弁護士が法律事務所への転職で求められるスキルと仕事内容
弁護士として、法律事務所の求人や採用情報を探したり、転職活動を行う際には、具体的な仕事内容やどのような条件での求人情報があるのかをしっかりと把握しておくことが大切です。法律事務所に勤務するには弁護士以外にも事務スタッフとしての求人もありますが、必要なスキルや求められる経験は様々なものがあります。アルバイトや正社員など雇用形態の違いによっても、必要とされるものは異なります。法律事務所の求人情報の傾向や特徴を理解して、法律事務所への転職や弁護士事務所への就職を成功させましょう。
目次
法律事務所での仕事内容
法律事務所の求人で募集される職種は事務所の規模によって細かく分けられたり、会計士や税理士など他分野の職種が募集されている場合もありますが、大きく「弁護士」と「法律事務員」に分けられます。
弁護士の法律事務所での仕事
弁護士としてどんな仕事に関わっていくかは、所属する法律事務所の取り扱い事件によって様々です。一般民事や刑事を主に扱う法律事務所、企業法務を主に扱う法律事務所、ひとつの分野に特化したブティック型法律事務所、全体的にカバーする総合法律事務所など、どのような法律事務所に所属し、何を担当するのかによって、クライアントや担当案件は大きく異なります。
取り扱い事件と主な分野としては以下の通りです。
| 主な分野 | 主な業務 |
|---|---|
| 企業法務 | 内部統制 |
| M&A/企業再編 | |
| 各種契約 | |
| 債権回収 | |
| 知的財産権 | 特許法 |
| 著作権法 | |
| IT関連 | ソフトウェアライセンス |
| 国際企業法務 | 国際商取引 |
| M&A | |
| 各種契約 | |
| 行政 | 行政紛争 |
| 刑事事件 | 一般刑事 |
| 少年犯罪 | |
| 労働事件 | セクハラ/パワハラ |
| 労災 | |
| 労働事件 | |
| 事故 | 交通事故(被害者側/加害者側) |
| 医療事故(患者側/病院側) | |
| 消費者被害 | 証券/先物取引被害 |
| 詐欺被害/マルチ商法被害 | |
| 家事事件 | 離婚/親権 |
| 遺言/相続 | |
| DV/ストーカー | |
| 近隣トラブル | |
| 金銭 | 金銭貸借 |
| 多重債務 | |
| 不動産関係 | 不動産取引一般 |
| 建築紛争・欠陥住宅 | |
| 国際個人法務 | 国際相続 |
| 国際離婚 | |
ご自分の得意分野やキャリアプランをもとに、どんなクライアントを相手とし、どんな事件・分野で活躍していきたいかを考えて、それに沿った法律事務所を選びましょう。
事務職員の法律事務所での仕事
法律事務員の役割は、弁護士が効率的に業務を行うことができるようにサポートすることです。業務内容としては、大きく分けて「法律業務」と「秘書業務」に分けられます。規模の大きな法律事務所では法律業務を担う「パラリーガル」と秘書業務を担う「秘書」に分けられることもありますが、基本的に法律事務員としてひとくくりと考えていいでしょう。
法律事務所によって、法律業務は基本的に全て弁護士が行い法律事務員は秘書業務のみを担当する、弁護士は必要最低限の業務のみを行い法律事務員にできる限り法律業務を担当させるなど、方針や担当業務も様々ですので、柔軟性や学習力が求められる仕事といえます。
法律業務
- 各種書類作成
- 必要書類の取り寄せ
- 文献や判例の調査/検索/分析
- 登記や破産処理などの手続
秘書業務
- スケジュール管理
- クライアントへの接客応対/連絡
- 郵便/FAXなどの発信受信
- 資料のコピー/ファイリング
- 経理や清掃などその他管理
法律事務所で勤務するのに必要なスキルや経験
弁護士・法律事務員ともに人材市場は流動化が進んでいます。新卒のみを募集している法律事務所は少なく、転職によってキャリアアップを目指す方も増加しています。また法律事務所間の競争の激化から、弁護士業はサービス業としての側面が強くなってきています。それに伴って求められる人材も、ホスピタリティやコミュニケーション能力が重視される傾向があります。
弁護士に求められるスキルや経験
弁護士には法律知識のみならず、様々な能力がバランスよく求められています。
一例をあげますと、法律に疎いクライアントに対してもわかりやすい説明を行い、不安や疑問点などを解消する表現力、クライアントに寄り添う共感力、事務所内外問わず円滑に業務を行う上での対人能力、常に新たな知識を求める向上心、多忙な時や難しい案件にも耐える精神力、法律事務所の方針や業務にも速やかに慣れる適応能力などがあります。
