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「既存のルールを守る」だけではなく「ルールを創造していく」 新Visionに込められた思いとは|法律事務所ZeLo・外国法共同事業

「リーガルサービスを変革する」を理念に掲げ、2017年に創業した法律事務所ZeLo・外国法共同事業(以下、「ZeLo」)。組織拡大に伴い、2022年に「Vision」と「Principles(行動原理)」をリニューアルしました。

現在は「リーガルサービスを変革し、法の創造に寄与し、あらゆる経済活動の法務基盤となる」というVisionのもと、スタートアップから中小・上場企業まで、企業法務の幅広い領域で高度なリーガルサービスを提供しています。

今回は、VisionやPrinciplesに込められた思いや事務所の強みについて、大手法律事務所から移籍した経歴を持つ北田晃一弁護士と、司法修習の終了後新卒でZeLoに入所した松田大輝弁護士に話を伺いました。

全員参加でVisionとPrinciplesをリニューアル

——VisionとPrinciplesをリニューアルすることになった当時の状況について教えていただけますか。

北田弁護士:
ZeLoは当時弁護士5年目だった小笠原匡隆弁護士と角田望弁護士が2017年に創業した事務所です。私が参画した2018年の時点では、事務所の運営経験のない弁護士歴10年未満の弁護士のみで運営しており、事務所運営は日々手探りの状態でした。こうした事情もあって、ZeLoでは創業当初からメンバー全員の意見を可能な限り集約した上で、事務所の進むべき方向を決めていこうという意識は強かったです。また創業者の2人は、常々「誰」が言ったかではなく「何」を言ったかを重視する組織にしたいと話していましたので、年次を問わず、誰でも意見を言いやすい組織カルチャーが根付いたのではないかと思います。

VisionとPrinciplesのリニューアルを考え始めた2021年には、スタッフを含めると50名ほどの規模になり、弁護士や弁理士も30名程度となっていました。そのバックグラウンドも、国内外の大手・中堅法律事務所出身者、検察官出身者、インハウス出身者、新卒弁護士等、多様化も進んでいましたので、メンバーの多様な経験や視点を取り入れながら、いまいちどZeLoのVisionとPrinciplesをアップデートしていこうという機運が高まってリニューアルの準備を始めることになりましたね。

松田弁護士:
当時私は新卒で入所して2年目の時期で、経営企画部門の一員として、Visionの議論を進めていくための準備や会議の調整などを担当していました。2021年から取り組みをスタートして、最終決定までには1年ほど掛かったと思います。

北田弁護士:
法律事務所はどうあるべきか、どのようなサービスをクライアントに提供すべきか、という議論に対しては本当に様々な意見が出ました。特に若手のメンバーは、固定観念にとらわれない斬新な提案や、新しい角度からの意見も出してくれて、私としても学びの多い時間でした。

Vision
リーガルサービスを変革し、 法の創造に寄与し、 あらゆる経済活動の法務基盤となる
Principles(行動原理)
Beyond Satisfaction 満足を超え、感動を与える仕事をする
Challenge and Invest for the Future 常に挑戦し、未来に投資し続ける
One Team 互いに尊重し、一丸となってビジョンを実現する
Frank and Transparent 率直で透明であれ

——Visionには、創業時の理念に「法の創造に寄与」というインパクトの強い言葉が追加されました。

北田弁護士:
ZeLoのサービスの特徴のひとつに、顧客層にスタートアップ企業が多いことが挙げられます。スタートアップ企業の方々と多く仕事をしていると、まだ世の中にない新しいビジネスモデルやアイデアに出会う機会が多くあります。既存の法律や制度の枠内で実施できるものもありますが、時には既存の法律や制度では解決できない、又は新しいビジネスが想定されていないような場合があり、様々な形で規制の壁にぶつかることがあります。
法律家の仕事というと既存の法律や制度をどのように守っていくかばかりを業務としているイメージが強いかもしれませんが、社会に必要とされるものなのであれば、新しい法・ルールを創り変えていくというところにもより積極的にアプローチできる存在でありたいという思いを込めています。

——「率直で透明」というPrinciplesは、普段の業務のなかでどのように意識されていますか。

北田弁護士:
ZeLoが創業以来大切にしていることとして、「情報の透明性」というものがあります。法律事務所の場合、例えば事務所の売上等についても全所員に公開されないようなケースがあると思いますが、ZeLoでは弁護士らだけではなくスタッフも含めた全員に毎月の収支を公表しています。また、所内での会議体の議事録についても、守秘性の高い人事情報等を除けば、売上構成や所内の会議での議論などは、できる限りメンバー誰もが閲覧できるようにしています。

松田弁護士:
普段業務で使っているツールも、ZeLoのカルチャーの醸成に大きく貢献しているように思います。チャットツールであるSlackをはじめ、より透明性のあるチームづくりがしやすいものを選んでいます。

事務所自体が「スタートアップ組織」だからこそできるサービス提供が強み

–—事務所の強みについて教えてください。

北田弁護士:
専門性を持つメンバーが多数揃っており、また所内に司法書士・弁理士、社労士等の有資格者も在籍しているため、ワンストップでクライアントにサービス提供できることは強みの1つであるかと思います。ZeLoは弁護士2名で立ち上げた事務所ではありましたが、様々な案件に対応していくなかで、クライアントの幅広いニーズに適時にサポートがするためには、弁護士だけでは不十分だと感じたところがきっかけのひとつですね。

