはいろんなサービスを手掛けていて、名前もよく知っていたので、親近感や信頼感がありました。求人サイトの情報だけを見ていても、実際にはどのような人材が求められているのか、その事務所の本音やリアルな部分がわからないことにも課題を感じていました。 弁護士ドットコムキャリアのコンサルタントの方からは、最初に複数の候補を提案いただき、そのうち数件に対して応募してみました。もちろん募集要項は自分でも確認しますが、その事務所が実際にどのような人材を採りたいと考えているかというところまで教えていただき、大変ありがたかったです。 ——面接にあたって、具体的に準備したことが何かあれば教えてください。 コンサルタントの方から模擬面談を提案していただいたので、Webで受講し、アドバイスもいただきました。年齢を考えると「新しいことでも何でも勉強します」とアピールするよりは、後輩に教える立場であることを意識したほうが良いという指摘を受けましたが、振り返ってみると本当に適切なアドバイスだったように思います。 自分が思っているよりも、実際にはなんとかなる ——新しい事務所ではこれからどのようなことに取り組まれる予定でしょうか。 アソシエイトの枠での応募でしたが、プラクティスグループの立ち上げや、一般民事のなかでも複雑な案件を担当することになっています。事務所の形式や環境は前職とは大きく変わらないので、そこに対する不安はあまりありません。むしろ、従来ずっと取り組んでいて、前職では扱っていなかったような案件にもまた携われるようになるので、長年の経験が活かせるように思います。 ——最後に、人生の岐路に立って悩んでいる若手弁護士の皆様へメッセージがあればお願いします。 自分が何にいちばん価値を置いているか、ということが重要ではないでしょうか。どうしても家庭を一番にしていきたいということであれば、それはそれで良いと思います。ただ、自分が思っているよりも、実際にはなんとかなる、ということは頭の隅に置いておいてほしいですね。あがいても良いし、かっこよくなくても良いので、自分のやりたいことをどんどんやってみることが大切です。人の力も借りながら、果敢に取り組んでいただきたいと思います。そのほうが、後で振り返ったときに悔いがないですし、思わぬ実りもあります。 特にお子さんをお持ちの場合は大変なことも多いですが、子どもはいつか育つものですし、親が頑張っている姿を見せていれば、いざこざがあったとしても、絶対に良い子になります。うちの子どもたちも、理解のある人間に育ちました。あまり心配しすぎず、若い力を大いに発揮して頑張っていただけたらと思っています。 弁護士ドットコムキャリアのエージェントサービス登録(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録する
幅広くさまざまな業務を経験したいという思いから中規模事務所へ ——これまでのご経歴について教えてください。 大学時代は、関西の大学の法学部で学びました。入学時はそこまで強く意識していたわけではありませんが、勉強を進めていくうちに法律のおもしろさを感じるようになり、このまま仕事にしていきたいと司法試験受験を考え始めました。周りの先輩などを見ていても、同様の進路に進む人が多い環境でしたね。 大学3年のはじめには予備校の講座を使って試験対策の勉強を開始し、ロースクールを受験。東京の大学のロースクールに入ることにしました。漠然とではありますが、当時から企業法務をやりたいと思っていたので、東京のほうが適した環境だと考えました。ロースクール1年目の途中で予備試験に合格したため、ロースクールを中退し、司法試験を受けて修習へ進むことにしました。 ただ、就職先は、なかなか決まらなかったですね。当時は、早い段階から専門化を図るのではなく、幅広くさまざまなことを経験してみたいという思いが強かったのですが、大手事務所の場合は、プラクティスチームや部門が分かれていたり、特定のパートナーとだけ仕事をしたりという形になってしまい、はじめから専門分野が絞られてしまうのではというイメージを持っていました。実際には、もっと幅広く仕事ができるのかもしれませんが、いずれにしても自分としては、得意分野を早く見つけるよりは、ひととおりいろんな業務を経験したいと考えていたので、中規模事務所を中心に受けていました。とはいえ、中規模事務所は採用枠が限られており、互いにフィーリングが合わないとなかなか採用に至らないということで、苦労しました。 修習が始まるまでにはなんとか就職先を決めたいという思いで、司法試験の合格発表後は、その成績表を資料に加えながら就職活動を継続しました。