弁護士からメディア記者に転身|対話で見つけた新しいキャリア
企業の法務部門などはその典型例だが、中には「メディアの記者」に転身した弁護士も。
その決断の背景には、どのような経緯やきっかけがあったのか。
伴走したコンサルタントとの対話から、弁護士の転職事例を紹介する。
小倉 匡洋 氏
弁護士ドットコム株式会社 ニュース編集部 弁護士
水本 実緒
弁護士ドットコム株式会社 リーガルソリューション事業本部 キャリア事業部 エキスパートコンサルタント
提案された「意外な転職先」
──法律事務所での弁護士キャリアからの転職を決意された理由を教えてください
小倉氏:
主に 2 つあります。1 つは生活面での事情です。子どもと過ごす時間を増やしたかったのですが、
勤務時間が不規則で長時間になりがちな法律事務所での働き方との両立に難しさを感じていました。
転居したことで、勤務先の事務所までの通勤時間が片道 2 時間以上かかるようになったことも大きかったです。
もう 1 つは、弁護士実務が本当に自分に合っているのかという違和感です。
10 年頑張ってみて判断しようと思っていましたが、10 年経ってもその違和感は拭えませんでした。
──どのように転職活動をスタートさせたのでしょうか
小倉氏:
事務所の仲間に相談したところ、「企業で働くのも良い経験になるのでは」と温かく背中を押してもらえまして。その仲間から転職サービスの存在を教えてもらい、「いくつか登録してみたらどうか」と勧められたのが始まりです。転職先としては企業法務のほか、教えることが好きなので教育関連の業界なども漠然と描いていたのですが、私自身、いわゆる就職氷河期世代でしたので、水本さんがおすすめしてくれた企業は幅広く積極的に応募しましたね。
──2人の最初の接点はどのような形だったのでしょうか
水本:
まずはオンラインでキャリア面談をさせていただいたのが最初です。第一印象は「気さくでお話好きの方だな」と。企業という組織においても、周囲の人と良好な関係性を作って十分立ち回っていける方だと思いました。ですが同時に、ご自身のキャリアについて深く悩み、真摯に向き合われている姿勢を強く感じましたので、私が力になりたいと思いました。
──転職先の希望は漠然としていたということですが、コンサルタントとしてどのような選択肢を提示しましたか
水本:
転職するに当たって何を大切にされているのか、どんなことに悩んでいるのかをヒアリングで深掘りすることから始めました。お話の中で、長年続けてこられた弁護士実務への違和感と、一方で司法試験予備校や法科大学院などで教えてこられたご経験からくる教育分野への関心という、2 つの大きな軸が見えてきました。最初は特定の職種に絞るのではなく、企業法務から教育関連まで、少しでも可能性のありそうな選択肢を幅広くご提示しました。
小倉氏:
業務もあって頻繁に会って話すのもなかなか難しいので、主なやり取りは「メール」でしたね。互いに長文でのやり取りが続きました。水本さんのレスポンスが驚くほど速いので、弁護士の習性で「ボールを自分サイドに置かないように」と返信を続けていたら、すごい回数になっていました。
水本:
密なやり取りをさせていただく中で、小倉さんの文章力の高さに毎回驚かされていました。また、職務経歴書を拝見した際に「法律監修の経験あり」という記述があったこともずっと頭の片隅にありました。当時、弁護士ドットコムニュースを運営する弊社のニュース編集部では、法律の専門知識を持つ人材を求めていましたので、小倉さんが持つ「難しい法律の専門知識を分かりやすく伝える能力」が、ニュース編集部のニーズとマッチしており、「これは最適なご提案になるかもしれない」と直感しましたね。
心を動かした「職場見学」
──「ニュース編集部の記者」という提案を受けてどう思いましたか
小倉氏:
予想外の提案でしたが、とても興味深かったです。ただ、「メディアの部署」と聞いて、法律を教えるというこれまでの経験が仕事の中でどういきるのかというイメージがまったく湧きませんでした。企業法務のポジションで話が進んでいたもう一社の方が、報酬などの条件面も含め、今後のキャリアを考えても堅実な選択肢だったと当時思っていましたし、積極的にアプローチしてきてくださっていたので、気持ちが揺れ動きました。

──その状況をコンサルタントとしてどのようにサポートされましたか
水本:
ご本人が心から納得できる選択をしていただくことが最も重要だと考えていました。ですので、弊社の部署を無理に勧めることはせず、両方の選択肢のメリット・デメリットを客観的に整理し、ご自身の心の声にじっくりと耳を傾けていただくことを意識しました。もっとも、論理的な比較だけでは見えない「職場の空気」や「仕事の楽しさ」といった定性的な部分が、最後の決め手になることが少なくありません。ぜひ一度ご自身の目で見て、肌で感じていただきたいと考え、「職場見学」をご提案しました。br />
小倉氏:
「あの職場見学がなければ、私は今ここにいない」と断言できます。2 度職場を訪問させてもらい、ニュース編集部のミーティングにも参加させていただきました。社員の方々と直接話す中で、仕事の面白さや職場の温かい雰囲気を実感し、ここで働きたいと強く思いました。
水本:
見学の場にすぐ溶け込んで、まるで即戦力のように社員と活発に意見交換をされていました。その様子を拝見し、「職場見学」をご提案してよかったと思いましたね。
転職せずとも「外の世界」見る機会に
─キャリアに迷う方がいたら、どんなアドバイスをしますか
小倉氏:
転職には不安が伴いますが、一歩踏み出してみると、想像以上に「楽しい」世界が待っているかもしれません。実際に私が入社して自分以外の弁護士の仕事ぶりを見たり、社内の別部署と一緒に働く中で、自分の弁護士としての可能性も転職前よりずっと広がっているのを強く感じています。「企業では意外と弁護士が大事にされる」という発見もありました(笑)。ぜひ前向きに検討してみてほしいです。
水本:
キャリアや人生を考える時、誰もが不安や迷いを抱えるものです。私がキャリア支援で最も大切にしているのは、「より納得感がある選択」を、プロの視点と当事者の視点の両方から徹底的に一緒に考え抜くことです。年収、仕事内容、ワークライフバランス …。ご自身の価値観の中で、「大切にしたいもの」は何でしょうか。その想いを共有いただき、同じ目線で未来を考えることを常に心がけています。転職活動をしてみた結果、今のキャリアを継続するという結論になったとしても、外の世界を見たことで視野が広がり、ご自身のキャリアに心から納得できるようになる――それも素晴らしい価値があると考えています。最後にどのような決断をなさろうとも、私が全力でサポートします。まずはお気軽にご相談ください。一緒に可能性を広げましょう。

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