また近頃では案件を待っているのではなく、自ら顧客の獲得を行う営業力、国際法務を手がける法律事務所では英語力も必要とされています。
経験弁護士の場合は上記の項目に加え、どんな業務を行ってきたかという経験、経験によって身についた知識、いかに迅速かつ正確に業務をこなせるかという処理能力、顧客や知り合いの弁護士といった人脈が重視されます。
自己PRや面接においては、上記のようなスキルをエピソードと絡めてアピールしていくと良いでしょう。
法律事務員に求められるスキルや経験
法律事務員は弁護士が効率的に業務を進めるためにいなくてはならない存在であると同時に、クライアントが最初に接触する事務所の顔でもあります。資格は必要ありませんが、法律業務に携わるにあたっては専門知識が、秘書業務に携わるにあたってはオフィスマナー等が要求される職業です。
法律事務所によって求められるスキルや経験は異なってきますが、共通して求められるものとしては、word/excelなどのパソコンの操作スキル・文書作成能力・一般的なビジネスマナー・コミュニケーション能力などです。外資系の法律事務所などでは英語力も求められるでしょう。
それに加えて、法律業務では、法律の知識や法律事務員としての経験が求められる場合もあります。未経験の場合でもパラリーガル育成講座や認定資格を所有していると熱意を伝えることができ、内定に繋がりやすいかもしれません。
秘書業務では、接客応対やスケジュール管理の経験・簿記や経理の知識といったものがあれば良いでしょう。前職が秘書や事務職である場合や、秘書検定の資格を所持していると有利かもしれません。
法律事務所の求人情報の傾向や特徴

以前は法律事務所の求人は紹介や伝手によるものが主でしたが、最近では自社サイトや求人サイト、エージェントを利用した求人が増加傾向にあります。また主に新卒向けに、説明会や相談会などを開催している法律事務所も増えてきています。
弁護士の求人
中小の法律事務所では、若い弁護士の採用が困難になってきているということもあり、弁護士法人へ業種転換する事務所が増えてきています。それに伴って事務所間での採用競争も激化しており、弁護士会費の事務所負担、福利厚生や保険などの充足など、受け入れ体制を改善して採用に繋げようという動きが見られます。
対照的に一部の法律事務所では、若い弁護士を事務所から給料が出さず自ら営業を行わせる「ノキ弁」として募集しているところもあります。
また、近年、教育をコストと捉える法律事務所が増加していることから、2〜3年目の経験弁護士の需要が高まってきています。採用意欲の高い法律事務所の例としては以下のようなものが挙げられます。
- 特定の分野に特化したブティック型の法律事務所が、他分野へ進出して事業規模の拡大を狙うケース
- 弁護士法人として他エリアへ支店を出したいケース
いずれも経験弁護士が求められており、特に前者では特定分野のスペシャリストが、後者では弁護士としての実績に加え、経営的な手腕や可能性も持つ弁護士が求められています。
所属する法律事務所によっても異なりますが、将来的にパートナーや独立を目指す方、地域やクライアントと密着して一般法務に携わっていきたい方、専門性を高めていきたい方にとって中小規模の法律事務所は適した転職先でしょう。
法律事務員の求人
法律事務員の需要は、リーガルサービスに質と価格の両立が求められはじめたことによって一層の高まりを見せており、基本的にどの法律事務所でも法律事務員は期間を問わず募集されています。
法学部以外の学部卒や未経験でも応募ができたり、正社員としての雇用であったり、福利厚生制度が充実していたりと、受け入れ態勢の整備が進められています。とはいえ法律に関する業務であるため、未経験でも応募が可能ではありますが、文書の作成能力やビジネスマナー、正確かつ迅速な事務処理能力など、求められる能力は高いといえます。
未経験の場合、入所後は他の法律事務員について、OJT形式で業務や法律知識を習得していきます。大半の法律事務所では、日弁連や弁護士会の研修や能力認定試験を受けることを推奨しており、事務所によっては研修費や受験料の支給、合格時の賞与や昇給も行われてます。
法律事務所の規模や待遇に比例して、現在弁護士を目指している、他の法律事務所で働いていた、など法律の知識や経験のある法律事務員の求人が多くなるようです。
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