司法試験の成績が良かったので、そこも評価していただければ、と。修習地に関東圏を選んだのは、就職活動が終わらないことを想定し、東京の事務所を受けられる範囲にしようと考えたためです。しかし、秋頃に説明会を開催していた事務所と縁があり、修習の前に無事に内定を得ることができました。説明会に参加した流れで面接を受けてパートナーの代表に気に入っていただけたので、すぐに決まった形です。 ——企業法務の事務所を中心に就職活動をされていたとのことですが、企業法務のどこに魅力を感じられていますか? 一般民事に比べて企業法務のほうが、法律論に触れる機会が圧倒的に多いイメージを持っていたためです。企業法務は、紛争になっていない段階から、新たに立ち上げるビジネスが規制に反していないか、契約書やスキームにどのようなリスクがあるのか、法律を踏まえた理屈を立てながら、1つひとつ論拠を探して論理的に考えてチェックしていく流れになると思いますが、そうした営みが自分の性格や興味に合っていると感じました。あとは単純に、クライアントの新しい技術やサービスの話を聞いたり、それに合うように契約書や利用規約を作ったりといった、新しいことに対する知的好奇心を満たせる仕事が多い印象でした。 家事事件を扱わなければならなくなったことで転職を意識 ——事務所入所後の2年間の歩みについてお聞かせください。 事務所は20-30人規模で、日々継続的にいただくさまざまな依頼をすべて受け付けるというような、雑多な雰囲気の事務所でした。なので、私自身も、契約書のレビューから、利用規約の作成、組織再編、訴訟対応まで、来たものをいろいろとやらせていただくというような形で業務を行っていました。1年目はコロナ禍が直撃していたということもあり、アサインされていたM&A案件が本格的に始まる前に止まってしまうということもありました。 ——働き方についてはいかがでしたか。 1年目は、契約書レビューや法律相談、それに伴うリサーチといった、いわゆる一般企業法務が多かったですね。労働時間はそれなりに長かったですが、1年目で経験が浅く時間掛かっているというのもありましたし、私自身は長時間労働があまり苦ではないので、主観的にはそこまでしんどいと感じたことはありません。 ただ、1年目に担当した大きな訴訟事件には苦労しましたね。技術系の訴訟ということもあり難易度が高く、ヒアリングや資料集めのために出張を繰り返す時期が1年ほど続きました。その事件は法律論も大きな争点になっていたのですが、かなり細かい法律で国内の文献がほぼ見つからない状態。その分野の学者の方にお話を伺ったり、技術系の書籍を証拠として引用したり、海外の文献を引用したりと、リサーチにかなり時間を掛けました。とはいえ、やはり法律が好きだったのでおもしろくやっていました。 ——そうしたなか、転職を考えられるようになったきっかけは何だったのでしょうか。 2年目くらいから家事事件を振られるようになったのがきっかけでした。自分は性格上、家事事件に苦手意識を強く感じています。法曹を目指す動機としても、人の気持ちに寄り添いたいとか、困っている人の助けになりたいといった部分はあまり強くなく、将来的にも扱わないようにしようと考えていたんです。 事務所としては家事事件もできるようになってほしいという思いがあったのだと思いますが、自分のなかではそれが強いストレスになってしまっていました。面談などではその旨を上司に伝えていたのですが、私だけ特別扱いするわけにもいかないでしょうし、このまま事務所にいても状況は変わらないと考えました。 ——企業法務系の事務所で家事事件まで扱うことを新卒の就職活動のタイミングで想定するのは難しかったかもしれません。振り返ってみて、入所する前に気づくポイントはありましたか? 今になって思えば、他士業の先生からの紹介で事件を受ける先生だと、家事事件も紹介されがちなのかもしれません。あとは、転職活動の際にさまざまな事務所の採用条件を見ていたときに気づいたのですが、大抵の企業法務系の事務所は「企業法務系事務所の出身者以外は採用しない」という方針を明記しています。逆に企業法務系事務所なのに「一般民事出身者でもOKです」とある場合は、実際にそうした仕事が来るからなのかもしれないと思いました。なので、新卒就活の場合でも、中途採用でどのような人材を募集しているか確認すると、1つの判断基準になるかもしれないですね。あとは、今在籍しているアソシエイトの出身事務所などもチェックしてみると良いかもしれません。 面接時の逆質問では入所の意思を伝える ——転職活動はどのように進められていきましたか。 