また、ZeLoは、法律事務所としては珍しいと思いますが、法律事務所の創業と同時に、AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」などを開発・提供している株式会社LegalForce(現:株式会社LegalOn Technologies)も創業しています。
創業当初は、法律事務所と会社を一緒に運営をしていたような状況だったのですが、自分たちで会社の運営に関わったり、長い期間近くで見続けたということが、今でも大きな経験となっています。この経験が、ZeLoにスタートアップマインドを強く根付かせたところもありますし、仕事の面においても、会社のステージごとにぶつかる課題感について、高い当事者意識をもってクライアントに寄り添うことができる理由になっているのではないかと思います。実際に相談を受ける中で、「うちでも同じようなことがあったなぁ」と思ったことは一度や二度ではありません。

その他、強い知的好奇心を持つメンバーが多く所属しており、既存の領域に限らず、新しいビジネス領域・技術領域を研究していこうという事務所内の熱量は非常に高い組織であると思っています。一から勉強し、試行錯誤をしながら取り組み、事務所のサービスとして創りあげていこうという気概で日々様々な取り組みをしています。その取り組みの一つとして、領域ごとにプラクティスグループを組成し、研究や議論を重ねて知見を深めるほか、記事やセミナーによる発信等にも力を入れています。

松田弁護士:
ZeLoのメンバーは日々スタートアップを中心にさまざまな企業法務の案件に対応しているため、各人が専門領域を持ちつつも、多くの弁護士は比較的ジェネラリスト志向が強いともいえます。ジェネラリストだからこそ、お客さまの問題を発見しやすい側面はあると思います。医者に例えるならば、総合医のような立ち位置です。専門医だけでは適切に病気を発見することができません。企業の課題を適切に発見できる弁護士が所内で育成できているという点は、強みのひとつだと考えています。

——現在、事務所としてはどのような組織課題を抱えられていますか。

北田弁護士:
出向中や留学中のメンバーも含めると、現在、弁護士・弁理士・司法書士・社労士が合計48名在籍しています。今後の事務所の拡大を見据えた際に、組織としてどのような体制を作っていくべきかは考えるべき重要な組織課題と認識しています。ZeLoでは、現状パートナー制度を採用しておらず、可能な限り全体からの意見集約をしながら意思決定を行うことを追求していますが、今後、組織が拡大していく中で、現在と全く同じ運営方法が難しくなることも十分考えられますので、どのように組織を変えていくか考えていかなければいけません。

また、より多くの分野の専門家をもっと増やしていかなければならないとも思っています。新人弁護士の採用だけでなく、経験豊富で何らかの専門分野に強みがある弁護士にこれから更に加わっていただけると、さらに事務所としての幅と厚みが増していくことになると考えています。

自分の欲求に対して素直になり、選んだ道を正解にしていく

——ZeLoで活躍できるのはどのような人材だとお考えですか。

松田弁護士:
ZeLoはチャンスに溢れた事務所です。ありがたいことに、日々お客さまからたくさんのご相談をいただいているので、チャンスが来たときに積極的に手を挙げられる人であれば、若手であってもいくらでも活躍できる環境にあります。また、法律の知見の有無に限らず、物事への興味関心が強い方や多様なバックグラウンドをお持ちの方にはぜひZeLoに来ていただきたいですね。

北田弁護士:
ZeLoとしては多様な人材にチームに加わってほしいと考えています。一口に弁護士といっても、弁護士に求められる能力は様々です。単に試験での成績が良いというだけではなく、忍耐力が強くハードな交渉でも粘り強く対応できる人、営業能力が高い人、クライアントに寄り添い、クライアントのために尽くせる人等、様々な資質やメンタリティが弁護士として活躍する基礎になると思っています。特にZeLoの新卒採用ではこうした要素も重視して見ています。

他方で中途採用の場合には、すでにそれぞれ自らの強みを持ち合わせていることが多いので、その強みをZeLoでどのように生かしていきたいと考えているのか、年次によっては先頭に立って強みの分野を引っ張っていこうとする気概を持ち合わせているか等も大切にしているポイントになります。

–—最後に、転職を検討されている読者のみなさんへメッセージをお願いします。

北田弁護士:
私がZeLoに参画したのは、大学時代の先輩でZeLoの創業者の一人でもある角田から誘われたことがきっかけでした。ただ、以前所属していた事務所での仕事も充実していましたし、人間的にも尊敬できる先輩や同僚たちに囲まれていたこともあり、正直言うと、当時自分からあえて辞める理由はありませんでした。ZeLoに移籍するかどうかは、人生で一番悩んだかもしれません。

結局、理屈で考えてもわからなかったので、最後は、自分の知的好奇心や欲求に素直になって直感を信じ、ZeLoへの参画を決意しました。あの当時のZeLoの状況を振り返るとよく移籍を決めたなと我ながら思いますが、根底には新しいチャレンジをしてみたいという強い気持ちがあったんだろうなと思います。転職は、自分がやりたいと思ったことに素直になったうえで、自身の選択を正解にする行動をしていくということに尽きると思います。

松田弁護士:
スタートアップでチャレンジしている方々の姿を見ていると、本当に自分のやりたいことは何かを突き詰めることがよいのだと感じています。「これをやる前に、これをやっておいたほうが……」などとリストアップしていては、永遠にやりたいことはできません。常に人は老化していくので、今の時間を大事にして、今自分が思う最良の選択をしていくことが大切だと思っています。

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