2年目の年末の賞与が自分の想定より低かったことで本格的に転職を考え始めました。ただ、当時はちょうど多忙期だったため、仕事がある程度落ち着いたタイミングで、転職に成功していた友人の紹介を受けて弁護士ドットコムキャリアに相談してみました。 ——エージェントを利用することへの不安はありませんでしたか? 転職自体が初めてで、エージェントは使ったことがなくよく知らなかったので、特に信頼感も不信感もなかったというのが正直なところです。友人がエージェント経由で転職を決めていたので大丈夫だろう、という程度の気持ちでした。弁護士ドットコムキャリアからは、当初8つほど候補を提示していただきました。職務経歴書と履歴書を書いて、それらの事務所に片っ端から応募していきました。 ——自己応募と比べて、エージェントを使うメリットはどのように考えられていますか。 「ここはこういう事務所ですよ」という説明を事前にある程度聞けたことは、エージェントを利用して良かったポイントだと思っています。ホームページや情報誌などでも情報を得ることはできますが、それだけだと、詳細や実態まで把握するのは難しいので。 ——転職先の事務所は、どのような方向性や基準で考えられたのですか。 私の場合、「家事事件を扱いたくない」と「賞与が低い」というネガティブな理由から転職を考えはじめましたが、逆に言えば、その他の案件に関してはまったく不満はなかったので、引き続きある程度の規模で、それなりの種類の案件をひととおり扱える企業法務系の事務所を考えていました。 その事務所が取り扱っている分野については、一度自分のほうでも確認するようにはしていました。特に、訴訟の経験を積んでおかないと自分の腕に不安が残ると思ったので、訴訟案件が多いところを優先的に見ていました。あとは、前の事務所で重点的に扱っていた分野についても、引き続き経験や知見を伸ばしていきたいという思いもありました。 ——面接対策として意識されていたことはありますか。 強いて言えば、「こちらから逆質問をする際には、入所の意思が伝わるようなものが良い」というアドバイスをコンサルタントの方から受けていたので、たとえば「執務スペースを見せてください」とか「判例検索データベースには何を使っていますか」とか「図書室はどれくらいの広さですか」といったように、実際に自分が仕事をするうえで気になるポイントを聞いていくようにしていました。 新卒と中途では、就職活動のイメージは大きく異なる ——これから新しいステップに進むにあたって、期待や意気込みがあればお聞かせください。 正直申し上げると、新卒で初めて入所する事務所としては選択を誤ったという感覚はありません。メンバーは皆さん良い方でしたし、おもしろい案件をたくさん担当させていただけて、非常に感謝しています。それを踏まえても、自分には耐え難いところが出てきてしまったということです。 せっかくなので新しい分野にも挑戦できたらという気持ちはありますが、やることは大きく変わらないと思うので、引き続き楽しく企業法務の案件をやっていけると良いなと考えています。 ——最後に、キャリアに悩んでいる若手の弁護士に向けてメッセージをお願いします。 もし、今の状況に疑問を感じているのであれば、転職を検討してみたり、とりあえずエージェントに登録して話を聞いてみたりするのも良いかもしれません。というのも、私の場合、実際に転職活動をしてみたことで、自分の年収が相場から半額くらい低いという実態が明らかになったためです。他の事務所を見てみたことで、自分のキャリアをより客観的に考えられるようになりました。 また、新卒での就職活動とは異なり中途の就職活動は、応募資料に職務経歴書が増えるため、面接のときに話せる内容は大きく変わります。「実際にどんな業務を担当しましたか」とか「こういう案件は好きですか? 嫌いですか?」といった、経験を踏まえた回答が求められる場合が多く、私の回答に対する反応も、新卒のときとは比べものにならないくらい良かったです。私のように新卒時の就職活動に苦労したという人も、あまりそのときのイメージを引きずらずに、転職活動にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。 弁護士ドットコムキャリアのエージェントサービス登録(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録する
司法書士事務所を退職し、弁護士を目指す ——これまでのキャリアについて教えてください。 大学は法学部で、当時から法律専門職に就きたいと考えていました。在学中に司法書士の資格を取得したこともあり、卒業後は司法書士事務所へ。ただ、やはり弁護士という仕事が諦めきれず、1年間勤めた後に退職し、司法試験の勉強を始めました。勉強期間の上限を3年と決めて、3年目から司法試験受験を開始。2回目の受験で司法試験に合格しました。 ——法律に対する興味や熱量を持ったきっかけは、何がきっかけだったのでしょうか。 私たちアラフィフ世代の人たちが法学部を目指した一番の理由は、おそらく「潰しが効く」ためだったと思うんです。実際、法学部は、他学部よりも就職で有利に評価されていたように思います。 ただ、私が法律に興味を持ったのは、高校のときの現代社会の授業がきっかけだったように思います。法律を勉強すれば、法の抜け穴を突いて稼げるイメージを持ったんです。しかし、実際に大学で法律を学んでいくと、楽して儲けられるような話は一切ないということがすぐにわかりました。法律は、私たちだけでは考えきれないほど緻密に物事が考えられ体系化されています。私はむしろそこに感銘を受けて、法律に関わる仕事ができれば良いなと考えるようになりました。 ——そうしたなかで、司法書士の資格を取得されています。 いきなり司法試験を受ける勇気がなかったというのが正直なところです。当時周りの人たちは、宅地建物取引士(当時は、宅地建物取引主任者)などから勉強を始めていましたが、私は不動産会社に就職するというイメージが持てず、だとしたら難しいかもしれないけど司法書士を受けてみようと思ったんです。そこでうまく合格できたので、もうちょっと頑張れば司法試験もいけるんじゃないかという欲が出てしまった形ですね(笑)。司法書士を1回で合格していなければ、これが自分の能力の限界だと感じ、弁護士になる夢は諦めていたかもしれません。 ——とはいえ、仕事を辞めて司法試験を受験するハードルは高いように思います。司法試験を受けるモチベーションはどこにあったのでしょうか。 法律は、民法のカテゴリーだけでも社会のあらゆる事象を対象にしていますよね。ただ、司法書士の仕事はどうしても売買や所有権、不動産に特化してしまいます。その分野だけを専門に生涯の仕事として取り組んでいくことにフラストレーションを感じていました。自分が本当に目指したかったのは、法務局じゃなくて裁判所なんだ、と。 当時は実家に住んでおり生活費の心配はありませんでしたので、司法書士として1年間働いた貯金で予備校の学費2年分を捻出し、書籍代や小遣いを貯金と失業保険で賄ったという形です。 弁護士の仕事に戸惑いもがき続けた5年間 ——そして見事司法試験合格にされ、修習後は地方の弁護士事務所へ就職されました。 実はもともと地方へ引っ越す予定はなかったのですが、今の妻と結婚することになり、妻の出身地である地方への移住が決まりました。移住するにあたって、まずは自分を採用してもらえる事務所で弁護士として働こうと思ったんです。 ——実際に事務所で弁護士として働いてみたときに、どのような印象を持ちましたか。 働く前から決してきれいな仕事ではないと、ある程度のイメージは持っていましたが、正直それ以上だったように思います。実際の刑事弁護では、犯罪者と接する必要があり、少し気が緩むとこちらが犯罪に巻き込まれてしまうことがあるんです。被告人を人生の危機から救済できるというきれいなイメージで考えていると、とんでもない落とし穴にはまってしまうんですよね。 弁護士というと、エリートといったキラキラしたキャリアパスを想像されることが多いかもしれませんし、実際にそうした方もいらっしゃると思います。ただ、やはり実際の裁判で行われていることは、生々しい駆け引きや蹴落とし合いですね。きれい事が通用するような仕事ではないと思っています。 ——当時、刑事弁護以外に扱われていた分野はありましたか? 事務所全体としては、企業の顧問も多く受けていました。刑事弁護から顧問まで、なんでもやりますという感じでしたね。右も左もわからない状態のまま、とりあえず目の前の仕事をなんとか終わらせていくことに必死でした。とりあえずわからないことは調べないといけないのに、何を調べて良いかわからず、結局仕事が進まないまま徹夜してしまったりとか……。パソコンに向かってはいるんですけど、焦っているだけで手が動かないという感覚でした。 ——そうした状況は変わりましたか? ずっと迷いながら仕事に取り組んでいたのですが、5年ほど経ったときに、ある弁護士さんから「迷ったところで何があるの? 迷ったところで結局やることは一緒でしょ? だったらさっさとやってしまったほうが楽なんじゃない?」と言われたことで、確かにそうだなと思ったんです。それ以来、迷うことがなくなりました。とりあえず形にするという意識で進められるようになったことで、仕事の効率化にも取り組めるようになっていきました。 生身の弁護士にしかできない仕事の質を高めるために ——転職を考えられたきっかけは何だったのでしょうか。 今回の転職を決めたのは今年3月です。実は、もうそろそろ前の事務所を出なければ……と漠然と思い続けながら数年間過ごしており、5年ほど前にも一度弁護士ドットコムキャリアに相談したことがあるんです。 先ほどもお話したとおり、弁護士になってから5年ほど経った後、効率的に仕事を進めなければ自分がもたないという危機意識を抱くようになり、仕事のやり方を自分なりに変えてきました。しかし、効率的に仕事をするようになればなるほど、今の事務所が求めている仕事とはかけ離れていきました。 今回の転職活動のときに感じたのは、伸びている事務所は営業の仕方から違うということです。弁護士ドットコムのサービススタート時には、業界ではあまり良いイメージを持たれていなかったように思いますが、私は当時からWebを使ったマーケティングに興味をもっていました。ただ、前の事務所ではやはり推奨されず、一度登録した弁護士ドットコムのアカウントを削除することになったんです。今注目されているリーガルテックを使うという発想も、もちろんありませんでした。職人が腕一本で作ったものにこそ価値があるという考え方で、さまざまなサービスを使って効率化するということがあまり良く思われていなかったように思います。 ですが、今は、弁護士事務所を運営する上でWebマーケティングを避けては通れないように思います。このような新しい仕事の仕方は、今後、より加速して広まるように思っています。 この流れに乗らないと、という焦りと、今の事務所が求めている価値観との開きが埋め切れなくなったことから、もう今の事務所を出ないといけないな、と決心しました。 ——業務効率化のメリットについては、どのように捉えられていますか。 漠然とですが、その事案における仮説を立て、この仮説を証拠で検証して事実を確定させていくという作業は、人間にしかできないことだと考えています。たとえば訴訟手続だと、なぜこういう事件が起きているのか、大まかな流れを仮説として立てて、あとは証拠で補完していく作業が必要になります。こうした作業をAIなどの技術によって置き換えられるかというと、少なくとも今のAIではできないと思います。このような作業は、結局は生身の弁護士や裁判官による判断でやらざるを得ない。では、これに関連する作業の全てが弁護士で行う必要があるか、というと、実はそうではない。資料の整理だとか、関連裁判例の抽出でリーガルテックを利用して効率化することは十分可能だし、また、この効率化を図って業務負担を軽減させられる弁護士が今後は求められると思っています。 例えば、契約書を読み込んで問題点を抽出するだけの作業であれば、おそらくはAIで充分可能だと思います。従来10人で5日ほどかけてやっていたような作業でも、AIの活用によって問題点の抽出まで行ってしまえば、その後の問題点に関する検討作業は、実際に弁護士が行うとしてもその実動は半日くらいで済むイメージだと思います。 このような業務の効率化は、今後は不可避だと思いますし、そのような効率化によってトータルコストを削減できた弁護士が最終的には顧客から選ばれるようになっていくと思います。 AIによって弁護士の仕事が奪われるという話もありますが、私はそこに対してはまったく危惧していません。むしろ、法律分野、特に裁判関連業務でAIを使うのは結局のところ弁護士であって、AIを活用する弁護士がこの先顧客から選ばれるようになるだけだと思っています。 これから先も自分が生き残っていける弁護士になるためには、自分自身が仕事のやり方を変化させていかなければならないということだと思っています。 ——今回の転職先の事務所では、そうした考え方を尊重してもらえそうですか? はい。新しい事務所では、Webマーケティングによる集客も積極的に行われていて、全国に組織を展開しています。メンバーも若い方が多く、今の時代に即した形で運営されているイメージがあります。新しいものを取り入れて仕事の効率を高め、余裕が出てきたらそのぶん休みを取ったり、お客様に向き合ったりという方針が、自分の考えにマッチしていると感じました。 自分を高値で売ろうとせず、ありのままを評価してもらう ——弁護士ドットコムキャリアのサービスを利用されてみていかがでしたか。 司法書士事務所も大学のゼミの先生の紹介で入ったので、実はこれまで就職活動はほとんど経験したことがなかったんです。ただ、従来のように自分の縁故で就職してもまた同じことになると思ったので、自分の能力や市場価値で評価していただけたらと考え、サービスに登録しました。 やはり転職市場や就職活動の作法などはほとんどわからなかったですし、20年近く同じ事務所に勤めてきて、新しい分野に飛び込むことはとても不安でした。コンサルタントの方にはそうした点も含めて相談させてもらえたので、本当に助かりました。 ——サービスを利用されるなかで一番良かったと思う点はどこでしたか? 細かいところまで対応していただけた点です。たとえば職歴書の作成1つとっても、どうやって書けば良いのかわからない、相手にどこを見られるのかもわからないといった状態だったので、そうした疑問に1つひとつ答えていただけたのはすごくありがたかったです。 また、市場動向も教えていただいたことで、意思決定がしやすくなりました。私の場合は、家族の関係で勤務地の制約があったため、全国規模でのデータが当てはまらないという側面もありましたが、やはり転職の際に大事なのは、今の市場で求められている人材がどういう人で、いかにそこに噛み合うよう行動していけるかだと思います。そうした視点でアドバイスをいただけると、就職活動の方針も立てやすくなります。 ——最後に、転職を検討されている方や、同年代の弁護士の方にメッセージをお願いします。 どうしても今の職場が合わないと感じたら、転職は1つの選択肢になると思います。そのときにわからないことがあれば、弁護士ドットコムキャリアが教えてくれます。素直にアドバイスに従って、謙虚な気持ちで行動に移していければ、成功につながるのではと私は思っています。下手に自分を高値で売ろうとしても、化けの皮はすぐに剥がれてしまいます。この先何年も一緒に仕事をしていく方々に対して初めだけ良い顔をしても、うまくいくはずがありません。今の自分のありのままの状態を評価してもらえるよう、書類作成も含めて思いや考えを伝えていけば、あまり不安なことはないと考えています。 弁護士ドットコムキャリアのエージェントサービス登録(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録する
多忙を極める大手・準大手の法律事務所。「プライベートを重視したい」との思いで、インハウスロイヤーへの移籍を検討される先生は少なくありません。しかし求人票の条件だけの判断では、たとえインハウスといえど「どのような場所で働くか」の解像度が低く、転職後のミスマッチのリスクが高い状態と言えます。ご自身のニーズを客観的に捉え「ソフトな情報」とともにご提案し、納得の法律事務所弁護士→インハウスロイヤー転身に至った事例を紹介します。 目次 求職者プロフィール 転職を考えたきっかけ 敢えて「条件以外」に着目した求人選び 潜在的な希望とアナログな情報をかけ合わせる まとめ 求職者プロフィール ご年齢:20代後半、70期〜73期転職前:都内の準大手渉外系法律事務所(弁護士事務所)転職後:中規模スタートアップ企業の法務(社内弁護士) 転職を考えたきっかけ 英語を得意としていたことから、都内の準大手法律事務所(弁護士事務所)にて、主に渉外系案件を担当していた候補者様。 やりがいは感じていましたが、プライベートの時間を確保できない程の労働環境にお疲れのご様子でした。ご結婚をされたことや、もともと興味があった分野を本格的に勉強したいと思われたことをきっかけに、ライフワークバランスの取りやすいインハウスへの転向を考え、弁護士ドットコムキャリアへご相談頂きました。 敢えて「条件以外」に着目した求人選び ライフワークバランスを求めてのインハウスへ転向のため、「給与や勤務時間の条件面のみで選ばなければならない」というお考えでしたが、敢えて「ご自身が楽しみながら業務できる環境」へ移籍することをお勧めしました。今回の候補者様のケースでは、「インハウスで働くこと」以前に、「ご自身の意欲が持続する」「裁量を持ってのびのびと働ける」ことが最重要であると判断したためです。ご面談中の雑談やエピソードトークの中で「ご本人が興味がありそう」と感じた業種の求人や、「ここの法務部長と合いそうだな」と思う求人を中心にお薦めさせて頂きました。企業への就職が初めてでインハウスで働くことのイメージが付いていないご様子でしたので、その企業の特徴やご一緒に働くことになる方々のお人柄、オフィスの雰囲気など、できるだけ具体的にお伝えしました。ご一緒に転職後のイメージをすることができ、スムーズに応募する企業を選定いただけました。 潜在的な希望とアナログな情報をかけ合わせる 無事に第一志望の企業から内定を頂いた後、「自分でも気付いていなかった潜在的な思考や要望を的確に見抜いてくださった」とのお言葉を頂きました。 今回のケースで鍵となったのは、①「企業で働きたい」の思いに至ったニーズ・思考プロセスまでご一緒に理解を掘り下げたこと、②求人票には表れない、企業様からお聞きしたリアルな一次情報を照らし合わせたこと、以上の2点であったと考えています。 キャリアに関わる情報のプロフェッショナルとして提供させていただいたアナログな情報を吸収し、ご自身の「本当の声」に真摯に耳を傾けられた候補者様には感謝の思いで一杯です。今後のご活躍をお祈りしております。 まとめ 弁護士ドットコムキャリアのご支援では、ただ求人票を見せて「どの求人にしますか?」と選んでもらうだけではなく、その方の希望や思考に合わせた「お薦めする理由」を必ずお伝えさせていただきます。「色々求人を見ていてもピンとこない」という方はぜひ一度弁護士ドットコムキャリアへご相談ください。「あなただからこそお薦めしたい求人」をご紹介させて頂きます。 弁護士ドットコムキャリアのエージェントサービス登録(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録する
弁護士のキャリアを考える時に、気持ちとしては変化を求めていても「今は転職をしない」という決断がベターな場合があります。弁護士ドットコムキャリアでも「現職に留まる」ということをご一緒に決断することも少なくありません。「転職」を目的化せずに、最適なキャリア形成を開始された方の支援事例です。
経験業務の幅を広げるため、転職を決意された方のお話です。お仕事内容が特定の業務に特化しているがゆえに、弁護士としてのキャリアが広がらないことに不安を覚えている方はいらっしゃいませんか?「弁護士としての経験の幅を広げたい」という先生のご希望を軸に定めて、転職支援をさせていただいた事例のご紹介です。
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成功者プロフィール 転職活動時:30代前半、60期台 現職:九州地方に在住し町弁(街弁)勤務 転職先:ご家族と共に実家のある東京への移住し、東京の事務所への転職 転職を考えたきっかけ ご出身は東京でしたが、修習で縁のあった九州のとある地域にてそのままご就職され、約5年程、町弁(街弁)として企業法務や一般民事に従事されておりました。 お子様が産まれるのを機に、拠点を実家のある東京に戻すことを家族と決め、東京の法律事務所(弁護士事務所)への転職活動を始められました。 活動中のポイント 地方に勤務しながら、東京の法律事務所(弁護士事務所)への転職活動で、対面での面接がなかなか実現できない状況の中、各法律事務所(弁護士事務所)とリモートの面接を調整したり、選考スケジュールを一括で管理したりと、できるだけ負担が少ないように支援いたしました。 活動が進み、最終を迎える選考が増えてきた段階で、1日だけ東京に滞在できる日を作っていただました。その1日の中で全ての法律事務所(弁護士事務所)に訪問でき、完結できるよう段取りを調整いたしました。 離れた環境下でもスムーズに転職活動ができたと大変お喜び頂けました。 「修習からそのまま地方に移住したため、東京の法律事務所(弁護士事務所)情報も分からない状況での転職活動で最初は大変不安だったが、最新の転職市場の情報提供から、希望をヒアリングした上での求人提案、スケジュール調整などとても丁寧に進めてもらえたので、安心して転職活動をすることができた」と大変ご満足頂けました。 転居を伴う転職活動のポイント 転居を伴う転職は、通常業務に加え、現職の引き継ぎ、面接、新居の選定など、同時進行で多くの事を進めなければなりません。 そのような状況であるからこそプロに任せられるものは任せてしまうことで、ご自身の時間を最大限有効活用できるようになります。 現在お住まいの地域と違う地域への転職を検討の方もいらっしゃると思います。 弁護士ドットコムキャリアでは全国各地の法律事務所(弁護士事務所)、企業の求人を把握しておりますので、まずはお気軽にご相談くださいませ。 弁護士ドットコムキャリアのエージェントサービス登録(無料)はこちらから。必要なタイミングで専任のコンサルタントが誠実にご支援いたします。 転職エージェントサービスに登録する
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